売れ筋のコンパクトクロスオーバーSUVのなかでも販売絶好調だけあり、新車での納期は半年~1年ほど現在でもかかっているヤリスクロス。そこで、新車購入とサブスクのKINTO、もしくは中古車狙いがいいのか、1.5Lガソリン車でシミュレーションしてみた。
文/ベストカーWeb編集部、写真/ベストカーWeb編集部、トヨタ
■国産SUVでもトップクラスの人気を誇るヤリスクロス
国産SUVでも人気のモデルであるヤリスクロスだけに、2022年1~11月の販売台数は7万7740台と月平均7000台以上を記録している。ライバルのヴェゼルが同じく11カ月間で4万5782台だったことを考えれば、セールスパワーの差を考えてもかなりの差をつけていると言っていいだろう。
ひとクラス下のSUVで価格帯も下がるライズが11カ月で8万308台とほぼ互角なのだから、その人気と実力がわかろうというもの。
そんなヤリスクロスは新車で購入した場合、現在納期は半年~1年ほどかかっている。そこで、1.5Lのガソリン車(FF、CVT)の「G」グレード(車両本体価格202万円)にETCとフロアマットをオプションで付けた場合の現金一括購入(7年間使用を想定)、残価設定クレジット(5年契約)、KINTO(7年契約)の各々で乗る場合にかかる総費用でどのくらいの差が出るのか、比べてみた。
■現金一括と残価設定クレジット、KINTOで総支払額はどう変わる?
まずは現金一括購入。初期費用は現金で219万8600円、これにクルマを保有している期間にかかる維持コスト(自動車税、車検、自動車保険、タイヤ交換代、バッテリー交換代、その他費用)は7年間で147万9694円となる(※その他費用の自動車保険の年齢条件は26歳以上を対象、14等級で算出。また、初回車検~利用期間中の自賠責保険料および重量税、定期点検、故障修理、代車、ロードサービス、油脂類の交換および補充、所定の消耗品の交換を含む)。
7年間の総支払費用は367万8294円で、7年後の想定下取り参考価格は20万4860円となる。
続いて、残価設定クレジットを組んだ場合。ここでは5年契約で金利4.9%、残価率37%で算出。初期費用を頭金15万円とし、月々の支払い額を6780円(初回のみ7222円)、ボーナス払いを各13万1000円(10回)、これにクルマを保有している期間にかかる維持コスト(自動車税、車検、自動車保険、タイヤ交換代、バッテリー交換代、その他費用)は5年間で97万3750円となる。
5年間の総支払費用は276万6412円となる。残価設定型クレジットの支払総額のうち、月々の支払い回数は59回で算出し、最終回の支払いは、①新しいクルマに乗り替え②返却③買い上げ(一括精算または再クレジット)の3つのプランから選ぶ。
最後がKINTOを利用した場合。初期費用フリープランで7年契約だと、月々2万1010円、ボーナス払いを各13万1010円(14回)で7年後に車両は返却となる(KINTOは一定期間クルマを利用するサービスのため、契約期間満了後に車両を返却する。返却車両の走行距離や、車両状態が契約時に定めた条件を満たさない場合、別途追加料金が必要となる)。
KINTOの場合、クルマに乗っている期間にかかる維持コストが基本的にかからない。このため、7年間の総支払額は330万4840円で、5年で「のりかえGO」を利用した場合の5年分の総支払額は利用料に乗り換え手数料をプラスした255万7317円となる。
比べると、7年間の総支払額としては現金一括購入が最も多くなり、下取り価格もかぎりなく下限に近くなるものの、そのまま乗り続けるという選択肢は残る。残価設定クレジットとKINTOだと、総支払額については現金一括購入よりも少ないが、残価設定クレジットなら新規買い換えか返却、買い上げの3つから選ぶしかなく、KINTOは基本的に返却となる。ここをどう考えるかが大きなポイントになってくる。
ただし、現金一括購入も残価設定クレジットも、基本的にここでの金額はKINTOの月額利用料に含まれているサービス内容とほぼ同等の内容で算出されたもので、実際の支払額および平均支払額については必ずしも一致するものではないことをお断りしておく。
■中古車も走行距離少なめのタマが出ているが、旨味は少ないか?
最後に中古車ではヤリスクロスはどのくらいの相場になっているのか。2020年11月登録のGグレード(FF、CVT、走行距離1万1000km)だと200万9000円の価格で売り出されており、こちらの支払い総額は210万4000円程度となる。
Gグレードの流通量はハイブリッドモデルよりも格段に少ないが、そこそこ出回っていて相場としては2020~2022年式で車両本体価格199万~220万円といったところ。中古車購入ならばヤリスクロスの新車購入で懸念となる納期はかからないのだが、さすがに中古市場でも人気のモデルとなっているだけにまだ「中古車」としての旨味は薄いと言えそうだ。
そうなると「ヤリスクロスに乗る」だけなら月々の支払額が最も少なくなるのは残価設定クレジットだが、税金などの維持コストがかかるのは現金一括購入と変わらない。一方、KINTOは月々の支払い額こそ残価設定クレジットより上になるが、こちらは維持コストがかからない。このあたりを見極めたうえで、ユーザーが自分に適した結論を出すのがいいだろう。
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