2023年はフォードブルー基調に。Mスポーツ、カラーリングを一新したプーマ・ラリー1を公開

 1月16日、WRC世界ラリー選手権に参戦しているMスポーツ・フォードWRTは、2022年引き続きシリーズの最高峰カテゴリーに投入されるフォード・プーマ・ラリー1の新しいカラーリングを公開した。

 WRCハイブリッド時代の幕開けを告げるラリー1規定が導入された2022年シーズンのオープニングイベントで歴史的なワン・スリー・フィニッシュを飾り、4年ぶりの勝利を味わったMスポーツ・フォード。あれから約1年、イギリスの名門ラリーチームは新シーズンに向け、2019年王者のオット・タナクと成長著しいピエール-ルイ・ルーベのふたりをレギュラードライバーに迎え、まもなくラリー・モンテカルロで開幕する2023年の戦いをスタートさせる。

【動画】Mスポーツ、モンテカルロに向けたテストを実施。タナクとルイ・ルーベがプーマ・ラリー1で走行

 Mスポーツ・フォードWRTは、1月8日と翌9日に2023年WRC世界ラリー選手権開幕戦『ラリー・モンテカルロ』のプレイベントテストを実施し、その模様を公式YouTubeチャンネルで公開している。

 1月19~22日に開催される第1戦モンテカルロから始まる新しいシーズンに向け、オット・タナクとピエール-ルイ・ルーベをレギュラードライバーとする新体制を構築したMスポーツ・フォード。2023年開幕戦ではジェントルマンドライバーのジョルダン・セルディルディスを加えた3台でのエントリーとなる同チームは、8日(日)から9日(月)にかけて、南フランスのギャップでテストを実施した。

ガス・グリーンスミス、8年過ごしたMスポーツ・フォードを離脱。2023年の計画は未発表

 WRC世界ラリー選手権に参戦しているMスポーツ・フォードWRTは12月20日、ガス・グリーンスミスが2022年限りで同チームを離れることを明らかにした。

 Mスポーツのアナウンスによれば、イギリスの名門ラリーチームとグリーンスミスの間で来季2023年に向けた契約が合意に至らず、フォード・プーマ・ラリー1で2022年シーズンを戦った両者は、それぞれ別の道を歩むことになったという。

MスポーツのWRC2ラインアップ決定。フルモーとミュンスターがフォード・フィエスタで参戦

 Mスポーツ・フォードはWRC世界ラリー選手権の2023年シーズンに向け、アドリアン・フルモーとグレゴワール・ミュンスターを同シリーズのWRC2クラスに送り込むことを確認した。彼らはともにフォード・フィエスタ・ラリー2 MkIIでステップアップカテゴリーのタイトル獲得を目指す。

 フルモーは車両トラブルや自身のミスによるアクシデントが相次いだ2022年シーズンを最高峰のラリー1クラスで過ごしたが、来る2023年はサポートカテゴリーに戻ることとなった。

Mスポーツ、タナクの僚友にピエール-ルイ・ルーベを指名。ギルソウルとのペアでWRC初フル参戦へ

 Mスポーツ・フォードWRTは12月15日、ピエール-ルイ・ルーベをふたりめのフルタイムドライバーとして2023年シーズンのWRC世界ラリー選手権で起用すると発表した。

 今季2022年はパートタイムで計7回、フォード・プーマ・ラリー1をドライブしたルーベ。自己最高位の4位をマークしたことに加え、自身初のステージ優勝と初のラリーリーダーを経験するなど、印象的な活躍を見せた25歳のフランス人は、先週“古巣復帰”がアナウンスされたオット・タナクのチームメイトとして全13戦が予定されている2023年シーズンを戦っていくことになった。

【動画】6年ぶり古巣復帰のタナクがMスポーツのフォード・プーマに搭乗。夜の森で全開走行

 トヨタとヒョンデを相手にWRC世界ラリー選手権の最高峰クラスに挑んでいるMスポーツ・フォードWRTが、来たる2023年に向けて起用を発表したオット・タナクによるフォード・プーマ・ラリー1のテスト走行の様子を公式YouTubeチャンネルで公開している。

 既報のとおり、リチャード・ミルナー代表が率いる英国の名門ラリーチームは、“ラリー1”規定導入2年目となる2023年シーズンに向けて体制を変更。2017年まで同チームに在籍し、ワールドチャンピオンとなって戻ってきたオット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組をふたたび迎え入れ、6年ぶりのタイトル獲得を目指す。

Mスポーツ、オット・タナクとの契約を発表。2019年王者が6年ぶりに古巣復帰/WRC

 オット・タナクのヒョンデ離脱と、2022年シーズンをMスポーツで過ごしたクレイグ・ブリーンの韓国メーカーへの出戻り、このふたつの出来事から2019年王者の“古巣復帰”が有力視されていたが、それが現実のものとなった。12月7日、Mスポーツ・フォードWRTはWRC世界ラリー選手権の2023年シーズンに向けて、タナクと契約を結んだことを正式発表した。

 TOYOTA GAZOO Racing WRTで2019年にワールドチャンピオンを獲得した後、2020年からはヒョンデ・シェル・モビスWRTに籍を移し、ティエリー・ヌービルとともに陣営の“ダブルエース”の一角を担ってきたタナク。彼にとってMスポーツはWRCキャリアをスタートさせた場所だ。また、記念すべきキャリア初優勝を飾った思い入れのあるチームでもある。

3チーム中唯一体制未発表のMスポーツ・フォード。代表はプーマとチームのポテンシャルに自信/WRC

 Mスポーツ・フォードWRTの代表を務めるリチャード・ミルナーは、イギリスの名門ラリーチームが2022年シーズン中に達成した進歩を、さらに推し進めることを切望している。

 WRC世界ラリー選手権の最高峰カテゴリーで、TOYOTA GAZOO Racing WRTとヒョンデ・シェル・モビスWRTを相手に戦うMスポーツ・フォード。セミワークスチームであるこの組織は、フルワークスのトヨタ、ヒョンデの両チームがすでに2023年シーズンの参戦体制を明らかにしているなか、現在までそのアナウンスを行っていない。