最近の新車のリリースによく登場する「eAxle(イーアクスル)」。駆動用モーターとインバーター、減速機をひとつのユニットにまとめたものだが、EVにはどのみち必須装備のこの3つを1つにすることのメリットは一体なんだろうか!? 実は意外な適性も!?
※本稿は2022年11月のものです
文/ベストカー編集部、写真/TOYOTA、ベストカー編集部 ほか
初出/ベストカー2022年12月26日号
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■ひとつにまとめて軽量コンパクトに!
eAxle最大の長所、それはズバリ軽量コンパクトだという点がすぐに挙げられる。
eAxleではモーター/インバーター/ギアを一体化、かつ小さくできるので、結果として車内空間を広く確保することができる。
専用プラットフォームがあれば、その長所をより強くすることができ、ひとつプラットフォームを作れば転用ができる汎用性の高さもeAxleの強みのひとつだ。
モーターならではのゼロ回転から最大トルクを生み出すパワフルかつダイレクトな走りを実現できるのはもちろん、AWD仕様ならば前後で独立して出力を制御できるため、高い動力性能も獲得できる。
もちろん、高効率であることも忘れてはならない。
■利便性や走行性能だけじゃない、意外なメリット
実は軽量コンパクトにできたことで、クルマのデザインにもいい影響をもたらしている。
先ほども述べたように、eAxleはユニットそのものを小さくできるため、搭載スペースを大きく取る必要がない。
つまり、前後オーバーハングをより短く切り詰めたデザインにすることができるため、カッコいいフォルムの実現にも一役買っている。
実際にスバル ソルテラを横から見てもらうとわかるとおり、前後オーバーハングが短くデザインされていることがわかる。
■eAxle、実はスーパーカー向けだったりする!?
今のところ、EVをはじめセダンやSUV、一部コンパクトにしか搭載されていない「eAxle」。だが実は、むしろスーパーカーにうってつけの技術だったりする。
2022年5月に開催された「人とクルマのテクノロジー展」で、株式会社ユニバンスよりeAxle「αLiveEE」が展示されていた。
ヤマハのバッジがついたそれは、モーター1基あたり571psを発生。これを2基つけているのだから、最高出力は1000psを超えるという。
「こんな大きいの、何に載せるんだろう?」と思い説明員の方に話を伺うと、「大出力が必要になるスーパーカーや大型トラックを想定している」と答えてくれた。
本体サイズはそのぶんだけ大きくなってしまうが、従来のエンジン車と比べると充分小型にでき、かつハイパワーを獲得することができるのだ。
【番外コラム】「eAxle」って商標では? 一般名称にすると何になる? それと作っているメーカーってどこ?
「eAxleという名称って商標なのでは?」という疑問。これは企画担当もずっと気になっていたので調べてみたら、特に商標登録はされていないようだった。
また、開発・製造しているブルーネクサス、日本電産、ジヤトコなどのリリースを調べてみるも、表記が「e-Axle」「E-AXLE」「E-Axle」「eAxle」と、特に決まったものはないようだ(本企画では「eAxle」で統一した)。
なお、eAxleは一般名称で言うとトラクションモーターシステムというのが正しい。日本語にすると駆動用電動機機構。ほぼそのままの意味である。
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