もっと詳しく

 北米でスポーツカーレースを統括するIMSAは12月15日、アメリカ・フロリダ州のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで2023年1月28〜29日に開催するウェザーテック・スポーツカー選手権第1戦『ロレックス24(デイトナ24時間レース)』のエントリーリストを発表した。5クラス・60台の車両が名を連ねている。

 2023年のウェザーテック選手権は、最高峰クラスがこれまでのDPiから『GTP』へと生まれ変わり、各マニュファクチャラーが開発した『LMDh』規定の車両によって争われることになる。

 今回発表された開幕戦デイトナ24時間の暫定エントリーリストには、GTPクラス9台、LMP2クラス10台、LMP3クラス9台、GTDプロクラス8台、GTDクラス24台のマシンが記載されている。

 このイベントへのエントリー申請は72台に及んだといい、今回記載されなかった車両はリザーブリストに入れられているが、 IMSAはそれを公表していない。

 ドライバーラインアップ含むアップデート版のエントリーリストは、1月上旬に発表される予定だ。

 60台のうち、56台は長距離耐久レースで構成される『ミシュラン・エンデュランス・カップ』の全4戦への参戦をコミットしている。また、45台の車両がウェザーテック選手権へのフルシーズン参戦を予定している。

 デイトナへの出走数は2022年の61台よりも少なくなっているが、これはハイブリッドシステムを搭載するLMDh車両が安全上の理由からやや大きなピットボックスを必要とするため、このグリッド数が最大サイズになるとIMSAは説明している。

 予想されていたとおり、GTPクラスにはアキュラ、BMW、キャデラック、ポルシェのファクトリー勢がエントリーしており、プライベーターのポルシェ963は5月にウェザーテック・レースウェイ・ラグナセカで行われる第4戦までデビューしない予定だ。

 その代わり、ポルシェ963のカスタマーであるプロトン・コンペティションは、デイトナのLMP2クラスにオレカ07ギブソンを、同じくJDCミラー・モータースポーツはLMP3にデュケインD08・ニッサンを少なくともシーズン最初の2戦に投入することとなっている。

 このほか、プロ/アマの構成となるプロトタイプ勢では、LMP2ではリック・ウェア・レーシングとAFコルセのオレカ07、LMP3では2台のAWAチーム、MRS GTレーシングのリジェJS P320といったところが注目される。

 GTDプロクラスでは、レースデビューとして注目されるリシ・コンペティツィオーネのフェラーリ296 GT3、アイアン・リンクスのランボルギーニ・ウラカンGT3 エボ2などを筆頭に、7つのGT3マニュファクチャラーが参戦する。296、ウラカンともに、GTDクラスにも複数のエントリーがある。

 タイプ992の新型ポルシェ911 GT3 Rは、GTDプロクラスでパフ・モータースポーツ、GTDクラスではライト・モータースポーツ、ケリーモス・ウィズ・ライリー、MDKモータースポーツ、AOレーシングが走らせ、トータル7台が出走する。

 今回のリストから漏れているチームとしては、レーシングチーム・ターキー(LMP2)、KCMG(GTDプロ)、サンエナジー1・レーシング(GTD)、STレーシング(GTD)などがある。

 IMSA会長のジョン・ドゥーナンは、「70台以上のエントリーと60台の出走は、ウェザーテック選手権の新時代の幕開けに際し、国際耐久スポーツカーレースとIMSAのプラットフォームへの関心の高さを物語っている」と語った。

「第61回ロレックス・デイトナ24時間の60台というエントリーリストは、我々IMSAのメンバーにとって多大な努力を必要とするものだった」

「我々は、これまでで最も強力でコンペティティブなフィールドを提供できることを誇りに思う。来月、世界中のレースファンのために素晴らしいショーを開催することが待ちきれない」

 確定したエントリーのうちどれかが撤退した場合、IMSAはクリスマス前と年始早々に、リザーブチームの状況について情報を更新するという。

 これらの60台は、1月20日から22日の3日間にわたって行われる公式テスト『ロア・ビフォア・ザ・ロレックス』に参加。22日には、デイトナ24時間レースの決勝グリッドを決する予選が行われる予定だ。

■2023年IMSA第1戦デイトナ24時間レース 暫定エントリーリスト(12月15日版)

No. Class Team Car
01 GTP キャデラック・レーシング キャデラックV-LMDh
02 GTP キャデラック・レーシング キャデラックV-LMDh
6 GTP ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ ポルシェ963
7 GTP ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ ポルシェ963
10 GTP コニカミノルタ・アキュラARX-06 アキュラARX-06
24 GTP BMW Mチーム RLL BMW Mハイブリッド V8
25 GTP BMW Mチーム RLL BMW Mハイブリッド V8
31 GTP ウェーレン・エンジニアリング・レーシング・キャデラックV-LMDh キャデラックV-LMDh
60 GTP メイヤー・シャンク・レーシングw/カーブ・アガジャニアン アキュラARX-06
04 LMP2 クラウドストライク・レーシング・バイ・APR オレカ07・ギブソン
8 LMP2 タワー・モータースポーツ オレカ07・ギブソン
11 LMP2 TDSレーシング オレカ07・ギブソン
18 LMP2 Eraモータースポーツ オレカ07・ギブソン
20 LMP2 ハイクラス・レーシング オレカ07・ギブソン
35 LMP2 TDSレーシング オレカ07・ギブソン
51 LMP2 リック・ウェア・レーシング リジェJS P217・ギブソン
52 LMP2 PR1・マティアセン・モータースポーツ オレカ07・ギブソン
55 LMP2 プロトン・コンペティション オレカ07・ギブソン
88 LMP2 AFコルセ オレカ07・ギブソン
13 LMP3 AWA デュケインD08・ニッサン
17 LMP3 AWA デュケインD08・ニッサン
33 LMP3 シーン・クリーチ・モータースポーツ リジェJS P320・ニッサン
36 LMP3 アンドレッティ・オートスポーツ リジェJS P320・ニッサン
38 LMP3 パフォーマンス・テック・モータースポーツ リジェJS P320・ニッサン
43 LMP3 MRS GTレーシング リジェJS P320・ニッサン
74 LMP3 ライリー リジェJS P320・ニッサン
85 LMP3 JDCミラー・モータースポーツ デュケインD08・ニッサン
87 LMP3 ファストMDレーシング デュケインD08・ニッサン
3 GTDプロ コルベット・レーシング シボレー・コルベットC8.R GTD
9 GTDプロ パフ・モータースポーツ ポルシェ911 GT3 R
14 GTDプロ バッサー・サリバン レクサスRC F GT3
23 GTDプロ ハート・オブ・レーシングチーム アストンマーティン・バンテージGT3
62 GTDプロ リシ・コンペティツィオーネ フェラーリ296 GT3
63 GTDプロ アイアン・リンクス ランボルギーニ・ウラカンGT3 エボ2
64 GTDプロ TGM/TFスポーツ アストンマーティン・バンテージGT3
79 GTDプロ ウェザーテック・レーシング メルセデスAMG GT3
1 GTD ポール・ミラー・レーシング BMW M4 GT3
12 GTD バッサー・サリバン レクサスRC F GT3
16 GTD ライト・モータースポーツ ポルシェ911 GT3 R
19 GTD アイアン・リンクス ランボルギーニ・ウラカンGT3 エボ2
21 GTD AFコルセ フェラーリ296 GT3
023 GTD トリアルシ・コンペティツィオーネ フェラーリ296 GT3
27 GTD ハート・オブ・レーシングチーム アストンマーティン・バンテージGT3
32 GTD チーム・コルソフ・モータースポーツ メルセデスAMG GT3
42 GTD NTEスポーツ ランボルギーニ・ウラカンGT3 エボ2
44 GTD マグナス・レーシング アストンマーティン・バンテージGT3
47 GTD チェティラー・レーシング フェラーリ296 GT3
53 GTD MDKモータースポーツ ポルシェ911 GT3 R
57 GTD ウインワード・レーシング メルセデスAMG GT3
66 GTD グラディエント・レーシング アキュラNSX GT3
70 GTD インセプション・レーシング マクラーレン720S GT3
77 GTD ライト・モータースポーツ ポルシェ911 GT3 R
78 GTD USレーストロニクス ランボルギーニ・ウラカンGT3 エボ2
80 GTD AOレーシング ポルシェ911 GT3 R
83 GTD アイアン・デイムス ランボルギーニ・ウラカンGT3 エボ2
91 GTD ケリーモス・ウィズ・ライリー ポルシェ911 GT3 R
92 GTD ケリーモス・ウィズ・ライリー ポルシェ911 GT3 R
93 GTD レーサーズ・エッヂ・モータースポーツ・ウィズ・WTR アキュラNSX GT3
95 GTD ターナー・モータースポーツ BMW M4 GT3
96 GTD ターナー・モータースポーツ BMW M4 GT3