創設3年目を迎えるワンメイク電動オフロード選手権『エクストリームE』だが、来季2023年のドライバー体制に関して、すでにエマ・ギルモアとタナー・ファウストの残留を発表しているネオム・マクラーレン・エクストリームEが新たなマネジメント体制をアナウンス。ABB FIAフォーミュラE世界選手権でもネオム・マクラーレンのプログラムを牽引する元DTMドイツ・ツーリングカー選手権王者のゲイリー・パフェットが、電動フォーミュラでのチームマネージャーの役割と並行して、エクストリームEでもスポーティングディレクターの役職に就くことが決定した。
キャリアの大半にわたってメルセデスのファクトリー契約ドライバーとして活躍し、DTMで2度のシリーズチャンピオンに輝いたパフェットは、マクラーレンとも長い歴史を持ち、2006年から2014年までF1チームのリザーブ兼開発ドライバーを務めていた。
そのパフェットは、2018年のDTMシーズンで2005年以来となる2度目の戴冠を果たすと、電動シングルシーターに進出してHWAレースラボの一員としてシリーズを戦ってきた。そのエントリー枠をメルセデスから引き継いだ昨季2022年には、そのまま古巣へと“復帰”してマネジメントチームに加入。拡大を続けるネオム・マクラーレンの電動プログラムを指揮する任務をこなしてきた。
「この数年間でゲイリーが優れたドライバーから、スポーツ、技術、マーケティング機能の相互リンクを具現化する、トラック内外での貴重な人材に成長する過程を見るのは素晴らしいことだった」と語るのは、チームの電動化戦略を担うマクラーレン・エレクトリック・レーシングのマネージングディレクターであり、シリーズではチーム代表も兼務するイアン・ジェームス。
「この経験と、彼自身と彼の周りのチームの両方を成長させ続ける本人の献身により、ゲイリーは我々のエクストリームEオペレーションにおいて素晴らしい追加要素になると確信している」
■「シーズンが始まるのを楽しみにしている」と意気込むパフェット
そのジェームスは、パフェットの存在と仕事ぶりにより「フォーミュラとオフロードのオペレーション間で相乗効果を引き出してさらに活用し、ネオム・マクラーレン・エレクトリック・レーシングの名の下に結集したい」と考えている。
「エクストリームEのシーズン3では、チームが最初の年度を通じて実現してきた素晴らしい仕事を活用し、強固な基盤を構築したいと思っている」
その言葉どおり、昨季2022年の“シーズン2”から新規参入を果たしたネオム・マクラーレン・エクストリームEは、ウルグアイでのシーズン最終戦で2位表彰台という最高のリザルトを獲得。その前戦となったチリでは、トップチェッカーで初優勝の歓喜に沸きながら、トラックマーカーへの接触ペナルティで悲運を味わっていただけに、来たる“シーズン3”に向けリベンジの意を新たにするフィナーレとなった。
「この独創的シリーズでもスポーティングディレクターを務められることは素晴らしい決定であり、エマ(・ギルモア)やタナー(・ファウスト)を含むチーム内の緊密な人々のグループと一緒に仕事ができることに本当に興奮している。彼らは昨シーズン、本当に大きな進歩と力強いパフォーマンスをみせたからね」と、まずは挨拶がわりの意気込みを語った41歳のパフェット。
「マクラーレン・レーシングは2022年からエクストリームEに参加し、チームはこれまでのところ成功を収めている。シーズン終盤に向けていくつかの素晴らしい結果を出し、ウルグアイの最終戦では表彰台を獲得した」
「チームの目標は、その進歩を続けてフィールドの前方に移動することだ。本当に素晴らしいチームとドライバーが参加する非常に競争の激しいチャンピオンシップだから、とてもタフな競争になるだろう。それでも、3月のサウジアラビアは“ネオム”でシーズンが始まるのを楽しみにしている」