2022年も残すところあと少し。しかし、WRC世界ラリー選手権は来月2023年1月から、早くも新たなシーズンの開幕を迎えます。そこで短いオフの間に、2022年シーズンの戦いを各イベントのダイジェスト動画で振り返っていきたいと思います。順番は年間13戦のアクセスランキング下位から上位に向かうカウントダウン式。いよいよベスト3の登場です。
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■3位:第2戦ラリー・スウェーデン
PV数で計るラウンドごとの注目度で第3位に入ったのは、近年の雪不足を解消すべく北部最大の都市であるウメオに拠点を移して行われたラリー・スウェーデンでした。
トナカイの予期せぬ移動により事前に複数のステージがキャンセルとなる事件はあったものの、目論見どおりシーズン唯一のフルスノーラリーとして開催に至った同ラウンド。ここでは競技2日目以降、トヨタのカッレ・ロバンペラ選手とエルフィン・エバンス選手(ともにトヨタGRヤリス・ラリー1)による首位争いが熱を帯びました。
このチームメイトバトルではエバンス選手がペナルティを受けて後退し、その後のアクシデントに伴うハイブリッドシステムのトラブルによってリタイアとなったことで、ロバンペラ選手に軍配が上がることに。このシーズン1勝目が後に続く快進撃と、史上最年少チャンピオン獲得への第一歩となりました。
■WRC2022 Rd.2 Rally Sweden
■2位:開幕戦ラリー・モンテカルロ
TOYOTA GAZOO Racing WRTは2022年シーズンに年間7勝を挙げ、前年に続きドライバー、コドライバー、マニュファクチャラーの3タイトルを獲得しました。しかし、ラリー1規定のオープニングラウンドで勝利を収めたのはチャンピオンチームのマシンではなく、名門Mスポーツからスポット参戦した“元9連覇王者”セバスチャン・ローブ選手がドライブしたフォード・プーマ・ラリー1でした。
トヨタ、ヒョンデ、Mスポーツ・フォードが開発したハイブリッドWRCマシンが一堂に会する初めてのラリーとあって、開幕前から大いに注目されていたラリー・モンテカルロ。この伝統のラリーが行われた週末は“ふたりのセブ”こと、ローブ選手と8冠王者セバスチャン・オジエ選手(トヨタGRヤリス・ラリー1)が主役となり、現役ドライバーたちを尻目に“セミリタイア組”が連日首位争いを繰り広げます。
その結末はドラマチックなものとなり、最終日にトップに立っていたオジエ選手が残り2ステージでパンクを喫し2番手に後退した一方、47歳の大ベテランがこの機を逃さず逆転優勝を飾り、WRC通算80勝目を史上最年長優勝記録を塗り替えながら達成しています。また、ローブ選手のコドライバーを務めたイザベル・ガルミッシュ選手は同イベントでWRC初参戦初優勝を果たしました。