フォード、プジョー、ミツビシで活躍したフランソワ・デルクールは、シュコダ・ファビアRSラリー2でのマスターズカップ優勝に続き、ラリー1カーでのラリー参戦を熱望している。
WRC世界ラリー選手権で通算4度の優勝を記録し、1993年にはシーズン2位となったデルクール。60歳のフランス人は、先月19~22日にモナコとフランスで開催されたWRC第1戦モンテカルロに、新型ラリー2マシンのファビアRSラリー2でスポット参戦した。
自身24回目の出場となった同大会で、デルクールはWRC2クラス10位でフィニッシュするとともにマスターズカップを制している。
そんなデルクールは、モナコを拠点とする伝統のラリーでMスポーツ・フォードWRTのフォード・プーマ・ラリー1をドライブする計画があったことを明らかにした。彼によると、イギリスの名門ラリーチームが提供できる車両がなかったため、トップカテゴリーに復帰する希望は実現しなかったという。
しかし、デルクールは来年2024年こそは彼のバケットリストからその項目を削除できる年になると確信している。
「来年はラリー1でモンテカルロを走れるように強くプッシュしていく」と、デレクールは自信を持ってWRC.comに語った。
「今年はもう少しで実現しそうだったが、最後の最後でマルコム(・ウィルソン/Mスポーツオーナー)から『フランソワ、我々は(提供可能な)クルマを持っていない。本当に申し訳ない』と言われたんだ」
「僕自身にまだスピードがあるかどうか、これを確かめるのはとても面白いことだ。僕には支援者や友人がついていて予算もあったんだ」
■2023年中にWRC2クラスにふたたび参戦か
ラリー・モンテカルロの前週、プレイベントテストのために60kmの距離を自転車で往復した彼に体力面の心配は無用だ。
「なんでもないことだ。普段は1週間に400km、1年で1万5000kmは走っているんだ」と60歳のデルクール。
「モンテカルロの後は疲れもなく、今ならあと100キロは簡単に走れるよ」
還暦を迎えてなおトレーニングを続ける彼は、今年中にもう何度かラリー2カーをドライブする可能性を示唆した。
「クロアチアやポルトガルなど、あと4、5回は(WRC2の)イベントをやるかもしれない。でも、フィンランドは無理だよ。それは完全にクレイジーだ」と冗談を交えて語ったデルクール。
「可能性はあると思うが、問題は今の僕がしょっちゅうクルマを乗り換えていることだ」
「ポルシェに乗って、アルピーヌに乗って、次は……ときどきコーナーでハンドブレーキがどこにあるか分からなくなることがあるんだ。本当だよ」
WRC2のコンペティションについては、ペースが非常に速くラリー全体ではそこに並ぶのは難しいと彼は述べた。
「彼らはいつも同じクルマ、同じクラスで走っている。そのためWRC2のペースは信じられないほど速いんだ。彼らは本当に、本当に一生懸命にプッシュしている」
「もっと時間があれば、僕もいくつかのステージでは同じペースで走れるかもしれないけど、ラリー全体では無理だろうね」