元F1ドライバーのニキータ・マゼピンは、来月ドバイで開催されるアジアン・ル・マン・シリーズの新シーズン開幕戦において、ふたたびレーシングマシンのステアリングを握ることになる。
23歳でロシア出身のマゼピンは、GP3とFIA F2を経て2021年にハースでF1のシートを獲得したが、これは彼の父親の会社『ウラルカリ』社とチームとのスポンサー契約のおかげでもあった。しかしロシアがウクライナに侵攻したことから、すぐにFIAはロシア国籍のすべてのドライバーと企業に対し制裁措置を取った。ハースは昨年の初めにマゼピンを放出し、代わりにケビン・マグヌッセンを起用。ハースとウラルカリ社とのタイトルスポンサー契約も解除された。
マゼピンはこの1年、国際的なFIAのレースに参加することができず、この期間にステアリングを握ることができたのは、母国でのラリーが唯一の機会だった。しかしマゼピンは、99レーシングとともにアジアン・ル・マン・シリーズのグリッドに並ぶ契約を確保した。マゼピンはLMP2クラスに参戦し、レクサスのファクトリードライバーであるベン・バーニコートと、ブロンズドライバーであるフェリックス・ポルテイロとともに、オレカ07を駆る。
「アジアン・ル・マン・シリーズでレースに復帰できることをとてもうれしく思う。99レーシングのチームメイトとともに、大好きなスポーツで素晴らしいレース経験をしたいと思う」とマゼピンは語った。
また99レーシングのスポーツディレクターを務めるダン・ホダーは「アジアン・ル・マン・シリーズへの参戦が決まり、うれしく思っている」と述べた。
「これは99レーシングが、現在復活しつつあるスポーツカーレースに参入するのに素晴らしいチャンピオンシップだ。48台がエントリーしており、今回も競争は非常に激しい」
「ベン(・バーニコート)はアジアン・ル・マンで2位になったことがある。彼は新チームとして速さを発揮していくのに重要な要素になるだろう」
「もちろんニキータにとっては、プロフェッショナルでありながらも、彼が慣れているF1よりリラックスした環境で新しいことに挑戦するチャンスだ。我々はすでに、最初から競争力を発揮することへの彼の意欲と決意を目の当たりにしている」
アジアン・ル・マン・シリーズは、2月に開催される。最初の2ラウンドは2月11日と12日にドバイ・オートドロームで、後半戦は2月18日と19日にヤス・マリーナで行われる。