F1、チーム代表らが選ぶ2022年シーズンのトップ10ドライバーを発表。フェルスタッペンが堂々の1位に

 F1は年末恒例のチーム代表による投票を行った。2022年のグランプリドライバートップ10を選出するもので、その結果が発表された。

 ポイントはF1世界選手権でのランキングと同様の方式でつけられる。つまりそれぞれのチーム代表によってトップドライバーに25ポイントがつけられ、順位が下がるほどにポイントは減っていき、10位のドライバーには1ポイントが与えられる。

メルセデスF1の“柱”としてチームを支えたハミルトンを代表が称賛「みんなを励ましモチベーションを高めた」

 2022年シーズンのメルセデスF1に課題が山積みとなるなか、ルイス・ハミルトンがいかに「称賛に値する」やり方で仕事に取り組んだかについて、トト・ウォルフが賛辞を送った。ハミルトンはチームの「柱」となって活躍し、往事のミハエル・シューマッハーを彷彿させたという。

 メルセデスのハミルトン、そしてチームメイトのジョージ・ラッセルは、シーズン開始直後からライバルの後塵を拝した。新世代マシンの『W13』が慢性的な課題を抱えていたからだ。マシンの問題に対して、ラッセルは自身できる限りの努力をすることになった。一方、ハミルトンはシーズン序盤からその力量を買われ、チームを苦境から脱出させる試みとして、クルーたちと協力して試行錯誤しながらマシンの設定を詰め、変更を行う役割を与えられた。

レッドブル&HRC密着総集編:すべてが研ぎ澄まされたフェルスタッペンと、安定感が増したペレスの走りで圧勝の2022年

 レッドブルにとって、2022年はチーム史上最高のシーズンとなった。

 まずマックス・フェルスタッペンがドライバーズ選手権2連覇を達成。チームもコンストラクターズ選手権を制し、2冠に輝いた。レッドブルが2冠を独占するのは、2013年以来9年ぶり。F1が2014年にハイブリッド時代に入ってから初めてのことだ。2021年にコンストラクターズ選手権を取り逃がしたレッドブルにとって、この2冠はメルセデス時代に完全に終止符を打つことになったという意味で大きな価値がある。

アルピーヌは効率よくマシンを改善。トップ3に引けを取らないノリス、適応できなかったリカルド/2022年F1戦力分析(3)

 新たな技術規則が導入され、前年までとはまったく異なるマシンが誕生した2022年シーズンのF1。マシンの特徴やシーズン中のアップデート、ドライバーのパフォーマンスなどから、各チームの戦力を振り返る。第2回となる今回は、コンストラクターズ選手権4位のアルピーヌ、5位のマクラーレンだ。

【2022 F1新時代元年の敗者の理由(2)メルセデス】テスト制限が大きな足枷に “信頼性が高すぎる”PUは深刻な懸念材料

 2022年、F1技術レギュレーションが一新されるにあたり、各チームの序列がリセットされ、新たな戦いが見られることが期待された。結果的にトップグループではレッドブルが独走し、フェラーリとメルセデスは大差で敗れることになった。なぜ彼らは大敗したのか。また、中団以下のチームは、なぜ上位争いに挑むチャンスをつかめなかったのか。その背景を、F1ジャーナリスト、サム・コリンズ氏が分析した(全3回)。「第1回フェラーリ:過去最大級のパワートレインの飛躍とリスク」 に続く今回は、メルセデスに焦点を当てた。

【独自ランキング:2022年F1トップ10ドライバー】4位ジョージ・ラッセル/ハミルトンの後継者にふさわしい実力の持ち主

 2022年F1シーズンを通して、毎戦全20人のドライバーの評価/採点を行ったベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏が、シーズン全体を振り返り、独自の視点で2022年のトップ10ドライバーを選出した。10人のドライバーについての彼のレビューを添えて、カウントダウン方式で10位から1位までを紹介していく。

ペレスはフェルスタッペンと戦うために「ハードルを上げることが必要」と元F1ドライバー。ブラジルでの一件は今後に影響か

『Sky F1』の解説者たちによると、2022年F1第21戦ブラジルGP後のマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスの間の摩擦は、レッドブルに永続的な影響を及ぼすだろうということだ。

 フェルスタッペンが、ポジションをペレスに戻すように指示するチームオーダーに従わなかったため、ペレスはそれをよしとせず、チーム代表のクリスチャン・ホーナーはレース後すぐに緊急会議を開くことを余儀なくされた。ホーナーは双方のドライバーに、このような状況に折り合いをつけるよう強いた。

アルファロメオF1での初年度は「本当にいいシーズンになった」とボッタス。プレッシャーの少ない環境だったと振り返る

 バルテリ・ボッタスは、他のF1ドライバーと同じように自分の仕事に専念しているが、コースを離れたところではアルファロメオからより多くの自由を与えられており、そのことに満足しているという。

 強豪メルセデスでの5年間で、F1キャリアにおける10勝のすべてを達成したボッタスは、2022年初頭にアルファロメオに移籍した。競技の面では、アルファロメオへの移籍は明らかに格下げだが、F1に留まりたいと願うのなら避けられないことだった。

【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第17回後編】“復活の1年目”は目標達成も「もうちょっとやれた」過渡期ならではの苦労も

 2022年シーズンで7年目を迎えたハースF1チームと小松礼雄エンジニアリングディレクター。今年はチームにとって“復活の1年目”となったシーズンだったが、見事にハースはシーズン開幕前に立てた目標を達成し、コンストラクターズ選手権を8位で終えた。しかし小松エンジニアは、「クルマの実力とは合っていない成績」と物足りなさを感じたと言う。開幕戦での5位入賞や、ブラジルでのポールポジション獲得など、随所で光るパフォーマンスを発揮したチームとしては、やはりもう少し上の順位が見えていたようだが、その一方でまだまだ過渡期にあるチームならではの苦労経験した。そんな2022年シーズンを小松エンジニアが振り返ります。

早い段階で開発に成功したアルファロメオ。アストンマーティンは大胆なアップデートが成功/2022年F1戦力分析(2)

 新たな技術規則が導入され、前年までとはまったく異なるマシンが誕生した2022年シーズンのF1。マシンの特徴やシーズン中のアップデート、ドライバーのパフォーマンスなどから、各チームの戦力を振り返る。第2回となる今回は、コンストラクターズ選手権6位のアルファロメオ、7位のアストンマーティンだ。