トヨタGAZOO RacingからWEC世界耐久選手権に出場しているマイク・コンウェイは、1月28〜29日に行われるIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第1戦のデイトナ24時間レースに、レクサスRC F GT3を駆り出場する。
コンウェイは現代のGT車両に触れるのはこれが初めてのこととなるが、公式テストウイークを終えた彼は、これまでの自分の進歩に満足していると語った。
■「ABSを信頼し、使いこなすこと」が課題
コンウェイはGTDプロクラスで、バッサー・サリバン14号車のジャック・ホークスワースとベン・バーニコート組に、サードドライバーとして加わっている。
コンウェイは近年、アクション・エクスプレス・レーシングのプロトタイプカーでミシュラン・エンデュランス・カップに参戦してきたが、アクション・エクスプレスがキャデラックと新たにファクトリー契約を結んだことにより、トヨタ所属ドライバーとしてIMSAではGTカテゴリーへと活躍の場を移すこととなった。
「IMSAのレースは大好きだし、このメンバーやレクサスとともに参戦する機会を持てたことは素晴らしいことだ」とコンウェイは語っている。
「新しい挑戦だった。最新のGTカーを運転したことはなかったんだ」
「この機会を実現することができて嬉しいよ。タイミングも含めて、本当にタイトだった」
数週間前にラインアップが決まったばかりの2度のWECワールドチャンピオンは、GT3車両のABS(アンチロック・ブレーキ・システム)とミシュランタイヤに適応することが、最大のハードルだったと語る。
コンウェイは先週末のロア・ビフォア・ザ・ロレックスでGTDプロクラスの6番手タイムを記録。50周以上にわたってレクサスのステアリングを握った。
「楽しかったよ」と彼は言った。
「チームは僕をスピードアップさせてくれたし、チームメイトのベンやジャックも素晴らしい。彼らはこのクラスでたくさんの経験を持っているからね」
「ABSに慣れるというのは、これまでとはかなり異なる部分だと思う。ABSを信頼し、使いこなさなければならないんだ」
「クルマと一緒に我慢することに慣れること、だね。重量も増えているし、乱暴な運転はできないから、とても正確でなければならない」
「長いスティントでタイヤがどうなるかに慣れようとしているんだ。レースが進むにつれて、タイヤと燃料のマネジメントを学んでいくことになると思う」
コンウェイはまた、トラフィック・マネジメントも重要な要素で、特にトップスピードが同等になったLMP2、LMP3との相互関係が大きいという。
「レースは、明らかにプロトタイプによって違ったものになっている」とコンウェイは言う。
「僕は以前よりミラーを見るようになった。そこが違うんだ」
「LMP3はペースが似ているし、誰が乗るかによってはチャレンジになる。プロトタイプが後ろから来るときは、基本的に彼らが自分を追い越していくところを読まなければならない」
「コーナーに入るときにもう少しタイトなほうがいいのか、それともラインを譲ってあげたほうがいいのか……そんなことを考えながら走る。土曜日(のプラクティス)には、その感触をつかむことができたと思う」
「それは、レースが進むにつれて、もっともっと重要なことになるだろう」
昨年のカナディアン・タイヤ・モータースポーツ・パーク戦でホークワースの代役としてレクサスに乗った、レギュラー・コドライバーでトヨタWECチーム代表の小林可夢偉からアドバイスを受けたコンウェイは、レースウイークのプラクティスにおける走行計画は比較的シンプルなものだという。
「僕にとっては夜の走行と、より多くのドライバー交代練習が焦点だ」と彼は言う。
「ドライバー交代については、(プロトタイプよりも)もう少しやることがある。ベルトを自分でやらなければならない」
「ただ座って、すべてをやってもらうのを待っているだけではダメなんだ」
「ちょっと本格的だけど、時間はたくさんある。急ぐよりも、我慢強く、確実にこなしていくことが大切だと思う」
「(先週の)セッションでかなりの回数のロングランを行ったから、自分自身のダイヤルを合わせ、すべてに慣れるには良かったよ」
デイトナ24時間への参戦が決まったコンウェイだが、14号車レクサスでの残るミシュラン・エンデュランス・カップ3戦への参戦可能性については「様子を見ることになる」という。
バッサー・サリバンとレクサスは、セブリング以降の第3ドライバーのラインアップをまだ決定していない。また、セブリングの週末はWECに集中しているため、コンウェイがIMSAのレースへの参戦が許されるかどうかはまだ不明である。
「そのことはあまり考えていないんだ」とコンウェイ。
「今のところ、僕らはこの1戦に集中しているよ」