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「すぐ市販してくれ!!」東京オートサロンで見つけたカーライフを楽しくする秀逸アイデア4選

 自動車メーカーの展示をみることができるモーターショーでは、華々しい新型車の発表だけでなく、見たことがないGOODなアイディアを見かけることもある。今回の東京オートサロン2023でも、「これは良い!!」と感じたアイディアがいくつもあった。なかでも、筆者が特に「欲しい!!」と感じた、GOODなアイディアを4つご紹介しよう。

文:吉川賢一
写真:DAIHATSU、TOYOTA、エムスリープロダクション

ルーフにボート!!? 「ダイハツ アトレー ワイルドレンジャー」

 一見、ハイルーフにみえる「ダイハツ アトレー ワイルドレンジャー」。実はこれ、逆さまにしたボートが載せられている。ルーフの横についているのはスコップではなくて船のオールだ。

 このクルマのコンセプトは「あと一歩奥まで」。レジャーをしに遊びに行った先で、ボートを下ろして、水辺で釣りや探検に使う、というアイディアだそう。また、水害の際などには、レスキュー用途としても使えるという。

 開発担当者によると、実際にこのボートを浮かべようと出かけた先で、ワカサギ釣りをしていたレジャー客に見てもらったところ、「ぜひ欲しい」と大反響だったそう。ボートを使う方はボートの置き場に困っているとのことで、普段からクルマに積んでおきたいと思っているという。そんな課題のひとつの答えとして、大いにアリなアイディアだと感じた。

ダイハツブースにあったアトレー ワイルドレンジャー。ルーフは2重構造になっており、逆さまにしたボートが載せられている
ダイハツブースにあったアトレー ワイルドレンジャー。ルーフは2重構造になっており、逆さまにしたボートが載せられている

アクションカメラを装着できる!! フェンダーモールフック 「スバル クロストレックBOOST GEARコンセプト」

 スバルブースでひときわ注目を浴びていた、スバル クロストレックBOOST GEARコンセプトには、様々なアイディアグッズが仕込まれていた。なかでも筆者が注目したのは、フェンダーにつけられたグリップだ。

 コンセプトカーではアクションカメラが備え付けられていたが、走行シーンやキャンプシーンなどの記録を残すための台座として利用することができる。ドアモールも開閉式で、停車中にちょっとしたグッズを乗せたり、リアフェンダーにつけたマグネットにアウトドア工具をつけて置いたりと、アウトドアで活用するアイディアが仕込まれていた。

 この「BOOST」は、アクティブライフを楽しむユーザーの後押しをしたい、というのがコンセプトだという。差し色で使われているターコイズカラーは、BOOST商品のコンセプトカラーだそう。「BOOST」は、今後の反応をみて、国内展開をしていこうと検討中とのこと。アウトドア好きにはたまらない商品となりそうだ。

スバル クロストレックBOOST GEARのフェンダー上部についていたグリップ。展示車にはアクションカメラが付けられており、オフロードシーンを走るという、大迫力な映像を収めることができる
スバル クロストレックBOOST GEARのフェンダー上部についていたグリップ。展示車にはアクションカメラが付けられており、オフロードシーンを走るという、大迫力な映像を収めることができる

スイッチひとつで後席窓がすりガラスに!! 「日産 ROOX SUITE CONCEPT」

 日産ルークスが延長されたかのようなデザインの「ROOX SUITE CONCEPT」にも、すぐに使えそうなアイディアが仕込まれていた。それが後席ウィンドウにあった「電子シェード」だ。普段は透明のウィンドウだが、スイッチを切り替えるとすりガラスのようになる、というアイディアだ。

 このような、すりガラス調になるガラスは、ハリアーのルーフガラス(調光パノラマルーフ)などにも採用されているが、ルークスのような軽スーパーハイトワゴンの後席サイドウィンドウに使えると、子供を車内で着替えさせるときなどにとても便利。運転中の使用では後方視界を確保するために、何かの対策も必要だが(ドライバーが後ろを振り向いたらクリアガラスに一瞬戻るなど)、すぐにでも採用できそうなアイディアだと感じた。

ROOX SUITE CONCEPTのリアウィンドウには、スイッチを切り替えるとすりガラスのような見栄えとなる「電子シェード」が仕込まれていた
ROOX SUITE CONCEPTのリアウィンドウには、スイッチを切り替えるとすりガラスのような見栄えとなる「電子シェード」が仕込まれていた

水素エンジン車やBEVにコンバージョン!?? 「トヨタAE86 H2 Concept/AE86 BEV Concept」

 今回のTAS2023で、個人的に最優秀賞を贈りたいのが、トヨタのAE86コンバージョンだ。40年以上も前のオリジナルデザインのまま、パワーユニットをそれぞれ、水素エンジンにしたトレノと、バッテリーEVにしたレビンは、トヨタブースの中でもひときわ輝いていた。しかもマニュアルトランスミッションがそのまま残されるという特典付きだ。

 水素エンジンのトレノは、レース活動で実証済みである、水素エンジンのGRカローラ開発を活かし、4A-Gエンジンをそのまま活用して水素エンジンへとコンバート。一方のBEVのレビンは、トヨタが既に世の中に出しているBEVユニットをそのまま流用(モーターの向きは、FRのAE86に合わせて縦置き配置)し、できるだけ既存部品を使用しながら、AE86の良さである軽さを守った。

 この手のコンバージョンを商品化するには、高いハードルがいくつもあるだろうが(真っ先に浮かぶのが衝突安全性をどう考えるか)、「こうしたコンバージョンで、旧車であってもカーボンニュートラル車になる」というのは、旧車オーナーやクルマ好きにとっては夢に見た世界。ぜひとも商品化させてほしいアイディアだ。

パワーユニットをそれぞれ、水素エンジンにしたトレノと、バッテリーEVにしたレビン。長年の夢だった話が、ついに実現した
パワーユニットをそれぞれ、水素エンジンにしたトレノと、バッテリーEVにしたレビン。長年の夢だった話が、ついに実現した

ジャパンモビリティショー2023も大いに期待

 これらは、現時点は単なるアイディアであっても、数年後には実現されるアイテムも少なくないと思う。2023年は、ジャパンモビリティショー2023が10月26日より開催される。どのメーカーもカーボンニュートラルに向けた企画を多く練ってくるはず。そうしたアイディアをさらに多くみられることを、いまから楽しみにしている。

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