IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に参戦するMDKモータースポーツは、1月28〜29日に行われる第1戦デイトナ24時間レースにおいて、GTDプロクラスへとエントリーを変更することが明らかとなった。
1月20〜22日にデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われた公式テストと予選では、MDKの53号車ポルシェ911 GT3 RはGTDクラスでエントリー。GTDクラス内の23番手で予選を通過していた。
しかし、1月25日にIMSAが更新した最新版エントリーリストでは、53号車はGTDプロクラスへと移動している。
なお、クラス移動に伴うドライバー変更はなく、レースウイークもヤン・マグヌッセン、トレントン・エステップ、ジェイソン・ハートが、チームオーナーのマーク・クワンメとともに新型911 GT3 Rのステアリングを握る。当初はヤンの息子、ケビンも加わる予定となっていたが、手首の手術により公式テスト前に出場を断念している。
MDKモータースポーツのスポークスパーソンは、今回のクラス変更の理由を次のように説明している。
「残りのシーズンのドライバーラインアップはすべてプロドライバーとなるので、ここデイトナで(プロクラスで)スタートするのは理にかなっている」
「さらに、このクラスのチームとして、コンペティションの観点からも、パートナーを惹きつけるという観点からも、大きなチャンスがあると見ている。戦略的なメリットもあるかもしれない」
クラス変更に伴う潜在的な“戦略的メリット”としては、GTDプロカテゴリーの走行時間要件がより緩やかになっていることが挙げられる。
デイトナ24時間の特別規則により、GTDクラスではひとりのドライバーがレース中に最低4時間30分を走行しなければならない。一方、GTDプロクラスではその時間は2時間と定められているのだ。このことから、GTDプロの方が決勝における戦略の幅が広く取れる。
アストンマーティン陣営のチームTGMは、この理由から今回のデイトナには当初よりGTDプロクラスにエントリーしており、チームオーナーでブロンズ・ドライバーのテッド・ジョバニスは先週、上位カテゴリーへエントリーすることでドライバーの運転時間に「より柔軟性がある」と語っていた。
53号車の移動によってGTDプロの出場台数は10台に増え、反対にGTDは23台に減少している。
MDKモータースポーツは4戦からなるミシュラン・エンデュランス・カップに参戦する予定だが、セブリング、ワトキンス・グレン、プチ・ル・マンの3戦にどちらのクラスから参戦するかは、現時点では不透明だ。