『38』から『25』へ。タイヤセット数大幅削減のデイトナ24時間は「異なるアプローチ」が必要に

 IMSAとミシュランがロレックス24・アット・デイトナ(デイトナ24時間レース)とウェザーテック・スポーツカー選手権のシーズンにおいて使用できるタイヤ本数を減らした結果、2023シーズンのGTPクラスのチームは「異なるアプローチ」を採ることになると、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツのマネージング・ディレクターを務めるジョナサン・ディウグイドは述べている。

デイトナ24時間は空前の生き残り合戦か。デビューを飾るLMDh車両の敵は「信頼性」と各メーカー

 間もなく、アキュラ、BMW、キャデラック、ポルシェのLMDh車両が、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第1戦の『ロレックス24・アット・デイトナ(デイトナ24時間レース)』で、レースデビューの時を迎える。これら4つのファクトリーチームのマネジメント陣営は、勝利に向けた唯一の脅威は信頼性になると予想している。

デイトナへの準備を急ぐBMW、デビュー戦までの休みは2日のみ。年末はCOTAでテストを実施

 2023年にデビューするBMWの新型プロトタイプカー『BMW MハイブリッドV8』の2022年最後のテストは、このクルマの初陣となるデイトナ24時間レースとIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の最初のシーズンに向けたレースの準備に焦点を当てたものであった、とBMW MチームRLL副代表のブランドン・フレイは語った。

 北米耐久シリーズで2台のBMW MハイブリッドV8を走らせる同チームはクリスマス直前の2日間、サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)にLMDhカー1台を持ち込んでテストを実施した。このときCOTAを走った個体は、12月初めにデイトナ・インターナショナルスピードウェイで行われたIMSA公認テストで完成したレースシャシーと同じものだ。

【動画】LMDhの走りをひと足先に。ポルシェ、BMW、アキュラ、キャデラックによるデイトナテスト

 2023年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権で走り出す、新しいプロトタイプカー4車種の走りを見ることができるショートムービーが、IMSA公式YouTubeチャンネルで公開されている。

 今季2023年シーズンのウェザーテック・スポーツカー選手権は、2017年から昨季2022年まで続いたDPiクラスに代わるGTPクラスが新設され、ここにキャデラック、BMW、ポルシェ、そして王者アキュラの新型LMDhマシンが登場する。

現状は世界に2台のみ。アキュラLMDhのカスタマー拡大には「評価が必要」とHPD副社長

 HPDホンダ・パフォーマンス・デベロップメントの副社長であるケルビン・フーは、2023年にデビューを飾る新型LMDhカー『アキュラARX-06』について、現在のところカスタマーチームへ提供する予定はないものの、その将来的な実現可能性を完全に否定はしていない。

フェラーリ、ポルシェ、BMWなどが新規参戦。2023年、耐久レースは黄金時代に突入【WEC/IMSA最新状況まとめ】

 2023年は世界三大レースのひとつであるル・マン24時間レースの100周年大会が開催されるメモリアルイヤーだ。同時に耐久の雄ポルシェ、かつてル・マンを席巻したフェラーリ、北米選手権からグローバルシリーズに進出するキャデラックなどの自動車メーカーが、ル・マン/WEC世界耐久選手権のハイパーカークラスに新型マシンを投入することから、プロトタイプレースにおける“黄金時代”の再来を予感させる年でもある。

 また、アメリカを中心に開催されているIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権では、WEC/ル・マンにも出場可能なLMDhという新しい車両規則が導入される。2022年のIMSA最高峰クラスには、アキュラとキャデラックが参加していたが、新シーズンはここにポルシェとBMWが加わり一層激しい戦いが繰り広げられることになる。本稿はそんな2023年のプロトタイプカー事情をまとめたもの。今月28~29日に開催されるIMSA第1戦デイトナ24時間レースや、3月にセブリングで行われるWEC開幕戦を迎えるにあたって事前情報の整理に役立ててほしい。

テストでトラブル発生も、ウィットマンとエングはBMWの進歩を楽観視「心配することではない」

 BMWワークスドライバーのフィリップ・エングとマルコ・ウィットマンは、先週デイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われたIMSA公認テストを終えたBMW MチームRLLの進歩に楽観的であり、最近の耐久テストの失敗の影響についても問題視していない。

 エングとウィットマンはともに、2台のBMW MハイブリッドV8で周回を重ねた6人のドライバーのうちのひとりだった。

BMW Mハイブリッド V8に暗雲? ギヤボックス&エンジントラブルにより24時間テストを打ち切り

 12月6〜7日、フロリダ州のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われたIMSA公認テストに2台目の『BMW Mハイブリッド V8』を投入したBMW。しかしこの公認テストの前、11月に予定していた24時間耐久テストは、メカニカルトラブルにより短縮されていたことが明らかとなった。

アキュラ、新型LMDhのエンジンやソフトウェアをアップデート。IMSA公認テストで「多くの発見」

 ホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント(HPD)副社長のケルビン・フーによると、アキュラは今週デイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われたIMSA公認テストで、アキュラARX-06のエンジンとソフトウェア関連のアップデートに取り組んだという。同氏は新型LMDhカーについて「まだ多くの発見がある」と語った。

 ウェイン・テイラー・レーシング(WTR)と2022年IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権DPiチャンピオンとなったメイヤー・シャンク・レーシング(MSR)は、12月6~7日に行われたテストの両日とも、非公式ながらタイムシートのトップ2を独占した。

LMDhほぼ全車にトラブル/GTPの新燃料/もっと早く始めればよかった醸造所etc.【GTPデイトナテスト最終日Topics】

 12月6日から始まったデイトナ・インターナショナル・スピードウェイでのIMSA公認テストの2日目。7日(水)も前日と同じく、2台のアキュラARX-06が非公式タイムながらトップ2を占め好調をアピールした。また、テスト初日のセッションではタイムを記録しなかったマシンも走行を開始し、7週間後に迫ったIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権開幕戦デイトナ24時間レースに向け、着々と準備が進められている。そんなGTPデイトナテスト最終日のパドックから、各種トピックスをお届けする。

■24号車BMWと01号車キャデラックが初走行