来季も全8戦のスケジュールが発表された2023年のERCヨーロッパ・ラリー選手権に向け、これまでフォード・フィエスタ・ラリー2で戦ってきたチェコ共和国出身のエリック・カイスが、早くも新体制を発表。すでに来季からの本格デリバリーが予定されている新型『シュコダ・ファビアRSラリー2』にスイッチし、少なくとも5戦へのエントリーを見込んでいる。
2021年にはドライバーズランキングで6位を記録した23歳のカイスは、今季2022年もフォードを操ってポルトガルの名物イベント『ラリー・セラ・デ・ファフェ・フェルゲイラス』と、地元戦の『バルム・チェコ・ラリー・ズリン』にエントリー。技術的なトラブルでポジションを下げるまでは、双方のイベントともトップ3に喰い込む印象的なパフォーマンスを披露していた。
そのチェコ期待のホープは12月9日付で来季体制をアナウンスし、地元マニュファクチャラーの支援を受けて最新の開発成果を受け取り、少なくとも5戦のERC出走する計画を確認した。
「すでにフォード・フィエスタ・ラリー2のステアリングを握り、過去3シーズンを過ごしてきた。この蓄積を踏まえ、僕自身は4WDマシンについて充分な経験を積んだと考えている」と意気込みを明かしたカイス。
「新しいシュコダ・ファビアRSラリー2は、成功へのカギとなるだろうね!」
■全戦エントリーも「考慮外というわけではない」
現時点のプランでは、3月11~12日の週末に開幕を迎えるポルトガル戦を皮切りに、スペイン・カナリア諸島で5月5~6日開催の第2戦『ラリー・イソラス・カナリアス』、6月17~18日の第4戦『ラリー・リエパヤ』と前半戦のラリーに出場し、第6戦となる7月29~30日の『ラリー・デ・ローマ・キャピタル』と8月19~20日の第7戦『バルム・チェコ・ラリー・ズリン』への参戦を予定する。
しかしチャンピオンシップの状況も考慮し、全8戦へのエントリーも「考慮外というわけではない」と語り、チームは現在さらなる欧州チャンピオンシップへの出場権を確保するべく、バジェットの確保にも懸命に取り組んでいる。
「それでも、僕らはこうしてシュコダ・モータースポーツの技術サポートを自由に享受できるポジションを得た。新しいクルマでスタートすることを非常に楽しみにしているよ」
「そして何より、僕らはチェコの自動車クラブ『AČR』と、チェコ共和国を代表し、チェコ製のマシンをドライブできることを、心からうれしく思っている」