モータースポーツの世界で戦うチームは、レギュレーションのグレーゾーンがあればそれを利用してメリットを得ようとするものだ。自動車メーカーのワークスチームの場合、不正を行ってそれが発覚した場合、ブランドに傷がつくおそれがあるため、スタッフをガイドラインに厳格に従わせる。しかしそれ以外のチームにとっては、ルールを多少曲げることが有利に働くなら、ばれないことを願いつつ、実行に移す傾向にある。それをFIAがどう監視しているのかを説明していく。
F1オーナー、F1売却報道に懸念を示したFIA会長に激怒「容認できない越権行為」と厳重抗議
サウジアラビアの公共投資ファンドが昨年、F1の商業権を所有するリバティ・メディアに対してF1事業の買収を持ちかけ、200億ドル(約2兆6000億円)を超える額を提示したという報道に対して、FIA会長モハメド・ビン・スライエムが行った発言に関し、リバティが抗議を行ったことが明らかになった。ビン・スライエム会長の発言はリバティの権利に干渉するものであり、F1の価値を下げる可能性もあるとして、リバティ側は怒りを示している。
FIA会長、アンドレッティ・キャデラックF1プロジェクトへの“否定的な反応”を批判
FIA会長モハメド・ビン・スライエムは、アンドレッティ・キャデラックのF1プロジェクトに対して「否定的な反応」があったことに驚いたとのコメントを発表した。
ビン・スライエム会長は、F1参入を希望する者の存在を確認したいとの意向を示し、そのためのプロセスを開始する見通しであることを明らかにした。それを受け、マイケル・アンドレッティ率いるアンドレッティ・グローバルが、アメリカの自動車メーカー、ゼネラルモーターズと提携し、『アンドレッティ・キャデラック』としてF1エントリーを目指すと発表した。
ラリージャパン2022、FIAの環境認証プログラムで“ふたつ星”獲得。改善を追求する活動などが評価
12月26日、ラリージャパン事務局は、11月10~13日に開催されたWRC世界ラリー選手権第13戦『フォーラムエイト・ラリージャパン2022』が、FIA国際自動車連盟の環境認証プログラムで“ふたつ星”を獲得したことを明らかにした。
FIA環境認証プログラムは、地球規模のモータースポーツ活動や自動車関連産業の健全な発展を促し、その環境パフォーマンスの強化に資することを目的に設定されているもの。ラリージャパン2022が授与された“ふたつ星”は3段階に分かれた授賞構成のうち、環境システムの導入を通じて継続的な改善を追求する大会主催者の活動と取り組みへの遂行レベルが『優良』であることを示すものだ。
「このトロフィーは予算制限対象外だよ」FIA会長とレッドブル代表の間でかわされた気まずい会話
2022年FIA授賞式において、F1コンストラクターズタイトルを獲得したレッドブル・レーシングを代表して出席したチーム代表クリスチャン・ホーナーとFIA会長モハメド・ビン・スライエムが、バジェットキャップ違反やF1レギュレーションの不備に触れ、気まずい雰囲気が流れた。
12月9日にイタリア・ボローニャで実施された授賞式において、ビン・スライエムFIA会長は、ホーナーにトロフィーを手渡す際、「クリスチャン、このカップはコストキャップとは関係ないからね。これはFIAからだ。君たちのコスト上限額から差し引くつもりはない」と述べた。レッドブルは、2021年にレギュレーションで定められた予算上限額を超えた額を使ったことが明らかになり、今年10月にペナルティを受けることが決定した。
ハミルトンが2022年FIAアクション・オブ・ザ・イヤーを受賞。F1イギリスGPでのダブルオーバーテイクをファンが選出
FIAは、2022年の『FIAアクション・オブ・ザ・イヤー』を、メルセデスF1チームのルイス・ハミルトンに授与した。この賞は、さまざまなレースカテゴリーを対象としてシーズンを通して最も劇的な瞬間に贈られるもので、ファン投票によって決められる。今年はハミルトンがイギリスGPで見せたオーバーテイクが選ばれた。
F1マシンの後方視界改善に苦慮するFIA。リヤビューカメラ導入には問題点、2023年にはミラーサイズ拡大で対応
F1ドライバーたちが長年、後方視界の悪さを訴えているため、以前からF1マシンにリヤビューカメラを設置し、車内のスクリーンで映像を流すという方法を取り入れることが検討されている。しかしFIAのシングルシーター・テクニカルディレクターのニコラス・トンバジスは、このソリューションにはいくつかの問題点があるとして、現時点では導入できないと述べている。
F1スプリントに関連するコストキャップレギュレーションが変更に。事故ダメージ規定を廃止しシンプル化
FIA世界モータースポーツ評議会の2022年最後の会合が、12月7日に実施され、いくつかの決定事項が発表された。そのなかで、F1スプリントに関する財務レギュレーション変更が確定したことが明らかになった。
2021年にスプリントフォーマットがF1に導入された。フリープラクティスを3回から2回に減らし、金曜に予選を行い、その順位をグリッドとした100kmのスプリントレースを土曜に実施、そのリザルトを日曜決勝グリッドに反映させるという形式だ。