2022年も残すところあと少し。しかし、WRC世界ラリー選手権は来月2023年1月から、早くも新たなシーズンの開幕を迎えます。そこで短いオフの間に、2022年シーズンの戦いを各イベントのダイジェスト動画で振り返っていきたいと思います。順番は年間13戦のアクセスランキング下位から上位に向かうカウントダウン式。今回は第8位と9位を見てみましょう。
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■9位:第8戦ラリー・フィンランド
フィンランドのユバスキュラにチームの拠点を置くTOYOTA GAZOO Racing WRTにとって、“ホームラリー”となるラリー・フィンランドが第9位に入りました。
トヨタはこの地元戦で2018年から4連覇を飾っていましたが、ラリー1導入初年度の2022年は総合2位、3位、4位に終わり、惜しくも大会5連覇には届きませんでした。しかし、同ラウンドでもっとも注目を浴びたのは優勝したオット・タナク選手(ヒョンデi20 Nラリー1)ではなく、総合3位でフィニッシュしたトヨタのエサペッカ・ラッピ選手(トヨタGRヤリス・ラリー1)でした。
タナク選手やチームメイトのカッレ・ロバンペラ選手(トヨタGRヤリス・ラリー1)とともに連日優勝争いを繰り広げたラッピ選手は、最後から2番目のステージとなったSS21でマシンが3回転するクラッシュを喫してしまいます。しかしながら3番手につけていた彼は母国での表彰台獲得を諦めておらず、水漏れしていたラジエーターに応急処置をしたうえ全面にヒビが入ったフロントガラスを取っ払って最終ステージに挑みます。
その後、最終SS22を満身創痍のクルマでラリーを走りきったラッピ選手は見事、総合3位表彰台を獲得。セレモニアルフィニッシュに、コドライバーのヤンネ・フェルム選手とともにゴーグル姿で登場したのも印象的なシーンでした。
■Event Recap | WRC Secto Rally Finland 2022
■Lappi Hangs Onto Podium Despite No Windscreen! | WRC Secto Rally Finland 2022
■8位:第4戦ラリー・ポルトガル
ランキング8位は、2022年シーズン初のグラベル(未舗装路)ラリーとして開催された第4戦ポルトガルでした。開幕戦モンテカルロ以来、2度目の“ふたりのセブ”対決が実現した同ラウンドでは、第2戦スウェーデンと第3戦クロアチアを連続で優勝したロバンペラ選手が、チーム内バトルを制してラリーウイナーに。シーズン序盤の4戦目にして年間3勝目を飾ってみせました。
ロバンペラ選手に対し唯一対抗できる速さを見せていたエバンス選手は、デイ3でチームメイトに逆転を許した後も再逆転を狙って追い上げましたが、“史上最年少チャンピオン”の圧倒的なスピードには敵わず総合2位に終わります。
一方、3位争いは競技最終日の最終ステージまでもつれる展開に。総合3番手で最終SS21迎えた勝田貴元選手(トヨタGRヤリス・ラリー1)に対し、2.2秒差を追う総合4番手につけるダニ・ソルド選手(ヒョンデi20 Nラリー1)が猛チャージをみせ、同ステージでの逆転に成功。土壇場で表彰台の最後のひと枠を手に入れました。競り負けるかたちとなった勝田選手とライバルのタイム差はわずか1.9秒でした。