1月25日、スペインのヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトでスーパーバイク世界選手権(SBK)の2023年シーズンに向けたテストが行われた。2日間に渡るテストの初日は、トプラク・ラズガットリオグル(Pata Yamaha with Brixx WorldSBK)がトップタイムをマークした。
SBKは2023年シーズン開幕に向けて本格的に始動し、今後行われるテストに向けても重要な2日間がスタート。初日にトップに立ったのは1分38秒597をマークしたラズガットリオグルだ。ゼッケンを1番から54番へと戻した2023年仕様のヤマハYZF-R1に跨り、リヤの新型スイングアームなど、リヤ周りのセットアップにフォーカスを置いてテストし、67周回をこなした。
続いて2番手タイムをマークしたのは、2022年シーズン王者のアルバロ・バウティスタ(Aruba.it Racing – Ducati)。1番のりでコースに出ていき、テストを開始したバウティスタは、チャンピオンナンバー『1』が掲げられた2023年型のドゥカティ・パニガーレV4 Rと2022年型の2台を使用。午後のセッションで転倒を喫したものの、初日は88周回を重ねて1分38秒851を記録した。
バウティスタのチームメイトであるマイケル・ルーベン・リナルディが同様に2台のドゥカティ・パニガーレV4 Rを使用して、フィーリングを得ることに集中した。バウティスタより0.389秒遅れをとっているが、1分39秒240をマークして3番手に着け、以上3名のライダーがトップ3に並んだ。
一方で過去6度のチャンピオン経験を持つジョナサン・レイとチームメイトのアレックス・ロウズが継続参戦するKawasaki Racing Team WorldSBKは、午前のセッションは冷え込んだため走行せず、午後からテストをスタートさせた。シャシーやサスペンションなどの新パーツ、さらに2022年に何度か発生したギア抜けを防ぐための新システムを導入したカワサキZX-10RRをテストしていたようだ。
また、ホンダ勢のチャビ・ビエルゲとイケール・レクオーナ(Team HRC)は、2023年型のCBR1000RR-Rは新しい形状のフェアリングや、サプライヤーであるニッシン製の新しいブレーキキャリパーを装備してテストを行った。
そしてBMW勢は、新しくなった2023年型のBMW M1000RRをテストした。また、既存のニッシン製からブレンボ製のブレーキに変更して調整を行った。 マイケル・ファン・デル・マークは65ラップ、スコット・レディングは67ラップを周回した。
さらに、今回のテストには4名のルーキーライダーも参加した。ドゥカティから参戦するダニロ・ペトルッチ(BARNI Spark Racing Team)は初日6番手に付けた。ドミニク・エガーターとレミー・ガードナー(GYTR GRT Yamaha WorldSBK Team)のふたりは、新しいスイングアームや電子部品を装着し、SBKで使用するマシンをテスト。ロレンツォ・バルダッサーリ(GMT94 Yamaha)もこの日初めてヤマハYZF-R1に乗り込みテストした。
また、今回のテストではスーパースポーツ世界選手権(WSS)のテストも合同で行われており、日本勢の岡谷雄太(Prodina Kawasaki Racing WorldSSP)も参加し、カワサキZX-6Rを走らせたが、リザルト上にタイムは表示されなかった。