MSRアキュラ、ギヤボックスに問題抱え薄氷のデイトナ勝利「ブローするまで走らせることにした」

 新規定に基づき開発されたLMDhマシンがGTPクラスにデビューを果たした2023年IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第1戦デイトナ24時間レース。4メーカーによって争われた新時代開幕戦を制したメイヤー・シャンク・レーシングのオーナー、マイク・シャンクは、レースのほぼ4分の3にわたって続いていたギヤボックスの温度の問題があったにも関わらず、60号車アキュラARX-06を完走させることができたのは「ものすごくラッキーだった」と振り返った。

リスタートで60号車アキュラが猛チャージ。BMW、ポルシェにトラブル発生【デイトナ24時間前半レポート】

 2023年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権が、伝統のデイトナ24時間レースで開幕した。レースは現地時間1月28日13時40分過ぎにスタート。折り返しとなる12時間経過時点の途中経過では、GTPクラスにエントリーするメイヤー・シャンク・レーシングw/カーブ・アガジャニアンの60号車アキュラARX-06(トム・ブロンクビスト/コリン・ブラウン/エリオ・カストロネベス/シモン・パジェノー)が総合首位に立っている。

ホモロゲ登録後も改良は続く。アキュラ、LMDhソフトウェアの“継続的な開発”で信頼性が向上/IMSA

 IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権とデイトナ24時間レースのディフェンディングチャンピオンであるメイヤー・シャンク・レーシング。同チームのドライバーとチームオーナーは、アキュラARX-06のソフトウェアについて、ホモロゲーション取得後も「継続的な開発」が行われていると語った。

 LMDhのライバル陣営と同様に、アキュラの新型プロトタイプマシン『アキュラARX-06』はホモロゲーションによって5シーズンにわたって開発に制限が掛かる。これは、その間にメーカーやチームが物理的な設計変更、アップグレードを行うことができないことを意味する。

HPD社長がマイケル・アンドレッティの“野望”に反応。アキュラLMDhでのWEC参戦は「ホンダ次第」

 北米でホンダのモータースポーツ活動を担うHPD(ホンダ・パフォーマンス・デベロップメント)の社長が、新型LMDh車両『アキュラARX-06』でWEC世界耐久選手権に参戦する可能性について「アキュラとHPDの立場に変わりはない」と改めて認めた。WEC参入可否はグローバルな、つまり日本の『ホンダ』の判断になるという。

 これは、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に参戦するウェイン・テイラー・レーシング(WTR)・ウィズ・アンドレッティ・オートスポートの新共同オーナーであるマイケル・アンドレッティが、「今後数年のうちに」WECハイパーカークラスに参入したいという野望を表明したことを受けての、HPD側の反応だ。

アキュラがLMDh新時代初戦のポールポジションを獲得。僅差でポルシェが続く/デイトナ24時間予選

 1月22日、アメリカ・フロリダ州のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで、2023年IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第1戦デイトナ24時間レースの予選が行われ、メイヤー・シャンク・レーシングの60号車アキュラARX-06(トム・ブロンクビスト/コリン・ブラウン/エリオ・カストロネベス/シモン・パジェノー)が最速タイムを記録。WEC世界耐久選手権と共通の新規定『LMDh』が導入された2023シーズン、記念すべき最初のポールポジションを獲得した。

アキュラがワン・ツー発進/セット数制限が緩和/“戦略的”クラス変更etc.【デイトナ24時間テスト&予選直前Topics】

 1月28〜29日に決勝レースが行われる、2023年IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の開幕戦、デイトナ24時間レース(ロレックス24・アット・デイトナ)。決勝のレースウイークに先立ち、前週の20〜22日にかけては開幕前公式テストの『ロア・ビフォア・ザ・ロレックス』が行われ、その最終日には決勝スターティンググリッドを決する予選のセッションも予定されている。

 新たに4メーカーのLMDh車両が顔をそろえて耐久レース新時代の幕開けを飾るこのテストウイークに向けた各種トピックスを、デイトナ・インターナショナル・スピードウェイのパドックからお届けする。

■走行初日はメイヤー・シャンク・レーシングのアキュラARX-06が首位

耐久テストなしでデイトナ24時間にデビューするアキュラARX-06。頼りにするのは“チーム力”?

 ホンダ・パフォーマンス・デベロップメント(HPD)社長兼テクニカルディレクターのデビッド・ソルターズによれば、アキュラは1月末のデイトナ24時間レースに向けてARX-06の耐久テストを行っていないため、ふたつのタイトル獲得経験チームの強みを活かすことになる、という。

■長距離連続走行はなくとも、パーツへの負荷はかけている

アキュラ、新型LMDhのエンジンやソフトウェアをアップデート。IMSA公認テストで「多くの発見」

 ホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント(HPD)副社長のケルビン・フーによると、アキュラは今週デイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われたIMSA公認テストで、アキュラARX-06のエンジンとソフトウェア関連のアップデートに取り組んだという。同氏は新型LMDhカーについて「まだ多くの発見がある」と語った。

 ウェイン・テイラー・レーシング(WTR)と2022年IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権DPiチャンピオンとなったメイヤー・シャンク・レーシング(MSR)は、12月6~7日に行われたテストの両日とも、非公式ながらタイムシートのトップ2を独占した。