走行距離の項目は“合格”BMW、多数のトラブルに見舞われながらも2台揃って完走/デイトナ24時間

 BMW Mモータースポーツの責任者であるアンドレアス・ルースは、BMW MハイブリッドV8がデビューしたデイトナ24時間レースについて、2台の新型LMDhカーにとって「タフで難しいレースだった」としながらも、走行距離に関しては「チェックボックスに印を付けられる」つまり、当該項目を満たしたと考えている。

 24号車BMW MハイブリッドV8は、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の開幕戦で優勝したメイヤー・シャンク・レーシングの60号車アキュラARX-06から15周遅れ、総合6位/GTPクラス6位でフィニッシュした。また、BMW MチームRLLの姉妹車25号車は、序盤にハイブリッドシステムに問題が発生した影響で130周以上ロスし、総合49位でのフィニッシュとなった。

BMW MハイブリッドV8、やや劣勢の立場も「まだ伸びしろがある」と代表は新型LMDhの進化に自信

 BMW Mモータースポーツ・ディレクターのアンドレアス・ルースは、今週末のデイトナ24時間レースでのデビューに向けて準備が進められているドイツメーカーのLMDhカーには「まだまだ伸びしろがある」と感じている。

 BMWの新型プロトタイプマシンであるBMW MハイブリッドV8は、IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップの新GTP時代の最初のレースに向けて、サーキットセッションでトップを走っていない唯一のマシンであり、LMDhのライバルであるアキュラ、キャデラック、ポルシェが順番にタイムを出しているのとは対照的な存在となっている。

バレンティーノ・ロッシ、将来のWEC/IMSA参戦に前進か。LMDhのテスト計画あり

 BMW Mモータースポーツのボス、アンドレアス・ルースによると、ドイツのメーカーはバレンティーノ・ロッシにLMDhマシンをテストする機会を設けることを計画しており、その最初のテストが2023年の終わりごろに実施される可能性があることを示唆した。

 先月BMWのワークスドライバーに就任するとともに、チームWRTの一員として2023年もファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパに参戦することが決まったロッシ。MotoGPの“レジェンド”として知られる彼は、今週末のハンコック・ドバイ24時間、来月行われるリキモリー・バサースト12時間などのGT耐久レースにも参加する予定だ。

BMW、バレンティーノ・ロッシとワークスドライバー契約を結ぶ。チームWRT以外のプログラムは後日発表

 BMW Mモータースポーツは12月22日、元MotoGPライダーのバレンティーノ・ロッシとファクトリードライバー契約を結んだと発表した。これによりロッシは、すでに発表されているチームWRTとのプログラム以外のレースにも参戦できることになった。

テストでトラブル発生も、ウィットマンとエングはBMWの進歩を楽観視「心配することではない」

 BMWワークスドライバーのフィリップ・エングとマルコ・ウィットマンは、先週デイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われたIMSA公認テストを終えたBMW MチームRLLの進歩に楽観的であり、最近の耐久テストの失敗の影響についても問題視していない。

 エングとウィットマンはともに、2台のBMW MハイブリッドV8で周回を重ねた6人のドライバーのうちのひとりだった。