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中古プリウスは3代目が人気!? 新型登場で最新相場はどうなのよ??

 2022年11月16日に世界初公開された、5代目となるトヨタ 新型プリウス。ハイブリッド車(HEV)は今冬、プラグインハイブリッド車(PHEV)は2023年春頃の発売を予定している。

 新型がでてくれば当然気になるのが中古モデルの状況と相場だ。ここでは歴代プリウスの足跡と最新のプリウス中古車事情をご紹介する。

※本稿は2022年10月のものです。中古車データは2022年10月時点のものとなります
文/萩原文博、写真/TOYOTA、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年12月10日号

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■今年発売25周年を迎えたトヨタプリウス

 約25年前の1997年12月に、「21世紀に間に合いました。」をキャッチコピーとして、世界初の量産ハイブリッド自動車である初代プリウスが登場した。

1997年12月に登場した初代トヨタ プリウス。「21世紀に間に合いました。」のキャッチコピーはあまりにも有名(中古車価格帯約110万円)

 初代プリウスは当時流行していた、やや車高を高くした5ナンバーサイズの4ドアセダンのボディに、1.5Lガソリンエンジン+モーターのハイブリッドシステムを搭載。

 10・15モードながら28.0km/Lという優れた燃費性能を実現し、高い環境性能を発揮した。

 2003年~2011年まで販売された2代目プリウスは、初代の4ドアセダンから空力特性に優れた5ドアハッチバックへと外観デザインを変更。

 このスタイルは現行型でも継承されている。また、室内空間の拡大や走行性能を向上させるため、全幅は1725mmに拡大され、3ナンバーサイズとなった。

2003~2011年に販売された2代目トヨタ プリウス。現在も引き継がれる、空力特性に優れたデザインを採用(中古車価格帯10万〜99.8万円)

 搭載されたハイブリッドシステムは1.5Lガソリンエンジン+モーターと字面は変わらないが、THS IIへと進化。

 10・15モード燃費は35.5km/Lにまで向上し、当時4人以上が乗れる市販ハイブリッドカーで世界最高の低燃費を達成している。

 2代目プリウスまで、「ハイブリッド車は車両価格が高い」というのが常識だった。

 しかし2009~2015年に販売された3代目プリウスはその常識を覆し、車両本体価格を下げてさらに大ヒットすることとなった。

 空力性能を向上させた5ドアハッチバックボディに搭載されたハイブリッドシステムは、約90%以上が新開発となったリダクション機構付THS IIで、エンジンは高速域の燃費性能を向上させるために、1.8Lへと排気量もアップ。

 モーターも変更することで、10・15モード燃費で38.0km/L(Lグレード)を達成している。

■新型登場で「先代」となる4代目はTNGAプラットフォームを採用

2015年に登場した4代目トヨタ プリウス(マイナーチェンジ前)。燃費性能だけでなく走行性能も高めた(中古車価格帯97.8万〜379.8万円)

 4代目プリウスは、トヨタのクルマ構造改革であるTNGAを導入した第一号車として、2015年12月に販売開始。

 TNGAを採用したことで、従来モデルよりも低重心となったのをはじめ、リアにダブルウィッシュボーンサスペンションを採用するなど、燃費性能だけでなく、走りにも磨きをかけた。

 1.8L直4DOHCエンジンと電気モーターを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載しているが、最大熱効率を40%に高めたエンジンをはじめ、モーターや駆動用バッテリーなどシステム全体で小型、軽量化を実現し、さらにロスを約20%低減させたことで、JC08モード燃費で40.8km/L(Eグレード)を達成した。

 また、ハイブリッドのシステムバッテリーもニッケル水素電池からSグレードを除く全グレードにリチウムイオン電池を採用している。

 プリウスの駆動方式は、これまで2WD(FF)車しか設定されていなかった。しかし現行型はE-Fourと呼ばれる電気式の4WD車が設定されたのがポイントだ。

■中古車は3代目がタマ数も多くお得感バツグン

2009年登場の3代目トヨタ プリウス。歴代プリウスの中古車のなかで流通台数が最も多い(中古車価格帯約19.8万〜359万円)

 現在、プリウスの中古車は7042台流通。そのうち初代モデルは1台のみで、後期型が約110万円で販売されている。すでにクルマ世界遺産状態となっているので、手に入れるのは困難だ。

 2003年に登場した2代目プリウスの中古車の流通台数は97台と減少傾向だ。平均価格は38.7万円で、価格帯は10万〜99.8万円とすべて100万円以下で購入可能となっている。

 そして、歴代プリウスの中古車のなかで最も多いのが2009年に登場した3代目モデルだ。約3650台という豊富な流通台数を誇り、平均価格は76.6万円。中古車の価格帯は19.8万〜359万円となっている。

 200万円以上の価格帯はすべてカスタマイズ済み中古車となっており、ドレスアップ車の人気は健在だ。

「ノーマルでよい」という人には200万円以下で圧倒的な経済車が手に入ることになるので一考の価値がある。

 さて、2015年に登場した現行型プリウスはどうか。こちらの中古車は約3000台流通していて、平均価格は205.8万円。中古車の価格帯は97.8万〜379.8万円だ。

 個性的な外観デザインで不人気と言われた前期型のプリウスだが、100万円以下の中古車はわずか3台と値落ちは進んでいない。

 フルモデルチェンジを行えば、旧型となる4代目プリウスの中古車相場に変動が起きるはず。まだ高水準をキープする後期型はもちろん、前期型も値落ちは進むはずだから、現行型については新型の登場を待つのが吉といえそうだ。

 中古車でプリウスを購入するとなると、気になるのはハイブリッドシステム用のバッテリーの寿命だ。

 一般的に中古車は走行距離が少ないほうがコンディションがよいといわれるが、ハイブリッド車の場合は年式が進んでいるわりに走行距離が少ない中古車は敬遠される。それは走行距離が少ないため、HVシステム用バッテリーがバッテリー上がりを起こしている可能性があるからだ。

 トヨタのメーカー保証では、バッテリーは特別保証の対象となっており、新車から5年または10万km走行時点のいずれか早いほうとなっている。

 またトヨタの認定中古車のハイブリッド車なら、保証期間は初度登録年から10年目、または購入から3年間の長いほうで無償保証してくれる。普通に乗っている間は心配はないといえるだろう。

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