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 12月7日、三重県の鈴鹿サーキットで始まった全日本スーパーフォーミュラ選手権の合同テスト/ルーキーテスト。日本人ドライバーとしては、DANDELION RACINGの6号車からこのテストにエントリーしている、太田格之進がスーパーフォーミュラのマシンでの初走行を迎えた。

 太田は初日午後のセッション2で、20台中11番手のタイムをマーク。ルーキー勢のトップはMUGENのリアム・ローソンに譲る形となったが、ローソンがFIA F2経験者であることを考えると、そこからコンマ3秒落ちでトップフォーミュラ走行初日を終えた太田は、まずまずの滑り出しを見せたと言える。

 2022年は全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権(SFL)にエントリーし、最終ラウンドまでタイトル争いを演じた太田。スーパーフォーミュラでのテスト初日を印象を聞かれると、「これまで乗ってきたマシンとはパワーとかも全然違いました。いままで見ていた鈴鹿サーキットから、また違う鈴鹿サーキットの一面……じゃないですけど、違う次元で走る驚きがあり、楽しい一日でした」と振り返った。

 SRS(鈴鹿レーシングスクール)出身の太田にとって、走り慣れたサーキットで初走行を迎えられたことは、幸運だったかもしれない。

 ただし、SFLに比べ強大なダウンフォース、かさむ車重、そしてパワフルなエンジンなど、車両に関わるほぼすべての部分はこの日が初体験となった。セットアップはほとんど変更せず、車両の習熟に務める一日だったという。

 エンジンのドライバビリティの部分について聞くと、ターボエンジンということもあり、まだ“慣れ”が必要そうだと太田は語る。

「パワーの立ち上がり方がライツと比べるとリニアではなく、ドンって上がる部分がどうしてもあり、そのラグを感じながら早めにアクセルオンする……といった部分では、とくにS字のセクションなどで若干のタイムラグが生まれてしまっていたので、やはりもう少し慣れが必要ですね。走り方によっても変わるんです」

 関連して、トラクションのかけ方という面では、低速のNISSINブレーキヘアピンからの立ち上がりなどでは、より繊細なアクセルワークが求められることを痛感したという。実際、午前中のセッション1では2度、赤旗の原因となった太田だが、1度目はマシントラブルによるもの、そして2度目はこのヘアピンからの立ち上がりでスピン、エンストを喫したことによるものだった。このスピンの際は、アウトラップだった。

 SFLからのドライビングのアジャストについては、「ダウンフォースが大きいけど車が重くなっていて、やっぱりライツに比べると、どっしりしているので、アクションに対してのクイックさみたいなものは、どうしてもライツの方が上になってしまいます」と太田。

「ですので、スーパーフォーミュラの方が少し丁寧にじゃないですけど、先読み・先読みが必要という感じですね。『ギリギリまで我慢してココ!』という走りではなく、もう少しゆとりを持った走りをした方が、タイムが出るんだろうなという印象です」

DANDELION RACINGからテストに参戦している太田格之進
DANDELION RACINGからテストに参戦している太田格之進

 午後のセッション2ではニュータイヤを2セット投入して、アタックを敢行した。

「正直、まだタイヤに対しての経験がないので、そこに対するアジャストはまだ必要ですね。満足はしていないけど、ある程度のアタックというか……いまはまだ、慣れる作業をしているところですね」

 その状態でマークしたのは11番手タイム。初日を終えた段階での習熟度について聞くと、「どこまでを含めるかによりますが……スタート練習や、ピットボックスに止める練習もできたし、アンチラグの(調整)操作なんかもできました。ただ、全体的にみたら……まだ50%くらいじゃないでしょうか」と太田は自己評価している。

「明日を通して100%に近づけていきたいです。走りについてもすでにここを変えたいなっていう部分は出てきているので、そういう観点では50%とか、そこまでいかないくらいですね」

 ちなみに走行後の取材セッションにおいて、スーパーフォーミュラで一番走って一番楽しいコーナーを聞かれた太田は、デグナーを挙げている。

「一発勝負という感じで、スピードをキャリーしながら入っていかなければいけないので。楽しいのはデグナーです」

 そう語る太田の表情は明るく、念願のトップフォーミュラ初走行を心から楽しんでいる様子が見て取れた。