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 FIA(国際自動車連盟)年次総会の一環として、イタリアのボローニャで開催されたFIA世界モータースポーツ評議会(WMSC)にて、ETRCヨーロピアン・トラック・レーシング・チャンピオンシップの2023年カレンダーが正式承認され、ポーランドの新会場を含む全9戦のスケジュールがアナウンスされた。

 終盤は2週連続開催の“バック・トゥ・バック”となった2022年ETRCだが、その前半週に早くも王座が確定し、ノルベルト・キス(レベス・レーシング/MAN)が2014-2015年に続き、2021-2022年の連覇による自身4度目の戴冠を決めた。

 圧倒的強さで年間16勝の金字塔を打ち立てた席巻のシーズンを経て、新年度は慣れ親しんだ挑戦的なサーキットでのレースに加え、ヨーロッパ最高峰のトラックレースを歓迎する新たなサーキットも追加される。

 第4戦としてETRCラウンドを迎えることとなったポーランド西部の古都ポズナンは、中世ポーランド王国の最初の首都として栄えた要衝として知られ、1978年に建設された4.083kmのレーストラック、トルン・ポズナンが新たに総重量5.3t、最高出力1100PS超えのレーシング・ジャイアントを迎え入れる。

「こうして2023年のレースカレンダーが正式に確認された。これはチームとドライバーにとって、継続性と挑戦の非常に強力な組み合わせを表していると信じている」と語るのは、統括団体であるETRAのマネージング・ディレクターを務めるロルフ・ウェルナー。

新年度は慣れ親しんだ挑戦的なサーキットでのレースに加え、ヨーロッパ最高峰のトラックレースを歓迎する、新しいサーキットも追加される
1978年に建設された4.083kmのレーストラック、トルン・ポズナンが、新たに総重量5.3t、最高出力1100PS超えの”レーシング・ジャイアント”を迎え入れる

■FIA格式の欧州選手権がポーランドを訪問するのは史上初

 今季もTCRイースト・ヨーロッパ・トロフィーが開催された同トラックだが、2020年には同国出身のF1ドライバー、ロバート・クビサがデモランを実施した程度で、FIA格式の欧州選手権が訪問するのは史上初となる。

「6月にポーランドのポズナンで開催されるラウンドで、カレンダーに新しい会場が追加されることにも興奮している。FIAのサーキットチャンピオンシップがこのトラックで開催されるのは初であり、ドライバーにとって挑戦的なサーキットだと聞いている。エキサイティングなレースが見られることを楽しみにしているよ」

 同じくFIAでスポーツ&ツーリングカー部門ディレクターを務めるマレク・ナワレツキも「グッドイヤーFIA ETRCカレンダーが、2017年以来初めて9ラウンドに拡大されたことは非常に良いニュースだ」と述べた。

「この潮流は、過去数年間にシリーズで起こっている前向きな進展とよく一致している。現在使用されているディーゼルと並行して、バイオ燃料の導入やハイブリッド、そして電動パワートレインのソリューションに対する技術規制の開放など、最近のETRCは絶えず改善され続けているからね」と続けたナワレツキ。

「そして、このシリーズが新しい市場に進出し、トラックレースを新しいファンと視聴者に紹介することも励みになる。ポーランドはヨーロッパのトラック運送業界にとって重要なハブであり、この業界とチャンピオンシップ内に存在するスポーツとの密接なつながりを考えると、これはシリーズにとって賢明で適切なステップになるはずだ」

チームとドライバーにとって、継続性と挑戦の非常に強力な組み合わせを表していると信じている」とETRAマネージング・ディレクターのロルフ・ウェルナー
FIAスポーツ&ツーリングカー部門ディレクターを務めるマレク・ナワレツキも「グッドイヤーFIA ETRCカレンダーが、2017年以来初めて9ラウンドに拡大されたことは非常に良いニュースだ」と語る

■ETRCヨーロピアン・トラック・レーシング・チャンピオンシップ2023年カレンダー

ラウンド 開催日 開催地
Rd.1 5月20~21日 イタリア/ミサノ
Rd.2 6月3~4日 ハンガリー/ハンガロリンク
Rd.3 6月10~11日 スロバキア/スロバキアリンク
Rd.4 6月24~25日 ポーランド/ポズナン
Rd.5 7月15~16日 ドイツ/ニュルブルクリンク
Rd.6 8月26~27日 チェコ/モスト
Rd.7 9月9~10日 ベルギー/ゾルダー
Rd.8 9月23~24日 フランス/ル・マン
Rd.9 9月30~10月1日 スペイン/ハラマ