元F1ドライバーのロマン・グロージャンは、アルピーヌF1の新ドライバーコンビが良好な関係を築くことを願いつつ、「エゴの戦い」になることを危惧している。
10チーム中6チームが新たなドライバーラインナップで迎える2023年シーズンにおいて、最もその動向が注目されているのがアルピーヌのふたりだ。アルファタウリからピエール・ガスリーを迎え、エステバン・オコンとの強力なオールフランス体制を築いた同チームだが、このコンビには不安要素がある。ふたりはカート時代からの幼馴染でありながら、一時は関係が冷え込んでいたことが知られている。
両者は揃って不仲を過去のものだと否定している。しかし、オコンにはフォース・インディア時代にもチームメイトのセルジオ・ペレスとの関係がヒートアップした経験もあり、確執が再燃することを危惧する声は大きい。
元F1ドライバーのグロージャンは、自身のYouTubeチャンネルに公開した動画でこの問題に触れた。「(ふたりの関係が)悪くなる可能性はある。嘘をつくつもりはない」と切り出したグロージャンは、「僕もフランス人ドライバーのひとりだから」と、ふたりが協調することを願った。
「うまくいく可能性もあるんだ」
「若いころは親友ではなかったふたりだが、今は成熟したということもありえる。ふたりともレースウイナーで1勝を挙げている」
「もしふたりが協力をして良い仕事をすれば、アルピーヌにとって素晴らしいサクセスストーリーになる。それが僕の願いだ」
アルピーヌのオットマー・サフナウアー代表は以前、2023年のチームにおいてはふたりのドライバーを同列に扱うことを明言している。グロージャンが危惧するのはこうした状況でドライバーたちが主導権争いを繰り広げることだ。アルピーヌの前身であるロータスで4シーズンを過ごしたグロージャンはチームに対し、つねにドライバーの関係に注視するように警告した。
「アルピーヌはふたりの関係から目を離さないようにしなければならない」
「フランスのチームのために、グリッド上で最高のフランス人ドライバーになろうとしてエゴの戦いが始まってしまえば、物事は悪い方向に向かう可能性がある」