2023年IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の開幕の舞台となる、伝統のデイトナ24時間レース。今年、このレースに19年ぶりに参戦する74歳のブロンズドライバーは、テストでの新型ポルシェ911 GT3 Rの走りに感銘を受け、当初予定になかったシーズンフル参戦を決めたという。
GTDクラスにケリーモス・ウィズ・ライリーの92号車から参戦するデビッド・ブルーレは、ポルシェのワンメイクレースにおけるベテランだ。
ブルーレとアレック・ウデルは、当初長距離耐久レースで構成されるミシュラン・エンデュランス・カップの4戦のみに参戦予定だったが、12月にデイトナ・インターナショナル・スピードウェイでタイプ992型の新型GT3車両を走らせた直後に、2023年のウェザーテック選手権全戦への出場を決定したという。なお、デイトナにはアンドリュー・デイビス、ジェロエン・ブリークモレンとの4人で出場する。
1948年生まれのブルーレは昨年、ウデルとともにポルシェ718ケイマンGT4 RSクラブスポーツでミシュラン・パイロット・チャレンジに参戦、今季はウェザーテック選手権へとステップアップし、エンデュランス・カップの4戦に出場することを目指していた。
だが、74歳の彼は、ドイツメーカーの最新GT3マシンに夢中になり、そこで計画が変更されたのだ。
「このクルマを運転するのが本当に大好きになったんだ。それが大きな違いだよ」とブルーレは語った。
「人生のある時期に達したら、自分がやりたいことをやるべきだ。『もう知るか!』ってね」
「これは素晴らしいクルマだ。(GT4車両よりも)ずっとドライバー・フレンドリーだと思う。それが納得のいくところだったんだ。ひとたび運転したら、これは本当に快適だ、と感じた」
「クルマのデザインやハンドリングがいいので、クルマをより良くする機会が得られるんだ。感じることができる違いというものが、あるんだよ」
ケリーモスで長年にわたってドライバーコーチを務めるデイビスは、ポルシェ911 GT3カップカーを卒業したドライバーは、GT3のレベルでも優秀な成績を収めていることが常だと気づいたという。
「カップカーは素晴らしいトレーニングの場なんだ」とデイビス。
「正直なところ、運転はもっと難しい。とても速いし、要求されるものも多い」
「だから、ドライバーとして、みんながハードワークしなければならないんだ。
「このマシンに乗れば、ダウンフォースと応答性が向上し、電子制御の助けも得られる。そして、『あぁ、これは僕がカップカーに望んでいたことをすべて実現してくれている』と感じるだろう」
「ポルシェでは、クルマからクルマへのステップアップが、本当に適切に行われるんだ」
2004年のデイトナ24時間レースに、ハワード・ボス・モータースポーツのシボレーエンジンを搭載したクロフォードDPで参加し、ジミー・ジョンソンをコ・ドライバーに迎え出場した経験を持つブルーレは、フロリダの耐久クラシックに2度目の出走を果たすことになる。
「これをやるのが、人生の目標なんだ」とブルーレは言う。
「19年前にDP(デイトナ・プロトタイプ)で24時間レースに出場した。またやりたいと思っていたんだ。僕は15年のブランクを経て、レースに復帰した」
「ケリーモスやアレック、アンドリューと出会い、自分の進歩に努めた。もうすぐ75歳だから、やるなら今しかなかったんだ」
「そして、知っている人、好きな人と一緒にドライブすることも大事だよ」
一方、27歳のウデルにとっては、近年彼が追い求めているGTDでのフルシーズン参戦に向けて、ステップアップするチャンスを手にしたことになる。
「昨年のパイロット・チャレンジのプログラムは、デイトナに向けて準備するためのものだったんだ」とウデルは説明する。
「それが、もっと大きなものに発展したんだ。この機会に興奮しているし、デイブと一緒にこのプラットフォームに慣れることを楽しみにしている」
「GT3レースは世界で最もエキサイティングなもののひとつだと思う」
「国際的なシリーズはすべてこのプラットフォームに移行しているし、GTレースや国際レースのビッグネームたちと一緒にこのクラスの一員になれるのは素晴らしいことだ」
「また、(新型911 GT3 Rという)クルマのローンチに関わることができるのもエキサイティングだね」
「このクルマのハンドリングには本当に感激しているし、来週はもう少しパワーアップできるかもしれないと楽しみにしているよ」