HPD社長がマイケル・アンドレッティの“野望”に反応。アキュラLMDhでのWEC参戦は「ホンダ次第」

 北米でホンダのモータースポーツ活動を担うHPD(ホンダ・パフォーマンス・デベロップメント)の社長が、新型LMDh車両『アキュラARX-06』でWEC世界耐久選手権に参戦する可能性について「アキュラとHPDの立場に変わりはない」と改めて認めた。WEC参入可否はグローバルな、つまり日本の『ホンダ』の判断になるという。

 これは、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に参戦するウェイン・テイラー・レーシング(WTR)・ウィズ・アンドレッティ・オートスポートの新共同オーナーであるマイケル・アンドレッティが、「今後数年のうちに」WECハイパーカークラスに参入したいという野望を表明したことを受けての、HPD側の反応だ。

アキュラ陣営のWTRと組んだマイケル・アンドレッティ、WEC進出が目標と明言「欧州にも拠点設ける」

 チームの共同オーナーであるマイケル・アンドレッティによれば、現在IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権にアキュラARX-06のファクトリー車両で出場しているウェイン・テイラー・レーシング(WTR)・ウィズ・アンドレッティ・オートスポートは「今後数年以内に」WEC世界耐久選手権に進出することを目標にしているという。

 アンドレッティは1月22日、デイトナ・インターナショナル・スピードウェイで「それは、秘密ではない」と記者団に対し語り、世界規模へとプログラムを拡大する野心を表明した。

耐久テストなしでデイトナ24時間にデビューするアキュラARX-06。頼りにするのは“チーム力”?

 ホンダ・パフォーマンス・デベロップメント(HPD)社長兼テクニカルディレクターのデビッド・ソルターズによれば、アキュラは1月末のデイトナ24時間レースに向けてARX-06の耐久テストを行っていないため、ふたつのタイトル獲得経験チームの強みを活かすことになる、という。

■長距離連続走行はなくとも、パーツへの負荷はかけている

WTR、新型アキュラARX-06のカラーリングを公開。デイトナ24時間レースでデビュー

 ウェイン・テイラー・レーシング(WTR)・ウィズ・アンドレッティ・オートスポートは1月11日、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の2023年シーズンに投入する10号車アキュラARX-06のマシンカラーリングを公開した。

 従来のDPiからハイブリッドマシンのLMDhカーを用いるGTPへとトップカテゴリーが置き換えられる新シーズンに向け、お馴染みのリッキー・テイラーとフィリペ・アルバカーキのコンビに、助っ人のルイ・デレトラズ、デイトナ24時間で第4ドライバーを務めるブレンドン・ハートレーを加えた4人体制で開幕戦に臨むWTR・ウィズ・アンドレッティチーム

アキュラLMDhのル・マン出場にも光明? アンドレッティと提携のウェイン・テイラー「ステップアップが必要だった」

 12月28日にアンドレッティ・オートスポートとの長期的パートナーシップを発表したウェイン・テイラー・レーシング(WTR)。両チームがスポーツカーレースで協力することになった背景と、この先のビジョンについて、チームオーナーのウェイン・テイラーが説明した。

■交渉のきっかけはマイケルから

ウェイン・テイラー・レーシングとアンドレッティ・オートスポートが提携発表。アキュラLMDh参戦体制も拡大?/IMSA

 ウェイン・テイラー・レーシング(WTR)とアンドレッティ・オートスポートは12月28日、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に参戦するため、このふたつのチャンピオン経験チームがリソースを結集し、新たな長期的パートナーシップを結ぶと発表した。

 今回誕生することになった『ウェイン・テイラー・レーシング・ウィズ・アンドレッティ・オートスポート』は2023年、リッキー・テイラーとフィリペ・アルバカーキが乗る10号車アキュラARX-06をGTPクラスに投入。さらにこの組織は、レーサーズ・エッジ・モータースポーツとのジョイントにより、アシュトン・ハリソンとカイル・マーセリがドライブするGTDクラスのアキュラNSX GT3 Evo22のプログラムの背後にもつく予定だ。

あなたもアキュラARX-05のオーナーに? コニカミノルタカラーの10号車が競売にかけられる

 HPDホンダ・パフォーマンス・デベロップメントが、2022年にIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のDPiクラスを戦っていたウェイン・テイラー・レーシング(WTR)の10号車アキュラARX-05をオークションに出品している。近代的なプロトタイプ・レーシングカーが、このような形で売りに出されるのは珍しい。

NSX GT3でIMSA耐久カップ参戦。レーサーズ・エッジとWRTが共闘、デイトナではブリスコ―起用

 レーサーズ・エッジ・モータースポーツは、ウェイン・テイラー・レーシング(WTR)と提携し、来年2023年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権におけるミシュラン耐久カップのGTDクラスに、アシュトン・ハリソン、カイル・マルチェッリ、ダニー・フォーマルを起用したラインアップで参戦する。

 このトリオは、ハリソン・コントラクティングがスポンサーを務めるアキュラNSX GT3 Evo22を操り、来月末に開催される開幕戦デイトナでは、第4ドライバーとしてチームに合流するライアン・ブリスコーとともに24時間レースを戦う予定だ。

アキュラ、新型LMDhのエンジンやソフトウェアをアップデート。IMSA公認テストで「多くの発見」

 ホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント(HPD)副社長のケルビン・フーによると、アキュラは今週デイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われたIMSA公認テストで、アキュラARX-06のエンジンとソフトウェア関連のアップデートに取り組んだという。同氏は新型LMDhカーについて「まだ多くの発見がある」と語った。

 ウェイン・テイラー・レーシング(WTR)と2022年IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権DPiチャンピオンとなったメイヤー・シャンク・レーシング(MSR)は、12月6~7日に行われたテストの両日とも、非公式ながらタイムシートのトップ2を独占した。