勝田貴元を襲った二度の車両トラブル。最終SSではデフが破損「リヤの駆動が一気に抜けた」/WRC開幕戦

 シリーズ8冠王者のセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が前人未到の大会9勝目を飾って幕を閉じたWRC世界ラリー選手権第1戦ラリー・モンテカルロ。日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は同イベントで総合6位入賞を果たし、2023年シーズンの開幕戦からドライバー選手権ポイントを獲得したが、戦いの中では二度にわたってメカニカルトラブルに見舞われた。これらの状況についてラリー・モンテカルロ後の合同オンライン取材会に登場した勝田に話を聞いた。

 今シーズン、勝田がトヨタのワークスチームに昇格し、オジエとサードカーをシェアしつつ4台目のGRヤリス・ラリー1も活用して年間の全13戦に出場するのは既報のとおりだ。1月19~22日に開催されたラリー・モンテカルロはその初戦。勝田はチームメイトであるカッレ・ロバンペラ、エルフィン・エバンス、そしてオジエの3名とともに伝統の一戦に臨んだ。

トヨタGR WRCチャレンジ2期生3名がラップランド・ラリーに参戦。大竹がクラス2位フィニッシュ

 TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの2期生である、大竹直生、小暮ひかる、山本雄紀は1月12日~14日、フィンランド・ラリー選手権第1戦『アークティック・ラップランド・ラリー』に参戦した。2023年の初戦として3名が挑んだ同イベントでは、大竹と山本がSM3クラスでステージトップタイムを記録。また、大竹/マルコ・サルミネン組は2期生のプログラムで過去最高のクラス2位となっている。

 フィンランド・ラリー選手権の開幕戦として行われたアークティック・ラップランド・ラリーは、13日(金)と14日(土)の2日間にわたって合計11本、総距離230.27kmのスペシャルステージ(SS)で争われた。

GRヤリス・ラリー2導入のトヨタの意図と覚悟。クルマの性能とともに問われるサポート体制

 2022年11月のラリージャパンで世界初公開された『GRヤリス・ラリー2コンセプト』は、トヨタが今後しばらくラリーにコミットし続けるという強い決意の証である。

 トップカテゴリーであるWRカーやラリー1でのWRC世界ラリー選手権参戦は、企業のプロモーション活動としての役割が大きく、世界中の人々にトヨタのモータースポーツイメージを植え付けることに成功した。しかしF1と同様に、ラリー1は限られた選手だけがステアリングを握ることができるエリート用マシンであり、一般的なラリードライバーにとっては夢を描くことが難しい。