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黄信号は「注意して進め」…? そんなわけないでしょ!!! では黄信号点滅は? 誤解されやすい信号機のルール

 信号を守ることは、交通ルールの基本中の基本。ただ、3色の信号の点灯点滅それぞれの意味を正確に理解している人は、意外と少ないようです。誰でも知っているようで意外と知られてない信号機のルールを5つ、ご紹介しましょう。

文:Mr.ソラン、エムスリープロダクション
アイキャッチ写真:Adobe Stock_ xiaosan
写真:Adobe Stock、写真AC

黄色は、原則「止まれ」

 「青色は進め、黄色は注意、赤色は止まれ」。信号について、このように理解している人は多いと思います。ただ、正確には、

青色:進むことができる
黄色:止まれ。ただし、停止線を越えていたり、停止線で安全に止まれないなど危険が伴う場合は、進むことができる
赤色:止まれ

 と定められています。

 黄色は、あくまで「止まれ」であり、「注意して進めとか、急いで進め」ではありません。黄色で進むことができるのは、クルマを停止させることが危険な場合、例えば、止まるために急ブレーキとなり、追突、スリップ、転倒の恐れがあるような場合です。これを勘違い、あるいは拡大解釈して、信号機の手前で黄色に変わると、止まるどころか逆に加速して素早く交差点を通り抜けようとする人が多いですね。

 また青色は、無条件に「進め」ということではなく、歩行者や他のクルマなどの周辺状況に問題なければ「進んでよい」という意味なので、例え青色点灯でも周囲の状況に気を配らなければいけません。

勘違いしやすいのは、黄色点灯。注意して進めではなく、原則は止まれ。ただし、停止線を越えていたり、停止線で安全に止まれないなど危険が伴う場合は、進むことができる。(PHOTO:写真AC_クッパ22)
勘違いしやすいのは、黄色点灯。注意して進めではなく、原則は止まれ。ただし、停止線を越えていたり、停止線で安全に止まれないなど危険が伴う場合は、進むことができる。(PHOTO:写真AC_クッパ22)

赤色点滅は「一時停止」が基本ルール、黄色点滅は「注意しながら進め」

 信号機で紛らわしいのが、点滅信号(赤色点滅、黄色点滅)です。点滅信号は、設置場所も少なく、遭遇する機会も少ないことから、その意味を正しく理解している人が意外と少なく、その結果として出会い頭の事故が多発しています。

 赤色の点滅信号は、「注意して徐行して進めばよい」と勘違いしている人が多いようですが、正確には「停止位置で一時停止し、安全を確認して進むことができる」であり、一時停止することがポイント。また黄色の点滅信号は、「他の交通に注意しながら通行できます」と定められています。

一灯式信号機でも、赤色点滅は一時停止して進め

 一灯式信号機は、道が狭く、一般的な3灯(赤・黄・青)式信号機が設置できないような、住宅街などの交差点に設置される1灯だけの信号機で、1灯が赤・黄・青に変わるのではなく、赤色灯また黄色灯のどちらかが点滅する仕組みになっています。4方向にランプが設置された信号機と、1本の道路のみ2方向にランプが設置された信号機があります。

 4方向の一灯式信号機は、主道路が黄色点滅で従道路が赤色点滅に設定(黄色点灯側が優先)され、2方向の一灯信号機では赤色点滅に設定されています。この場合も3灯式信号機と同じで、「赤色点滅信号は、停止線で一時停止して安全を確認しから通行、黄色の点滅信号は、周辺に注意しながら通行」です。

 一灯式信号機も、設置個所が少ない信号機であるため、赤色点滅と黄色点滅の違いを認識せずに事故が多発しています。この状況を踏まえて、最近は徐々に撤去されており、止まれの標識や一時停止の規制場所に置き換えられています。

一灯式信号機は、一般的な信号機が設置できないような住宅街などの交差点に設置される1灯だけの赤色灯また黄色灯のどちらかが点滅する信号機(PHOTO:写真AC_なービー)
一灯式信号機は、一般的な信号機が設置できないような住宅街などの交差点に設置される1灯だけの赤色灯また黄色灯のどちらかが点滅する信号機(PHOTO:写真AC_なービー)

交差点の中で赤色に切り替わった場合は、通行しても違反ではない

 交差点内の右折待ちで、直進車が途切れず信号が赤色に変わってしまったり、左折時に交差道路の横断歩道を渡る歩行者が途切れずに赤色になってしまう、という経験はあると思います。この場合について、道路交通法では、「交差点においてすでに右折、あるいは左折している車両等は、赤色点灯でもそのまま進行することができる」と定められており、その状態で通行しても、信号無視とはなりません。

 もちろん、交差道路側の信号は青になっているので、注意しながら右折、左折をする必要がありますが、信号無視ではないので、焦らず落ち着いて、ただ、他のクルマの通行を妨げないよう、さっと通行することが大切です。

歩行者用信号の青色点滅での横断は違反

 最後に歩行者用信号での勘違いですが、青色点灯は「歩行者は、進行することができる」、赤色点灯は「横断してはいけない」は、クルマ用信号機と同じ。問題は「青色点灯から青色点滅」になった時です。

 赤になるから急いで渡ろうとダッシュする人を多く見かけますね。実はこれ、違反です。青色点滅に切り替わった場合、「歩行者は、道路を横断してはならず、また道路を横断している歩行者は、速やかにその横断を終えるか、または横断をやめて引き返さなければいけない」のです。

 青色点滅の横断歩道を多くの人が急ぎ足で渡る風景は、日常的に見かける風景ですが、急いで渡ることは、途中で転んだり、落とし物をしたりなど、危険が伴いますので、無理な横断は禁物です。

歩行者用信号の青色点滅は、「急いで渡れ」ではなく「止まれ」(PHOTO:写真AC_豆助屋)
歩行者用信号の青色点滅は、「急いで渡れ」ではなく「止まれ」(PHOTO:写真AC_豆助屋)

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 これらの信号機の理解不足によって発生する事故は、重大な事故になる可能性が高く、信号は絶対に守らなくてはならないものです。特に遭遇する機会が少ない夜間の点滅信号機や一灯式信号機については、正しく意味を理解した上で、さらに周囲の安全確認が必要。自分が守っても、守らない人がいるからです。

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