通算最多ポール&勝利記録のハミルトンが歴史的初停滞。揺らぐ“ポールの概念”/2022年F1数字考第2回

 昨季2022年シーズンのF1における“数字”を軸にアレコレ考えていく『2022年F1数字考』の第2回。今回はドライバーの通算勝利数と通算ポールポジション獲得回数の動向に目を向け、そこから話を展開していこう。2022年シーズンの数字、というよりは、2022年シーズンまでの数字、という色合いが濃くはなるが、この2大記録トップの数字が2022年はどちらも動かなかったわけで、それはけっこう歴史的な出来事であった。

雪と氷のRoCスウェーデン大会は、国別のソルベルグ親子に続きエクストロームが最多勝に並ぶ4勝目

 あらゆるタイプの車両、あらゆるカテゴリー、あらゆる出身国のスタードライバーが勢揃いし、世界一の栄誉を競う『レース・オブ・チャンピオンズ(RoC)』の2023年大会が1月28〜29日にスウェーデンのピーテオで開催され、初日の国別対抗ネイションズカップでは、ノルウェー代表のペター&オリバーのソルベルグ親子が連覇を達成。そして日曜の個人戦では、かつてのミハエル……そして今回のミックと、シューマッハ親子を撃破したマティアス・エクストロームが、歴代最多に並ぶ自身4度目の優勝を飾っている。

【動画】ベッテルvsアロンソ。F1最大のライバルが繰り広げた激しくクリーンなバトル

 2022年シーズンでF1を引退したセバスチャン・ベッテルと、その最大のライバルであったフェルナンド・アロンソ。2010年代のF1を彩ったふたりのワールドチャンピオンによる熱いバトルの数々を動画で振り返ろう。

 F1通算53勝を挙げたベッテルの輝かしいキャリアを振り返るうえで、忘れてはならないのがアロンソとのライバル関係だ。

年間最多新記録15勝をマークしたフェルスタッペン、その勝率は歴代何位?/2022年F1数字考第1回

 マックス・フェルスタッペン(レッドブル)の圧勝に終わった2022年のF1。そこで生まれた“数字”についてのアレコレを全3回予定で考えてみたい。記録という枠だけにとらわれず、数字で考えられる部分を探っていこうという趣向だが、やはり数字の代表格は記録である。まず第1回はフェルスタッペンが樹立した年間最多勝記録に関する数字について、掘り進めていく。

ベッテル、かつてF1タイトルを争ったアロンソに敬意を示すも「互いのことをあまりよく知らない」と明かす

 セバスチャン・ベッテルは、フェルナンド・アロンソをドライバーとして高く評価しているが、コースを離れたところで彼と親しくしたことはほとんどないと認めている。

 F1を引退したばかりのベッテルは、長年にわたってアロンソと多くの素晴らしいバトルを展開していた。ベッテルがレッドブルでチャンピオンだった時期、アロンソは最も手ごわいライバルのひとりだった。2010年から2013年の間にベッテルは4回世界チャンピオンになったが、アロンソはそのうちの3シーズンでベッテルに次いで2位につけていた。

【動画】ベッテルのラストレースをアストンマーティンF1が公開。関係者たちがその素顔を語る

 アストンマーティンF1は、2022年シーズン限りでF1キャリアを終えたセバスチャン・ベッテルの引退に華を添える特別なビデオを公開した。

 動画にはベッテルの引退レースとなった2022年最終戦アブダビGPの裏側に密着した模様が収められているほか、関係者とベッテル本人のインタビューも盛り込まれ、ベッテルへの感謝と愛が詰まった内容になっている。

ベッテルとシューマッハー、2023年のレース・オブ・チャンピオンズで再びタッグ結成。チーム・ドイツでタイトルを狙う

 セバスチャン・ベッテルとミック・シューマッハーは、2023年1月にスウェーデンのピテ・ハブスバッドの雪と氷の上で開催されるレース・オブ・チャンピオンズ(ROC)でふたたびチームメイトとなる。

 ベッテルとシューマッハーはROCの個人戦に出場するが、ROCネイションズカップではチーム・ドイツを代表する。同大会でふたりがチームとなるのは3回目のことだ。

【独自ランキング:2022年F1トップ10ドライバー】10位セバスチャン・ベッテル/じっとこらえて見事に戦った最後の1年

 2022年F1シーズンを通して、毎戦全20人のドライバーの評価/採点を行ってくれたベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏が、シーズン全体を振り返り、独自の視点で2022年のトップ10ドライバーを選出した。10人のドライバーについての彼のレビューを添えて、カウントダウン方式で10位から1位までを紹介していく。

フェラーリF1を去るビノット、キャリアのなかで最も困難だった瞬間に“ベッテルに契約終了を告げたこと”を挙げる

 フェラーリのチーム代表を退任するマッティア・ビノットは、2020年5月にセバスチャン・ベッテルに電話したことをいつまでも覚えているだろうと述べている。それはビノットのプロとしてのキャリアのなかで直面した「最も困難な仕事」のひとつだったという。

 当時、新型コロナウイルスの影響でF1シーズンは大きく混乱し、開幕が4カ月遅れたが、フェラーリはシーズンが始まる前に、2021年のドライバーラインアップについて発表するという異例の決断を下した。この発表は、ベッテルとの契約を更新しないというフェラーリの決断であり、ビノット個人にも影響を与えるものだった。