伝統の『ラリー・モンテカルロ』は1年の始まりとしてWRCファンにはお馴染みのイベントだ。1月19日から22日にかけて同イベントが実施される2023年も、この場所から世界ラリー選手権の新しいシーズンの幕が開け、11月に予定されている最終戦『ラリージャパン』まで続いていく。
そんな開幕戦モンテカルロを前に“ラリー1規定”2年目のシーズンを戦うTOYOTA GAZOO Racing WRT、ヒョンデ・シェル・モビスWRT、Mスポーツ・フォードWRTの3陣営からドライバーたちのコメントが届いている。
■Mスポーツ・フォードWRT
●オット・タナク(#8 フォード・プーマ・ラリー1)
「ラリー・モンテカルロはいつも何かを予想するのが難しいラリーで、シーズンのなかでももっともトリッキーなラリーであることは確かだ。今回もすぐにリズムを掴むのは、簡単にはいかないだろう。山間部でのトリッキーな週末になることをまさに予想しているよ」
「最初のテストを最大限活用しようとしていた。さまざまなコンディションでマシンを経験できたのはラッキーだった。白紙の状態でセットアップを決めるところからシーズンを始めるのは決して簡単なことではないが、Mスポーツのスタッフたちは熱心に仕事をしている。これからの挑戦に充分な準備ができると期待している。僕たちがともに初めて行うレースをとても楽しみにしている」
●ピエール-ルイ・ルーベ(#7 フォード・プーマ・ラリー1)
「プレイベントテストには本当に満足している。いつも以上に多くのことを試したし、マシンの感触も素晴らしかった。このクルマはあのような道路に向けて作られているから、ドライビングはとても楽しめたよ。今週のラリーでも、テストと同じようなコンディションになることを願っている。僕たちととても相性がいいだろうからね」
「冷静でいようとしている。僕にとってMスポーツでの初めてのフルシーズンという、素晴らしい機会なんだ。でもそれは大きな責任でもあるし、僕はそのことをとても重く受け止めている。だから冷静に判断し、シーズンを通してどうしていくかを考えていく。結果を出すために必要なツールはすべてそろっているよ」
■ヒョンデ・シェル・モビスWRT
●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)
「いつも1年をラリー・モンテカルロで始めるのが好きだ。ここ数年、僕たちが競争力を発揮しているイベントでもある。今のところこの地域は温暖な気候のようだが、それでもトリッキーなコンディションに直面するだろうと予想している。モンテカルロにはいつもちょっとした驚きがあるが、それを楽しみにしているよ」
「新しいシーズンを始めるのはいいものだ。全員がまた同じ条件になる。白紙の状態を最大限に活用できるかどうかは僕たち次第だ。ヒュンダイi20 Nラリー1ハイブリッドのパッケージは、2022年の開幕ラウンドからはるかに改善されたので、今年に臨むにあたって自信を持っている」
「マシンにはいくつかの進化があるので、さらにパフォーマンスが向上するだろう。ライバルたちが冬の間に何をしたかはわからないが、大きな変化はないと思う。全員が多少改善しているだろうが、同じレベルにあることを期待しているよ」
●エサペッカ・ラッピ(#4 ヒョンデi20 Nラリー1)
「ラリー・モンテカルロは昨年から場所が変わりモナコに近くなった。以前より雪と氷が少なくなったんだ。今年もそうなるかどうかはわからないけれど、そうなれば状況は僕たちにとってよりシンプルになるのは間違いない。僕たちは完全に新しいマシンについて学ばなければならないしね」
「木曜日の夜はいつもかなり緊張する。あたりは暗闇で、凍結している可能性のあるコンディションのなか、丘を上がっていくのはいい気分ではないと言わざるを得ない。興奮もあるが、少しの恐怖もある。それでもとても特別なものだ。それに翌朝はもっと安心できる。少なくとも頭のなかではね」
「新しいチームでこの冒険を始めることに興奮している。ターマックでのテストは1日しかできないようだけど、オープンマインドで取り組むよ。スタート前から諦めるようなことはしない。いいペースを出せると確信している。最初のステージからすぐにではないかもしれないけれど、週末の間に大きく改善できるのは間違いないだろうし、良い順位でフィニッシュしたいと思う」
●ダニ・ソルド(#6 ヒョンデi20 Nラリー1)
「ラリー・モンテカルロは難しいイベントだが、今ではモナコとフランス南部周辺で展開されるので、天候の面では多少マシになるかもしれない。コンディションのせいでつねにチャレンジなんだ」
「通常は寒くて、とくに朝一番(のステージ)は凍結の可能性がある。結果として、ひとつのステージのなかでターマックのグリップがさまざまなレベルに変わるので、とても難しくなるんだ。とはいえ、天気がどのようになって、ステージで何に直面することになるか把握するには、ラリーが近づくのを待たなければならない」
「シーズンを良い結果で始めるのは重要なことだ。最初のイベントに来るたびに、充電済みのフルパワーで挑むんだ。全体的にはモンテカルロとそこでのステージは気に入っている。パフォーマンスを発揮して、ポジティブな結果で1年を始められることを願っている」
■TOYOTA GAZOO Racing WRT
●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)
「新しいシーズンの開幕を前にして、(クルマは)とても良いフィーリングだ。チャンピオンシップを守るのは決して簡単なことではないと分かっているし、競争のレベルがつねに上がっていくさまを見てきた。だからこそ、自分たちの力を高めハードにプッシュし続けなければならない。チームは引き続きクルマの性能を最大限に引き出し、より速く、強くするために素晴らしい仕事をしてくれている」
「ラリー・モンテカルロは特別なイベントなので、シーズンの開幕は例年少しトリッキーでナーバスになる。それでも、クルマが完全に新しくなった昨年に比べれば、自信を持ってラリーに臨むことができるし、すべてが正しい方向に向かっているので、昨年よりも落ち着いてスタートを切ることができるはずだ」
「ラリー・モンテカルロでクリーンな走りをするのは決して簡単なことではないけれど、シーズンを確実にスタートするためにも、そのような走りをしようと考えている」
●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)
「WRCのオフシーズンはいつも短いが、それでも少し休むことができたので、新しいシーズンに向けて準備は万端だ。個人的に、昨年は期待外れだったが、それでも何とか前に進むことができたので、今シーズンはもっといい結果を出したいと思っている」
「チームはつねにクルマを進化させようと開発に取り組んでいるし、ラリー1ハイブリッドの時代が始まってから12カ月が経過して、物事をより良く理解できるようになった。これまでと同じように競争の激しいシーズンになるとは思うが、自分たちが有利な環境にあることは間違いないし、タイトル争いに加わることが自分の目標だ」
「モンテカルロは誰もが勝利を望むクラシックなイベントだけど非常に難しいラリーだし、とくにコンディションの変化は大きな課題だ。それでも僕にとっては楽しみなチャレンジなので、良い結果でシーズンをスタートできればと思っている」
●セバスチャン・オジエ(#17 トヨタGRヤリス・ラリー1)
「フル参戦を終了したとはいえ、シーズンの開幕に向けてとても興奮しているよ。WRC最高峰のラリーカーのステアリングを握るのは、いつだって楽しいものだ。昨年はいくつかのラリーに出場し、本当に楽しむことができた。自分にまだ競争力があることが分かって安心したので、同じようなレベルを維持し、さらに多くの勝利を得るために戦うことが今年の目標だね」
「昨年、チームは大きな成功を収めましたが、それに甘んじることなく、引き続き全力で働いている。ラリー・モンテカルロは僕がもっとも勝ちたいと思っているイベントなので、今回もベストを尽くすよ」
「非常に複雑なラリーで、場所によってコンディションも装着するタイヤも異なるにもかかわらず、規則で制限が厳しくなり事前に一日しかテストをできないため、ラリーの準備は以前よりも難しくなっている。しかし、それは誰にとっても同じことだから、僕は過去の経験を最大限に生かせるように頑張るつもりだ」