チップ・ガナッシ・レーシング(CGR)とアクション・エクスプレス・レーシング(AXR)は、デイトナ24時間レースでGTPクラスデビュー戦の優勝を逃したものの、新型LMDhプロトタイプカー『キャデラックV-LMDh』の信頼性に勇気づけられたという。
キャデラック・レーシングを運営するCGRの2台と、ウェーレン・エンジニアリング・レーシングのバナーの下でIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の2023年シーズン開幕戦を戦ったアクション・エクスプレスの1台は、他のLMDhメーカー3社とは異なり車両に大きな遅れを生じさせるトラブルなくレースを完走した。
キャデラックのレースに影響を与えたのは主に外的な要因だった。CGRの01号車は5時間目にLMP3マシンに追突され、その後、燃料ホースをつけたままピットを離れたことによってドライブスルーペナルティを受けた。また、AXRの31号車・キャデラックは、ル・マン・シケインでGTDカーと接触した後、上位争いから脱落した。
01号車は電気系統のトラブルでステアリングを交換したが、ギアボックスのトラブルに見舞われた優勝車のメイヤー・シャンク・レーシング(MSR)の60号車アキュラARX-06よりもピットロードの滞在時間は少なかった。
チップ・ガナッシ・レーシングのグローバル・オペレーション・ディレクターであるマイク・オガーラは、「我々はその間ずっとフラットアウトだった」とSportscar365に語った。
「キャデラックが抱えていた唯一の問題は、接触によるものだった。どのクルマも(車両自体のトラブルでは)ガレージに入らず、何も落ちず、(大きな問題は)なかった。私たちはそのことに感動した」
「少しスピードを見つけなければならない。私はレーサーだから負けるのは好きじゃないけど、心の底ではこの数カ月で達成したことに満足している」
オガーラはCGRのキャデラックが、ワン・ツー・フィニッシュを飾ったアキュラ勢に挑むペースを欠いた理由を突き止めるのは簡単ではないと述べた。
「ピットレーンでの作業を見る限り、信頼性は我々の方が上だと思う」と同氏。
「スピードに関しては改善すべきことはひとつではないと思う。おそらく、10個の小さな問題を解決しなければならない」
「だから、私たちはダラーラやGMの人たちと一緒に働いているんだ。我々はそれぞれ自分の力を少しずつ入れて、うまくいけばライバルに勝つ方法を見つけることができると考えている」
■31号車は接触で足回りを損傷
AXRのチームマネージャーであるゲイリー・ネルソンは、デラーニが正体不明のGTDカーと接触したことで生じたサスペンションのダメージが、31号車のクルーにとって明確なメカニカルランを中断させたとSportscar365に語った。
「私たちが行ったすべてのテスト、ダラーラとゼネラルモーターズ(GM)が行ったすべての作業に基づいて、私たちは競争力を持ち、レースに臨むことができるという良い感触を持っていた」と、彼は言った。
「本当に最後にそこにいるような気がしていた。残念ながら午前4時にサスペンションを損傷する接触があり、その修復に17周を要した」
ネルソンの説明によると、この接触でサスペンションのブラケットが破損したという。
「実際には接触したときにすぐには壊れなかったんだ。ピポは『衝撃を感じた』と言い、その数周後に悪化したと言っていた」
「サスペンションを固定しているボルトが何本か折れていたので、ガレージに入ることになった。その時点で僕らの日ではなかったんだ」
ネルソンは、AXRの表彰台獲得のチャンスに水を差したものの、このような事故がレース中にしか起こりえないことを考えると、この経験は役に立つと指摘した。
「テストはすべて、接触する機会もなくただ周回を重ねるだけだった」とネルソン。
「GTカーとの速度の違い、タイヤのウォームアップの時間など、レース中のトラフィックで学ばなければならないことがたくさんあった。誰にとっても幸いなことに、天候は24時間レースとしては理想的だった」
「私たちはセブリングで24時間テストを行い、かなり自信を持っていた。未知の世界というのは、いつだって心配の種なんだ。しかし、準備が整い、すべてのシステムが正常に動作するようになると、トップ5をキープして最後にレースをする計画になった」
「私たちはそれを実行し、リーダーを目の前に置いていた。残念ながら接触はあったが、最後には5周戻ってきた」
「12時間のレースだったら優勝を狙っていたと思う。セブリングは12時間レースなので私たちは興奮しており、勝つためにそこに行くつもりだ」