開幕勝者ヘイデン・パッドンが「予定変更」で第2戦へ。マッズ・オストベルグも「大歓迎」/ERC

 今季で創設70周年を迎えた2023年ERCヨーロッパ・ラリー選手権の第2戦を前に、開幕の『ラリー・セラ・デ・ファフェ・フェルゲイラス』で自身とヒョンデにERC初優勝をもたらしたヘイデン・パッドン(ヒョンデi20 Nラリー2)が「チャンピオンシップ・タイトル挑戦への意図を強調」すべく、年間参戦計画を変更。急きょ5月4~6日にグラン・カナリア諸島で争われる『ラリー・イソラス・カナリアス』への出場を表明した。

 最終ステージで劇的な逆転勝利を収めたニュージーランド出身のパッドンだが、当初は2023年の年間スケジュールにフルターマック・ラリーのカナリア戦を組み込んでいなかった。

ERC開幕戦にWRCからの刺客。ヒョンデ復帰のクレイグ・ブリーンが『i20 Nラリー2』で参戦へ

 2023年よりWRC世界ラリー選手権でもヒョンデのファクトリーチームに復帰し、最新のi20 Nラリー1をドライブするクレイグ・ブリーンが、欧州域内最高峰のERCヨーロッパ・ラリー選手権の開幕戦『ラリー・セラ・デ・ファフェ・フェルゲイラス』への出場を発表。3月10~12日に開催されるオープニングイベントでヒョンデi20 Nラリー2をドライブする。

 また、イタリア出身で2019年のアバルト・ラリーカップ王者でもあるアンドレア・ヌチータもi20 Nラリー2でのERC挑戦を表明し、2022年に北欧フィンランドの国内選手権を制したミッコ・ヘイッキラも、シュコダ・ファビア・ラリー2エボでのフル参戦を計画している。

ルノー、初の4輪駆動Rally3規定準拠車『クリオ・ラリー3』を発表。4月にも競技公認を取得予定

 近年はアルピーヌ・ブランドでモータースポーツ活動を主導するルノーは、欧州域内最高峰のERCヨーロッパ・ラリー選手権でのさらなる成功に向け、シリーズ初となる4輪駆動のラリー3規定準拠モデル、新型『ルノー・クリオ・ラリー3』を発表した。

 先週末の1月15日(日)に、フランスとの国境にも隣接するアンドラ公国のスキーリゾート、パス・ダ・ラ・カザのトラックで公式デビューを飾った同車は、言わずと知れたヴィリ・シャティオンのデザインチームと、アルピーヌの“聖地”ディエップ、ジャン・レデレ工場の設計部門、そしてBWTアルピーヌF1チームの本拠地であるイギリス・エンストンのファクトリーが共同で作り上げた意欲作となっている。

サイモン・ワグナーも『シュコダ・ファビアRSラリー2』にスイッチ。イギリス王者もERC昇格か

 2023年は3月11~12日の週末に開幕を迎えるERCヨーロッパ・ラリー選手権でのチャンピオンシップ制覇に向け、オーストリア出身のサイモン・ワグナーが体制を強化。来季より本格デリバリーが始まる真新しいシュコダ・モータースポーツ製の新型モデル『ファビアRSラリー2』にスイッチし、ERCでのチャンピオン獲得に意欲を燃やしている。

 また、2022年は『フォルクスワーゲン・ポロGTI R5』をドライブし、BRCイギリス・ラリー選手権を初制覇したオシアン・プライスも、2023年はERCに昇格して複数ラリーへのチャレンジを検討している。

チェコ出身23歳のエリック・カイス、2023年は新型『シュコダ・ファビアRSラリー2』にスイッチ/ERC

 来季も全8戦のスケジュールが発表された2023年のERCヨーロッパ・ラリー選手権に向け、これまでフォード・フィエスタ・ラリー2で戦ってきたチェコ共和国出身のエリック・カイスが、早くも新体制を発表。すでに来季からの本格デリバリーが予定されている新型『シュコダ・ファビアRSラリー2』にスイッチし、少なくとも5戦へのエントリーを見込んでいる。

 2021年にはドライバーズランキングで6位を記録した23歳のカイスは、今季2022年もフォードを操ってポルトガルの名物イベント『ラリー・セラ・デ・ファフェ・フェルゲイラス』と、地元戦の『バルム・チェコ・ラリー・ズリン』にエントリー。技術的なトラブルでポジションを下げるまでは、双方のイベントともトップ3に喰い込む印象的なパフォーマンスを披露していた。

ERCの2023年カレンダー発表。元WRCスウェディッシュに”復帰組”のハンガリー含む全8戦を予定

 2022年は10月にも、WRC世界ラリー選手権とのジョイントで最終戦を実施したERCヨーロッパ・ラリー選手権が、11月25日付で来季2023年の選手権カレンダーを発表した。シリーズとしては初開催となる7月のスウェーデンと、こちらは“復帰組”のハンガリーを加えた全8戦のスケジュールが公開されている。

 10月20~22日に開催されたスペイン・カタルーニャ地方の名物イベント『ラリーRACC・カタルーニャ-コスタ・ドラダ』を前に、エフレン・ヤレーナ(シュコダ・ファビア・ラリー2エボ)が初タイトルを獲得した2022年シーズンを経て、シリーズは現在のプロモーター体制とフォーマットを採用して以降、初となるスカンジナビア戦を組み込んだ。