クルマと末長く付き合うためにメンテナンスは欠かせない。とはいえ、せっかく買った自分の愛車なのに一切自分で行うことなく、クルマ屋にすべてお任せにしてない?
お金に余裕があるならそれが一番だけど、せっかくの愛車だし、お財布のためには「自分でできる範囲のこと」は自分で行いたいもの。ここでは、最低限自分でできるメンテナンスを紹介!
文/今坂純也(DIRT SKIP)、写真/写真AC
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洗車~洗車はメンテナンスの最初の一歩~
ガソリンスタンドや洗車専門業者に任せれば、自分は手を汚すことなくクルマはキレイになる。でも、せっかく買った愛車だから、メンテナンスの入り口と言われる洗車くらいは自分で行いたいもの。
洗車をすることのメリットは、「あ、タイヤのエアが足りない……」とか「ワイパーゴムが切れかかってる!」など、ただ乗っているだけでは気づきにくいことにも気づく可能性が高いこと。当たり前だけど、やっぱりキレイなクルマは気持ちいいしね!
●作業のポイント
洗車をするのにベストな日は、クルマにホコリがつかない風の弱い日&洗車シャンプーや汚れのついた水がすぐに乾かないような気温低めの曇りの日。洗車シャンプーや汚れのついた水が乾くと、ボディにシミが残ってしまうからだ。
そしていきなり洗車シャンプーを泡立てたスポンジでボディを洗わず、まずはボディ全体のホコリや汚れを水でしっかり流してからスポンジ+泡で洗うこと。
ガラス拭き上げ時は乾いた柔らかいタオルを2枚用意し、タオルで水分を拭き取ったら、乾いたタオルですぐにもう一度拭くと拭き跡が残りにくい。
タイヤのエアチェック&エア補充~月イチ、10分、初期投資は1000円~
タイヤは路面とクルマが接している唯一のパーツで、路面からのインフォメーションを良くも悪くも一番に伝えてくれる大事なパーツと言える。
知り合いの女性から「最近、クルマのハンドルが重い気がする……」と言われ、エアチェック(空気圧を測定すること)したら、適正値よりはるかに少ないエア圧だったことがあり、しかもタイヤには無数のヒビが……。そう、お買い物や近所の移動のためにしか使わないクルマは、走行距離の割に年数がかなり経っているタイヤがついていることが多いのだ。
ヒビの入ったエアの少ないタイヤのまま走行を続けていると、高速道路などでバースト(タイヤが破裂すること)することも考えられるので超危険!
●タイヤのエアチェック&エア補充のポイント
クルマの適正エア圧は運転席のドア付近に記載してあることが多く、エアチェック&補充でも10分以内に完了するので、月に一度はチェックしたい。
エアチェックは専用のエアゲージ(米式バルブ用。1000円程度から売っている)を使い、補充はガソリンスタンドのエアコンプレッサーや購入したエアポンプで行う。
昔からある手押しや足踏みポンプでもいいが、今は充電式やシガーソケットからの給電で作動するポンプもある。力がいらず、特に暑い時期に汗をかくことなくエア補充ができるし、各種バルブアダプターが付いているものも多く、自転車や子ども用プールなどへも使えるので購入はこちらをお薦め。
また、タイヤのエア圧は「高めにすると燃費が良くなる」などと言われることもあるが、はっきり言って誤差の範囲くらいしか燃費は変わらない。逆に、グリップ力の低下につながる場合もある。もちろん、前述のように低すぎるのは論外だが、やはりエア圧はメーカー推奨値をきちんと守るのがベストだ。
ワイパーゴム交換~作業時間はたった5分!~
「交換しなきゃな……」と思うパーツの筆頭でありながら、交換することをよく忘れてしまうパーツの筆頭でもあるワイパーゴム。雨の日やウィンドウが汚れた時に活躍してくれるワイパーだが、晴れの日やウィンドウがキレイな時は使わないのでついつい忘れてしまいがち。
前方や後方の視界を確保するのに重要な役割を担っているパーツだけに、ワイパー作動時にビビリ音が出たり、拭きムラが出たり、ゴム自体にヒビ割れや変形を発見したら即交換したい。作業時間は5分程度と超カンタン!
ちなみにワイパーゴムの推奨交換頻度は「約半年から1年」と言われていること、知ってました? もちろん、純正品ではなくカー用品店の汎用品で十分で、価格も2000円以下で買える。
●ワイパーゴム交換のポイント
交換自体は特に難しくはないし、交換方法は購入したワイパーゴムのパッケージ裏に書いてあることも多い。
パッケージ裏に書いていない場合は、交換前にあらかじめスマホのカメラなどで「どのように装着されているか?」を撮影しておき、撮影した写真をもとに交換するといいだろう。
注意すべきは、自分のクルマに適合するワイパーゴムが選べるか? ということ。適合の確認は車検証に記載してある車種や、年式、形式をチェック。
なお、車種にもよるが、クルマによって助手席・運転席・後部すべてで微妙に違うサイズのワイパーゴムが付いていることもあるので気をつけるべし!
ワイパーゴムを保持するワイパーブレードを長く交換していない場合は、ワイパーゴムとセットになった「ワイパー本体」を交換するのもアリ!
ウォッシャー液の補充~メンテ素人でも簡単~
ワイパーゴムと同時にチェック&メンテナンスしておきたいウォッシャー液。
「ゴムに相当な損傷があり、拭き取り不可」など、よほどのことがない限りワイパーゴムが原因で車検に落ちることはないが、ウォッシャー液は出ない(タンクが空っぽ、噴射装置の故障など)だけで車検不合格になってしまう重要な箇所。
また、ウォッシャー液の出ない状態で晴れの日にワイパーを動かしてしまうと、ウィンドウにキズが付いたりワイパーゴムを傷めたりする場合もある。作業時間は5分程度で終わるので、まめに確認して補充を忘れないようにしたい。
●ウォッシャー液の補充のポイント
ウォッシャー液を補充するタンクは多くの場合ボンネット内にあるが、ない場合は取り扱い説明書を見て確認する。
ウォッシャータンクのキャップにはウォッシャーマークが付いているのでわかりやすく、多くは黒や青いキャップとなっている。
大きなタンクに入って売っていることが多いウォッシャー液は、その重さに耐えられずにこぼすことも……。そんな時はジョウゴを使うか、小さめのペットボトルなどに移し替えて補充すると失敗が少ないだろう。
ウォッシャー液には油膜取りタイプや撥水タイプ、希釈して使う「濃縮タイプ」などがあるが、すでにタンクに入っているものと違うタイプを入れる場合は混ぜないこと。相性によってはゲル状に固まってウォッシャーノズルを詰まらせたりすることもあるので要注意!
クーラント液補充~サボると手痛い出費の恐れも~
クーラント液とはラジエターやエンジンを循環し、エンジンを冷却する液体。
クーラント液は自然蒸発により少しずつ減るため補充する必要があるが、大幅に減ってしまうようなら冷却系の一部にトラブルを起こしている可能性大。放置しておくとエンジンが焼き付いて高額出費となることがあるので注意したい。
補充作業は5分程度。ウィンドウウォッシャー液のチェックを行うついでに行うといい。
●クーラント液補充のポイント
クーラントは、クルマメーカーによって青系、緑系、赤系と分けられており、色による明確な性能差はない。色を付ける理由は、クルマにはクーラント以外にもオイルなどの液体が各所に使われており、漏れた場合にどの液体かを特定するため。よって、すでに入っているクーラント液の色に合わせたものを補充すること。
エンジンがまだ熱いうちはクーラントも熱くなっているため、必ずエンジンが冷めている時に液面のチェックを行い、補充量はリザーバータンクに記された「FULLもしくはLOW」と「MAXもしくはMIN」の間に液面がくるようにすればOK。
また、クーラントは補充にとどめておき、「すべて抜いてから新しいクーラント液に交換……」などは考えないほうがいい。配管内にエアが混入してしまうと、メンテ初級者ではエア抜き作業が困難だからだ。
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