今季2023年で創設3年目を迎えるワンメイク電動オフロード選手権『エクストリームE』に向け、新型モデル『タバスカンXE』を投入予定のアプト・クプラXEは、ダカールラリー“5冠”のナッサー・アル-アティヤに加えて、昨季の代打起用で初優勝に貢献するなど鮮烈な印象を残した、クララ・アンダーソンの継続起用をアナウンス。スウェーデン出身の22歳が、晴れてフルシーズンのレギュラーシートを獲得した。
2022年終盤戦にプラクティス中の負傷で搬送された2001年ダカール覇者ユタ・クラインシュミットに代わり、急遽レースデビューを果たしたアンダーソンは、初戦でアル-アティヤとともに表彰台に上がる活躍を演じると、続く最終戦ウルグアイでは勝利を挙げ、シリーズ最年少ウイナーの記録を打ち立てた。
そのパフォーマンスによりランキング6位でシーズンを終えたアプト・クプラXEは、引き続き“シーズン3”でも両ドライバーペアを継続起用し、より多くの表彰台を獲得することに集中している。
「2023年エクストリームEのフルシーズンに向け、こうしてアプト・クプラXEに引き続き参加できることを非常に楽しみにしている」と意気込みを語ったアンダーソン。
「ここは本当に素晴らしいチーム。ユタに代わってアプト・クプラXEのためにすでに2戦を経験したけれど、それらは非常にうまくいったと思う」
「フルタイムで参戦し、ふたたびナッサーと一緒にレースができることをとても楽しみにしている。彼は全方位で素晴らしいドライバーであり、同じく成熟した人物でもあるので、昨年のチリとウルグアイで得た勢いを継続できることも本当に光栄よ」
同じく昨季より電動化を果たしたWorldRX世界ラリークロス選手権では、北欧の同郷PWRレーシングを母体とするコンストラクション・イクイップメント・ディーラーチームのレギュラーとして、最高峰RX1e車両のステアリングを握ったアンダーソンだが、2023年のエクストリームEでは「タイトルを目指して戦う」との高い目標を掲げる。
「それはすべてのチームが望んでいることであり、できる限りのパフォーマンスを発揮できるよう最善を尽くすつもりよ」
■「我々はタイトルを争うためにここにいる」とクプラ・レーシング責任者
そのアンダーソンを「来季も確実にチームに留めるよう」進言してきた中東カタール出身のエースも「僕らは2023年シーズンに向けて準備ができており、クララが引き続きアプト・クプラXEで一緒にステアリングを握ってくれることを本当にうれしく思う」と歓迎の意を示した。
「とても興奮しているし、今季チャンピオンシップを争えることを本当に楽しみにしている。チームの新しい外観は、同社の『アーバンレーベル』のコンセプトカーと新しいフォーミュラEの取り組みを反映している。このクルマでチームにいくつかの勝利をもたらせるはずさ!」
そうアル-アティヤが語るとおり、今季のアプト・クプラXEは2024年にヨーロッパや海外市場に投入される、ブランド2番目の100%電動モデル『クプラ・タバスカン』のデザインを示唆するモデルとして、ワンメイク車両『オデッセイ21』の前後カウルをリデザイン。
ディープパープルとネオンイエローを組み合わせた多層的なボディカラーは、前出の『アーバンレーベル・コンセプト』やアプト・クプラGen3のフォーミュラE車両、そしてFIA ETCRことeツーリングカー・ワールドカップに参戦した『クプラeレーサー』との連続性を持つカラースキームとなる。
「2年目のシーズンは、チームとしてどのように最善の仕事をするかを理解するという点で、大きな進歩を遂げたと思う」と語るのは、クプラ・レーシングの責任者を務めるチェビー・セラ。
「一連の好結果でシーズンを終えたので、それをさらに発展させたいと思っている。目標は明確だ。我々はタイトルを争うためにここにいる。クララをチームに加えることで、レースで勝利するための経験が得られる。彼女とナッサーがふたたび競うのを見るのが待ち切れないね」