【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第17回後編】“復活の1年目”は目標達成も「もうちょっとやれた」過渡期ならではの苦労も

 2022年シーズンで7年目を迎えたハースF1チームと小松礼雄エンジニアリングディレクター。今年はチームにとって“復活の1年目”となったシーズンだったが、見事にハースはシーズン開幕前に立てた目標を達成し、コンストラクターズ選手権を8位で終えた。しかし小松エンジニアは、「クルマの実力とは合っていない成績」と物足りなさを感じたと言う。開幕戦での5位入賞や、ブラジルでのポールポジション獲得など、随所で光るパフォーマンスを発揮したチームとしては、やはりもう少し上の順位が見えていたようだが、その一方でまだまだ過渡期にあるチームならではの苦労経験した。そんな2022年シーズンを小松エンジニアが振り返ります。

早い段階で開発に成功したアルファロメオ。アストンマーティンは大胆なアップデートが成功/2022年F1戦力分析(2)

 新たな技術規則が導入され、前年までとはまったく異なるマシンが誕生した2022年シーズンのF1。マシンの特徴やシーズン中のアップデート、ドライバーのパフォーマンスなどから、各チームの戦力を振り返る。第2回となる今回は、コンストラクターズ選手権6位のアルファロメオ、7位のアストンマーティンだ。

マグヌッセンが躍進を後押し。ドライバー泣かせのマシンでライバルを上回ったガスリー/2022年F1戦力分析(1)

 新たな技術規則が導入され、前年までとはまったく異なるマシンが誕生した2022年シーズンのF1。マシンの特徴やシーズン中のアップデート、ドライバーのパフォーマンスなどから、各チームの戦力を振り返る。初回となる今回は、コンストラクターズ選手権8位のハース、9位のアルファタウリ、10位のウイリアムズだ。

リカルドがレッドブルF1にリザーブとして帯同するのは特定のレースのみ。ピレリのタイヤテストにも参加へ

 レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、2023年にダニエル・リカルドがリザーブドライバーとして待機するのは、限られた数のレースであることを認めた。

 マクラーレンを去るリカルドはレッドブルとリザーブドライバー契約を結んだが、ホーナーは例外的な事情がない限り、リカルドをレースシートに昇格させる計画はないことを明確にした。必要に応じてレッドブルのジュニアドライバーであるリアム・ローソンが、チームの第一の代役要員になるのだ。しかしながらローソンは、2023年は日本で全日本スーパーフォーミュラ選手権に参戦することになっており、そのうちの3戦がF1のエミリア・ロマーニャGP(イモラ)、カナダGP(モントリオール)、メキシコGP(メキシコシティ)と日程が重なっている。

【2022 F1新時代元年の敗者の理由(1)フェラーリ】過去最大級のパワートレインの飛躍とリスク

 2022年、F1技術レギュレーションが一新されるにあたり、各チームの序列がリセットされ、新たな戦いが見られることが期待された。結果的にトップグループではレッドブルが独走し、フェラーリとメルセデスは大差で敗れることになった。なぜ彼らは大敗したのか。また、中団以下のチームは、なぜ上位争いに挑むチャンスをつかめなかったのか。その背景を、F1ジャーナリスト、サム・コリンズ氏が分析した(全3回)。第1回はフェラーリに焦点を当てた。

1980年代のF1ドライバー、フィリップ・ストレイフが死去

 元F1ドライバーで、1980年代にF1に参戦したフィリップ・ストレイフが、12月23日に死去した。67歳だった。

 フランス出身のストレイフは、1984年から1988年にかけてF1に53回出走した。1984年最終戦でルノーからF1デビュー、リジェ、ティレル、AGSに所属した。最高位はリジェで走った1985年オーストラリアGPでの3位。1989年もAGSから参戦する予定だったが、ブラジル・リオデジャネイロで行われた開幕前のテストで大事故に遭い、頸椎が骨折、脊髄が広範囲にわたる損傷を受けたことにより、ストレイフは半身不随となり、ドライバーとしてのキャリアを断たれることになった。

ベッテルとシューマッハー、2023年のレース・オブ・チャンピオンズで再びタッグ結成。チーム・ドイツでタイトルを狙う

 セバスチャン・ベッテルとミック・シューマッハーは、2023年1月にスウェーデンのピテ・ハブスバッドの雪と氷の上で開催されるレース・オブ・チャンピオンズ(ROC)でふたたびチームメイトとなる。

 ベッテルとシューマッハーはROCの個人戦に出場するが、ROCネイションズカップではチーム・ドイツを代表する。同大会でふたりがチームとなるのは3回目のことだ。

メルセデスF1が2023年型マシン『W14』を初始動、動画を公開

 メルセデスF1チームは、クリスマス休暇を前に、2023年型マシン『W14』を初始動したことを明かし、その様子を示す動画を12月22日に公開した。

 動画には、ファクトリーでスタッフたちが作業に取り組み、W14のファイアアップを行うまでの様子が紹介されており、マシンは映っていない。

レッドブルF1ボス「ホンダにまつわる状況は難しい」2026年以降のPU計画について近々決定。アルファタウリ売却は否定

 レッドブルのモータースポーツコンサルタント、ヘルムート・マルコは、2026年以降のパワーユニット(PU)プランについて近いうちに決定する予定であると語った。2026年からF1には新世代パワーユニットが導入される予定となっており、レッドブルは、自社のパワーユニット部門レッドブル・パワートレインズ(RBPT)での参戦を登録している。一方、現在レッドブル・パワートレインズに技術支援を行っているホンダ・レーシング(HRC)も、マニュファクチャラーとしての登録を行った。

レッドブルとホンダの関係性。ホンダF1事業の理想的な未来予想図を考察する【大谷達也のモータースポーツ時評】

 モータースポーツだけでなく、クルマの最新技術から環境問題までワールドワイドに取材を重ねる自動車ジャーナリスト、大谷達也氏。本コラムでは、さまざまな現場をその目で見てきたからこそ語れる大谷氏の本音トークで、国内外のモータースポーツ界の課題を浮き彫りにしていきます。今回は、レッドブルとホンダの現在の関係、そしてホンダF1事業の未来予想図について考察します。