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 東京オートサロン2023でTOYOTA GAZOO Racingが発表したBEVと水素、2台のAE86が大注目。だが、さかのぼること3週間前、筑波サーキットで行われたイベントに注目のAE86が展示された。このAE86は電子スロットルをはじめとする最新の制御技術により、燃費リッター17km/LをマークするECOハチロク。AE86愛があふれるチューナー謹製のマシンを大公開!

文、写真/奥野大志(Team G) 取材協力/ハチロク祭

昭和61年式のトレノをベースに最新の制御系部品と自社の技術を投入

排気量はノーマルのまま、鍛造ピストンや流用クランク&コンロッドで完全オーバーホール。エアクリーナーは純正を使用する<br />” class=”wp-image-582031″ srcset=”https://img.bestcarweb.jp/wp-content/uploads/2023/01/16164005/2_IMG_6023_re.jpg 600w, https://img.bestcarweb.jp/wp-content/uploads/2023/01/16164005/2_IMG_6023_re.jpg 300w, https://img.bestcarweb.jp/wp-content/uploads/2023/01/16164005/2_IMG_6023_re.jpg 768w, https://img.bestcarweb.jp/wp-content/uploads/2023/01/16164005/2_IMG_6023_re.jpg 1200w” sizes=”(max-width: 600px) 100vw, 600px”  width=”600px” height=”429px”/></a><figcaption>排気量はノーマルのまま、鍛造ピストンや流用クランク&コンロッドで完全オーバーホール。エアクリーナーは純正を使用する<br /></figcaption></figure>
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<p> ECOハチロクを作ったのは埼玉県八潮市にあるAE86のプロショップ、テックアートの鎌田芳徳さん。AE86のカスタマイズを長きにわたって手がけ、タイムアタックやサンデーレースで活躍してきた有名チューナーだ。</p>
<p> 鎌田さんはこれまで、速さを極限まで追求したAE86を数多く世に送り出してきたが、以前からECO要素を取り入れた車両の製作に関心があり、10年以上前に一号機を製作。しかし、長い年月を経て、自動車の部品、特に電子スロットルをはじめとする制御系の部品が進化しているので、これらの最新の部品と自社の技術を用いてECOハチロクを作れば、現代のECOカーと遜色ない性能が出せると考え、二度目の製作を決意した。</p>
<p> ベースとなったのは昭和61年式のスプリンタートレノ。ECOのために楽しさやカッコよさを犠牲にする、いわゆる“デチューン”ではなく、パフォーマンスを向上させる、AE86チューニングの王道を追求している。</p>
<h2>電子スロットルとMOTECコンピュータ、そして高性能インジェクターが肝</h2>
<p> ECOハチロクに搭載されている4A-Gは、オリジナルの排気量(1587cc)のまま、完全オーバーホール済み。軽さに優れる亀有エンジンワークスの鍛造ピストンやAE111のクランクやコンロッドを用いて、徹底的にエンジンの効率を高めている。で、ここからの部品セレクトがいかにもECOハチロクというところ。</p>
<p> スロットルボディはワイヤー式の純正スロットルを取り去り、ボッシュの電子スロットルを装着。テックアートのサージタンクと組み合わせて使用している。また、インジェクターは霧化性能に優れるボッシュの最新式。点火もダイレクト点火に変更され、モーテックM800(チューニング業界で有名なコンピュータ)で統合制御を行っている。</p>
<p> 緻密なエンジン制御により4A-Gはローラー式のシャシーダイナモで140psを発揮(ノーマルはグロス130ps)。実走行で17km/Lの燃費(2名乗車時)を叩き出し、現代のECOカーと遜色ないスペックを手に入れた。もちろん、燃料を極端に絞るなどの燃費重視のセッティングは行っていない。</p>
<p> 鎌田さんによると、ライトチューンのAE86の燃費は街乗りで10km/L、高速は12km/L程度とのこと。ただし、調子が良くないエンジンの場合はもっと燃費が悪いとのことで、ECOハチロクの燃費性能がいかに優れているか、わかってもらえると思う。</p>
<h2>レギュラーガソリン仕様でECOタイヤを履かないところも潔い</h2>
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電子スロットルとサージタンクのアップ。特徴的だった4A-Gのスロットルリンケージは当然なく、ペダルもトヨタ車用を流用している
電子スロットルとサージタンクのアップ。特徴的だった4A-Gのスロットルリンケージは当然なく、ペダルもトヨタ車用を流用している

 エンジン以外にも効率アップのための工夫がいっぱいだ。プロペラシャフトのセンターベアリングやハブベアリングなどを新品に交換。さらにGRヘリテイジパーツのドライブシャフトとファイナルギア(WPC加工済み)も使用している。駆動系の整備不良はパワーの伝達ロスにつながるため、重要なメンテナンスポイントだが、しっかり行っておけば燃費向上につながる。

 ここまで手を入れておきながら、オリジナルのAE86と同じレギュラーガソリン仕様で、ハイグリップタイヤ(アドバンネオバ)を装着しているのがおもしろい。鎌田さんのこだわりを感じる部分であり、自信を感じる部分でもある。各部をしっかり仕上げていけば、30年以上も前のクルマでも現代のクルマと遜色ないエコカーに生まれ変わるということだろう。

 ECOハチロクはすでに公道を走っているナンバー付き車両というのが最大のポイント。つまり、コスト面さえ折り合えば、誰でも同じ仕様でドライブを楽しむことができるのだ。すでにテックアートのお客さんの間では話題になっており、電子スロットル化を希望する人もいるそうで、夢はふくらむ。

 何十年も前のクルマでも、最新技術を用いてチューニングすることで、AE86の乗り味を残したまま、微力ながらカーボンニュートラルに貢献できる。このECOハチロクは、私たちが現実的に選べる選択肢として、旧車遊びの見本になっていると言えるのではないだろうか。

【画像ギャラリー】オリジナルの4A-Gらしさを残しているのもいい!! これが最新制御の4A-Gだ(4枚)画像ギャラリー

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