2022年は10月にも、WRC世界ラリー選手権とのジョイントで最終戦を実施したERCヨーロッパ・ラリー選手権が、11月25日付で来季2023年の選手権カレンダーを発表した。シリーズとしては初開催となる7月のスウェーデンと、こちらは“復帰組”のハンガリーを加えた全8戦のスケジュールが公開されている。
10月20~22日に開催されたスペイン・カタルーニャ地方の名物イベント『ラリーRACC・カタルーニャ-コスタ・ドラダ』を前に、エフレン・ヤレーナ(シュコダ・ファビア・ラリー2エボ)が初タイトルを獲得した2022年シーズンを経て、シリーズは現在のプロモーター体制とフォーマットを採用して以降、初となるスカンジナビア戦を組み込んだ。
WRCでは2月開催の伝統的なイベントとして実施されているスウェディッシュ・ラリーだが、近年は雪を求めて開催地が修正されたこともあり、7月7~8日の第5戦として開催される『ロイヤル・ラリー・オブ・スカンジナビア』は、2020年までカールスタッドを中心とするヴェルムランド地域にて使用されたルートを、ほぼそのまま踏襲したラリーとして初開催される。
つまりWRC開催時とは季節の移動があり、近年はそもそもの気象条件が安定してはいなかったものの、おなじみのステージ群は雪と氷に覆われた白銀の世界ではなく新緑のグラベル路面が舞台となる。
さらに10月7~8日のシーズン最終戦には、約1年のブランクで『ラリー・ハンガリー』が復帰。2019年にERC初登場となった同国北東部スロバキア国境に近いニーレジュハーザ近郊での高速ターマックが、来季のタイトル決定戦に指定された。
「我々はERCとしてスウェーデンに行き、ふたたびハンガリーに戻るという見通しに非常に興奮している」と語るのは、チャンピオンシップ・マネージャーを務めるイアン・キャンベル。
■併催のERCジュニアは第3戦ポーランドで開幕
「すべてのラリー・ファンは雪と氷のラリー・スウェーデンに慣れ親しんでいると思うが、夏にヴェルムランドに戻ることは、カレンダーにまったく新しい要素をもたらすだろうね」
「そしてラリー・ハンガリーのオーガナイザーと運営チームは、舞台裏で信じられないほど懸命に働いており、彼らがチャンピオンシップに戻るために必要なすべての要件を満たしてくれたことに満足しているよ」
残るカレンダー要素は2022年をほぼ踏襲した構成となり、ポルトガルの名物イベント『ラリー・セラ・デ・ファフェ・フェルゲイラス』は、3月11~12日の週末に再度シリーズのオープニングを務め、世界的に有名なビッグジャンプが満喫できるファフェのSSが、ボーナスポイントを争う最終パワーステージとして組み込まれる。
さらに5月5~6日にはスペイン・カナリア諸島での『ララリー・イソラス・カナリアス』を第2戦として開催したのち、5月20~21日の第3戦『ラリー・ポーランド』、6月17~18日の第4戦『ラリー・リエパヤ』と、高速ワインディングのターマック路からグラベルのダブルヘッダーへと続いていく。
そして初開催スウェーデンを挟み、7月29~30日には第6戦『ラリー・デ・ローマ・キャピタル』でふたたびターマック戦に回帰し、シュコダの地元で新型モデルの連覇継続が掛かる8月19~20日の第7戦『バルム・チェコ・ラリー・ズリン』を終え、ハンガリーでフィナーレを迎える。
併催のERCジュニアは第3戦ポーランドで開幕を迎え、ERC3とERC4の各カテゴリーは全イベントでの開催が予定されている。
■ERCヨーロッパ・ラリー選手権2023年カレンダー
ラウンド | 開催日 | 開催地 | サーフェス |
---|---|---|---|
Rd.1 | 3月11~12日 | ラリー・セラ・デ・ファフェ・フェルゲイラス | グラベル |
Rd.2 | 5月5~6日 | ラリー・イソラス・カナリアス | ターマック |
Rd.3 | 5月20~21日 | ラリー・ポーランド | グラベル |
Rd.4 | 6月17~18日 | ラリー・リエパヤ | グラベル |
Rd.5 | 7月7~8日 | ロイヤル・ラリー・オブ・スカンジナビア | グラベル |
Rd.6 | 7月29~30日 | ラリー・デ・ローマ・キャピタル | ターマック |
Rd.7 | 8月19~20日 | バルム・チェコ・ラリー・ズリン | ターマック |
Rd.8 | 10月7~8日 | ラリー・ハンガリー | ターマック |