予算制限の導入を高く評価するハースF1代表。一方で2023年は「我々も他チームも制限額に達する」と予想

 ハースF1チームのチーム代表であるギュンター・シュタイナーは、2023年にはF1のすべてのチームが予算制限に達するだろうと予想している。

 チーム予算の支出制限は2021年から導入されており、トップチームの多くは過剰支出を避けるために開発を抑えることを余儀なくされた。だがレッドブルは制限を超え、結果として多額の罰金を科され、空力テストの割り当てを減らされた。

【独自ランキング:2022年F1トップ10ドライバー】9位バルテリ・ボッタス/アルファロメオに6位をもたらした立役者

 2022年F1シーズンを通して、毎戦全20人のドライバーの評価/採点を行ってくれたベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏が、シーズン全体を振り返り、独自の視点で2022年のトップ10ドライバーを選出した。10人のドライバーについての彼のレビューを添えて、カウントダウン方式で10位から1位までを紹介していく。

新世代F1マシンで市街地コースを走るには「重すぎるし硬すぎる」とフェルスタッペンが酷評

 レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、2022年シーズンにグラウンドエフェクトマシンを操って市街地コースを走ったことは、これまでF1マシンをドライブしてきたなかで最悪の体験だったという。

 2022年シーズンはF1のテクニカルレギュレーションに大幅な変更があり、グラウンドエフェクトを設計思想の中心に据えた新世代のマシンが登場した。主なダウンフォースを、フロントやリヤのウイングよりも、フロアやアンダーボディによって発生させるマシンだ。

息子セバスチャンのF1キャリアを見守り続けたベッテル父「素晴らしい時間をありがとうと言いたい」

 2007年にセバスチャン・ベッテルがF1に参戦して以来、F1のパドックから離れることのなかったひとりの献身的で熱狂的なファンがいた。それは、彼を誇りに思う父親のノルベルト・ベッテルだ。

 初めはノルベルトがヒルクライム競技に出場しているのを、幼いセバスチャンが見ていた。しかしその役割はすぐに逆転し、セバスチャンは8歳で初めてカートのステアリングを握った。

レッドブルF1のニューウェイ「空力テスト削減のペナルティは2023年のパフォーマンスに影響する」

 レッドブル・レーシングが2021年にF1レギュレーションで定められている支出額の上限を超過したことでペナルティを受けることが決まっているが、2023年に空力テストにおいて制限を科されることについて、チーフテクニカルオフィサーを務めるエイドリアン・ニューウェイは、コース上のパフォーマンスに影響するとして懸念を示した。

 レッドブルは多額の罰金を科されただけでなく、2023年には風洞とCFD(数値流体力学)における開発時間を10パーセント減らされることになった。

結論の出ないアルファタウリF1のリーダー問題。角田裕毅は「速い人間がチームを引っ張っていく」と固執せず

 角田裕毅は、結果的には「より速い」ドライバーが2023年のアルファタウリF1を率いていくことになると語り、現時点でのチームリーダーの立場にはこだわっていないことを明かした。

 角田とニック・デ・フリースという布陣で2023年シーズンを戦うアルファタウリにとって、現時点で最大のトピックと言えるのが、どちらのドライバーがチームを率いる立場になるのかという問題だ。

マクラーレンF1のチーム代表に就任したステラ、フェラーリ時代にトッドやドメニカリから学んだ経験を振り返る

 アンドレア・ステラがマクラーレンF1チームのチーム代表に新たに就任できたのは、高く評価されている彼自身の才能だけでなく、長年にわたって獲得してきた膨大な知識と経験のおかげだという。

 ベテランのステラは、マクラーレンを率いていたアンドレアス・ザイドルからバトンを受け取った。ステラは2015年にマクラーレンに加入したが、その前はフェラーリで15年間を過ごしていた。パフォーマンスエンジニアとしてのキャリアを始めたフェラーリでステラは、世界チャンピオンのミハエル・シューマッハー、キミ・ライコネン、フェルナンド・アロンソとともに仕事をした。

【独自ランキング:2022年F1トップ10ドライバー】10位セバスチャン・ベッテル/じっとこらえて見事に戦った最後の1年

 2022年F1シーズンを通して、毎戦全20人のドライバーの評価/採点を行ってくれたベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏が、シーズン全体を振り返り、独自の視点で2022年のトップ10ドライバーを選出した。10人のドライバーについての彼のレビューを添えて、カウントダウン方式で10位から1位までを紹介していく。

F1のブラック&オレンジ旗の運用について、マシンの損傷に「過剰反応した」とFIAシングルシーター技術責任者が認める

 FIAのシングルシーター技術責任者であるニコラス・トンバジスは、2022年シーズン中にレースコントロールがブラック&オレンジ旗の使用にあたって「過剰反応した」ことがあったと認めた。

 この旗は、安全なレース継続のために、ピットレーンでの修理が必要なほどの損傷をマシンが負っている際に掲示される。たとえチームが不要と判断した場合でも、ドライバーは修理の対応のためにピットストップを行うことを要求される。

リカルドのF1復帰を願うザク・ブラウン。マクラーレンでの不振は「一種の大きな謎」と語る

 マクラーレン・レーシングのCEOを務めるザク・ブラウンは、ダニエル・リカルドがチームの期待に応えられなかったことは「大きな謎」のままだと述べている。しかしブラウンは、将来“運命の巡り合わせがあれば”彼がチームに戻ってくるための扉は開いているだろうという。

 リカルドは大きな野望とともに2021年の初めにマクラーレン入りし、マクラーレンも同様に実り多い関係を期待していた。その年にリカルドはモンツァでチームに優勝をもたらしたが、残りの在籍期間は期待外れの結果が続き、リカルドにしては非常に稀な場面が垣間見られた。不振の2シーズン目を過ごしたリカルドは、契約を早期に終了することに同意した。