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 2022年末、中国の広州モーターショーにて、新型クラウンセダン(皇冠)が公開され、中国市場で販売することが発表された。

 気になるのは、日本での発売時期。新型クラウンのラインナップ第一弾として、クラウンクロスオーバーが2022年9月に発売されたが、そのほかの3つのクラウンはいつ発売するのだろうか? 最新情報をお届けしたい。

※当企画内の情報は編集部による独自調査によるものです。

文/ベストカーWeb編集部
写真/一汽丰田、トヨタ、ベストカーWeb編集部

■次に出るクラウンは、2023年夏頃に出る予定のクラウンスポーツ

コの字型ヘッドライトや横一文字のデイライト、肉感的なリアフェンダーなどかなり攻めているクラウンスポーツ

 2022年7月に、一気に4種類のクラウンが発表され、9月1日には新型クラウンクロスオーバーが発売された。

 そして、2022年12月30日、中国の広州モーターショーにおいて、中国市場向けのクラウンクロスオーバー=クラウンスポーツクロスとともに、クラウンセダン(皇冠)が披露された。

 クラウンは日本専売車と思われがちだがそうではない。中国では、1964年に初めて輸入され、現在、クラウンクルーガー、クラウンヴェルファイアが販売されているが、セダンが復活するのは2005年~2020年に販売されて以来、およそ3年ぶりのクラウンセダン復活ということになる。

 今後、中国ではこの2車種が発売されることになるが、肝心の日本での発売がいつになるのか大いに気になるところ。

 これまでの情報では、「1年半の間に順次発売していく」というものだったが、今回、複数のトヨタ関係者および販社に調査したところ、すでに販社には、クラウンスポーツ、クラウンセダン、クラウンエステート3車種のおおよその発売時期が知らされている、という。

15代目クラウン。販社の営業マンの話によれば、新型クラウンクロスオーバーはまだ個人タクシー用途に認可されておらず、新型クラウンセダンの登場が期待されているという

 販社の営業マンによると、クラウンクロスオーバーを発売以来、歴代クラウンオーナーや個人タクシー、法人顧客などから、クラウンセダンの新型はあるのか、いつ発売するのかという問い合わせや心配の声が多く挙がっているという。たしかにクラウンクロスオーバーでは個人タクシーやハイヤー、法人使用では向かないということもあるのだろう。

 2022年7月15日に公開された公式写真の並び順は、左からクラウンクロスオーバー、クラウンスポーツ、クラウンセダン、クラウンエステートだったが、この順番に発売されるのだろうか? 

GRスポーツを想わせるリアフェンダーやリアディフューザー

 クラウンクロスオーバーに続く、クラウン第2弾は、2023年夏頃に発売予定のクラウンスポーツ。塊感のある強烈な個性を放つ、クロスオーバーSUVスタイルの「クラウンスポーツ」。リアフェンダーやディフューザーを含むリア回りの造形はGRスポーツを想わせるデザインで、いかにも速そうだ。

 公表されたボディサイズ(開発目標値)は全長4710×全幅1880×全高1550mm。スポーツとクロスオーバーとを比較すると、全長は220mm短く、全幅は40mm短く、全高は10mm高い。

 パワートレインは、BEV専用ボディではないかといわれているが、デビュー時期が2023年夏頃ということを考えると、時期尚早とも思える。

 おそらくクラウンRS用の2.4Lターボハイブリッドをベースにした、スポーツSUVになる可能性が高く、さらに高出力のPHEV版という可能性もある。

 2.4LターボハイブリッドのレクサスRX500hは275ps/46.9kgmのエンジンに、フロント87ps/29.8kgm、リア103ps/17.2kgmのモーターを備えているが、スポーツと名乗るからにはこれに匹敵する出力で登場するかもしれない。

■本命!? クラウンセダンは2023年秋頃の発売予定

広州モーターショーで公開された新型クラウンセダン。リアドア後ろの左側にはフューエルリッドが見える

 今回、広州モーターショーで公開されたクラウンセダン(皇冠)。2022年7月に公開されたものとほぼ同じだが、今回リアフェンダーのフューエルリッドが設置されていた。しかし、またもやインテリアも公開されず、パワートレインについても非公表だったのが残念。

 改めて広州モーターショーで公開された、一汽丰田weiboに掲載された写真を見ると、大きく口を開けたようなハンマーヘッドデザインのフロントバンパーとクロスブラックの縦グリル、横一文字のLEDデイライト、20インチのマルチスポークのアルミホールなど、クラウンクロスオーバーとの共通項は見られるものの、クラウンセダン独自の個性も感じられる。

 ボディサイズは全長5030×全幅1890×全高1470mm、ホイールベースは3000mmと、15代目クラウンの全長4910×全幅1800×全高1455mm、ホイールベース2920mmに比べるとひと回り大柄なボディということがわかる。

 全長5mを超え、全幅は1890mmとベンツSクラス(全長5179mm、ロングは5289mm×1954×1503mm、ホイールベースは3106mm) に比べると小さく見えるが、もはや日本のクラウンではなくなったように思える。

 パワートレインは、今回左側にフューエルリッドが設置されたことを考えると、ハイブリッドになる可能性は高い。現行クラウンクロスオーバーの2.5Lハイブリッドか、2.4Lターボハイブリッドの搭載が予想される。また、PHEVも遅れてラインナップされることになるだろう。

 そして、注目の駆動方式。セダン以外の写真を横に並べてみたが、セダンだけフロントホイールアーチとフロントドア前端までの間の距離が長いのがおわかりいただけるだろうか。

 つまり、セダンだけ、駆動方式が高級サルーンには必須といわれるFR(フロントエンジン/リアドライブ)になる可能性が高いのだ。もちろん確定情報ではなく、あくまでも推測になるが……。

新型クラウン「セダン」仕様だけ(ホイールベースがかなり長いだけでなく)、フロントフェンダーアーチからフロントドア前端までの寸法がかなり長い
上がFR駆動のMIRAI(水素自動車)、下がクラウンセダン。フロントフェンダーアーチからフロントドア前端までの寸法、Aピラーの寝かせ方、ルーフ形状、フロントおよびリアのオーバーハングなどプロポーションは実によく似ている

■クラウンエステートは2024年春頃の予定

市販型に近いクラウンエステート

 エステートの車名が冠されているが、写真を見る限り、居住性の高そうなSUVだ。肉感的なクラウンスポーツに比べると、大人しく感じてしまうが、フロントマスクはクラウンクロスオーバーやプリウスと共通するデザイン言語で実にスタイリッシュ。

 フロントバンパーのデザインやバンパー開口部、マフラーのないリア回りなど、まだまだコンセプトモデルだなと思わせるが、デザイン的にはほぼ市販型に近い。

 ボディサイズは全長4930×全幅1880×全高1620mmと、もはやCX-60(4740×全幅1890×全高1685mm)やレクサスRX(全長4890×全幅1920×全高1700mm)よりもひと回り大きい。このクラスはBEVのレクサスRZ、ハイブリッドのRXとなり、差別化をどのようにするのか興味深いところ。

 こちらも搭載されるパワートレインは、ほかの車種と同様にハイブリッド、PHEVが用意されるだろう。発売時期は2024年春の予定。

【画像ギャラリー】セダンだけがFR? 公開されたクラウン3車種の写真をチェック!(7枚)画像ギャラリー

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