北米でホンダのモータースポーツ活動を担うHPD(ホンダ・パフォーマンス・デベロップメント)の社長が、新型LMDh車両『アキュラARX-06』でWEC世界耐久選手権に参戦する可能性について「アキュラとHPDの立場に変わりはない」と改めて認めた。WEC参入可否はグローバルな、つまり日本の『ホンダ』の判断になるという。
これは、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に参戦するウェイン・テイラー・レーシング(WTR)・ウィズ・アンドレッティ・オートスポートの新共同オーナーであるマイケル・アンドレッティが、「今後数年のうちに」WECハイパーカークラスに参入したいという野望を表明したことを受けての、HPD側の反応だ。
WTRアンドレッティとメイヤー・シャンク・レーシングは、今週末の開幕戦デイトナ24時間レースで、それぞれ1台のARX-06をIMSAのGTPクラスへとデビューさせる。
Sportscar365の取材に応じたHPD社長のデビッド・ ソルターズは、欧州の複数のGT3選手権に参戦しているNSX GT3 Evo22のように、アメリカ外ではARX-06にもホンダのバッジが必要であると示唆した。
「アキュラ(・ブランドでの活動範囲)は北米だ。我々はここで、良い仕事をする必要がある」とソルターズ。
「現在のところ、それ(IMSA)はとても良い状況だ。それはアキュラがすべきことである」
「このクルマで別のシリーズ、WECでレースをするどうかは、ホンダの判断だ。この点は従来と変わらない」
「みんながそれをやりたがっているのか? それともデイブ(私)なのか? あるいはマイケル(・アンドレッティ)がやりたいのか? 我々は皆、それをやりたいと思っているはずだ」
「だが、それはホンダ次第であり、価値のあることでなければならない。マーケティング戦略やその他もろもろにも、合致している必要がある。結局のところは、それがレースをやる意味だ。そして、基本的な要件はまだ他にもある」
ソルターズは、シャシーパートナーのオレカと共同開発したARX-06が来年もIMSAに残れるかどうかについては明言せず、その決定はHPDの範疇外にあると強調した。
「とても明確に言おう。それはホンダ次第だ」とソルターズ。
「我々はホンダのグローバルなモータースポーツ戦略をとても尊重している。だから、どうなるか見てみよう」
「ホンダのモータースポーツ・グループの人々とは、とてもいい関係を築けている」
「彼らは一流であり、F1世界選手権を制している。彼らは我々の誰よりもモータースポーツを熟知しており、何が理にかなったものかを彼らが見極める必要があるのだ。我々がどこに向かうのかは、それ次第だ」
「最初の仕事は、我々がここでいい仕事をすることだ。ここでいい仕事をして、クルマが信頼に足るものであることを示さなければならない。その次に何が起こるか、だ」
「理にかなっている必要があるんだ。 それがホンダにとって意味があるかどうか、見てみよう」