全10戦の2023年カレンダー発表。2019年以来の欧州域外、南ア復活とアジア最終戦を予定/WorldRX

 電動化初年度の最高峰クラス『RX1e』でも“絶対王者”ヨハン・クリストファーソン(KMS/フォルクスワーゲンRX1e)が自身5度目のドライバーズタイトル獲得を決めたWorldRX世界ラリークロス選手権は、変革を遂げた2022年シーズンを終え、12月7日付けで来季2023年のカレンダーを発表。象徴的なヨーロッパ各国の会場に加えて、2019年以来となる欧州域外ラウンドの南アフリカと、開催地未定ながらアジアでの最終戦がスケジュールされた。

 来季2023年で、世界選手権化を果たして10年目を迎えるWorldRXは、ひさびさに復活のアフリカ大陸とアジアを歴訪する。発表されたカレンダーには、そうした興味をそそる新たな要素に加え、シリーズを象徴する会場や、このスポーツの伝説的な発祥の地を含む、お馴染みのトラック復活も予定されている。

ERCの2023年カレンダー発表。元WRCスウェディッシュに”復帰組”のハンガリー含む全8戦を予定

 2022年は10月にも、WRC世界ラリー選手権とのジョイントで最終戦を実施したERCヨーロッパ・ラリー選手権が、11月25日付で来季2023年の選手権カレンダーを発表した。シリーズとしては初開催となる7月のスウェーデンと、こちらは“復帰組”のハンガリーを加えた全8戦のスケジュールが公開されている。

 10月20~22日に開催されたスペイン・カタルーニャ地方の名物イベント『ラリーRACC・カタルーニャ-コスタ・ドラダ』を前に、エフレン・ヤレーナ(シュコダ・ファビア・ラリー2エボ)が初タイトルを獲得した2022年シーズンを経て、シリーズは現在のプロモーター体制とフォーマットを採用して以降、初となるスカンジナビア戦を組み込んだ。

Mスポーツ、オット・タナクとの契約を発表。2019年王者が6年ぶりに古巣復帰/WRC

 オット・タナクのヒョンデ離脱と、2022年シーズンをMスポーツで過ごしたクレイグ・ブリーンの韓国メーカーへの出戻り、このふたつの出来事から2019年王者の“古巣復帰”が有力視されていたが、それが現実のものとなった。12月7日、Mスポーツ・フォードWRTはWRC世界ラリー選手権の2023年シーズンに向けて、タナクと契約を結んだことを正式発表した。

 TOYOTA GAZOO Racing WRTで2019年にワールドチャンピオンを獲得した後、2020年からはヒョンデ・シェル・モビスWRTに籍を移し、ティエリー・ヌービルとともに陣営の“ダブルエース”の一角を担ってきたタナク。彼にとってMスポーツはWRCキャリアをスタートさせた場所だ。また、記念すべきキャリア初優勝を飾った思い入れのあるチームでもある。

3チーム中唯一体制未発表のMスポーツ・フォード。代表はプーマとチームのポテンシャルに自信/WRC

 Mスポーツ・フォードWRTの代表を務めるリチャード・ミルナーは、イギリスの名門ラリーチームが2022年シーズン中に達成した進歩を、さらに推し進めることを切望している。

 WRC世界ラリー選手権の最高峰カテゴリーで、TOYOTA GAZOO Racing WRTとヒョンデ・シェル・モビスWRTを相手に戦うMスポーツ・フォード。セミワークスチームであるこの組織は、フルワークスのトヨタ、ヒョンデの両チームがすでに2023年シーズンの参戦体制を明らかにしているなか、現在までそのアナウンスを行っていない。