いよいよフルモデルチェンジのタイミングが近づいてきた、トヨタ「アルファード」。ベストカーの最新情報では、2023年5月の登場とされている。
ラージサイズミニバンとして、ライバル不在の強さを誇るアルファードの次期型モデルは、心待ちにしている人も多いはず。はたして次期型アルファードは、どのような姿で登場するのか!?? 最近のトヨタ新型車の傾向から、期待したい性能とデザインを考えてみよう。
文:吉川賢一
写真:TOYOTA、LEXUS、ベストカー編集部
パワートレインは、新型2.5Lハイブリッドと新型2.4Lガソリンターボの2種
次期型アルファードの登場は、当初2023年春ごろとされていたが、ベストカーが掴んだ最新の情報によると、生産体制を整えるという理由で延期となり、登場は早くても来年5~6月になるとのこと。すでに車両開発は終え、いまは、初期受注からスタートダッシュをかけるための準備をしている段階だろう。ランクルやハリアーのように2年も3年も待たされることがないよう、期待したいところだ。
さて、まずは次期型アルファードのパワートレインから考えてみよう。現行アルファードには、2.5L直4ガソリン、2.5L直4ハイブリッド、そして3.5L V6ガソリンの3基が用意されている。トヨタ販売店によると、もっとも人気があるモデルは、2.5Lガソリン車のS_Cパッケージ(税込468万円~)、次いで2.5Lハイブリッド(E-Four)だという。
これが、次期型アルファードでは、2.5L直4ハイブリッド(A25A-FXS)と、2.4L直4ガソリンターボ(T24A-FTS)の2種類になる、というのが最新情報だ。前者はカムリをはじめとして、RAV4、ハリアー、クラウンクロスオーバーにも搭載されているベーシックなハイブリッドユニット、後者は、現行アルファードの3.5L V6ガソリン車の代替となるハイパワー型ユニットであり、RX350やNX350にも搭載されている、最高出力280psのユニットと同じものになる見込み。新型クラウンRSに搭載された2.4Lターボハイブリッドの可能性もなくはないが、ラージミニバンというキャラクターには不釣り合いなスポーツ向けのキャラクターのエンジンなので、マッチさせることはないだろう。
ただ、この2種類となると、現行アルファードの2.5L直4ガソリンエンジンに相当する廉価ユニットが、存在しないことになる。2030年以降の本格的なBEV時代の前に、ハイブリッドの普及を更に進めたいトヨタとしては、全車ハイブリッドにしたいという思惑もあるだろうが、当然、そのぶん車両価格は跳ね上がる。
廉価なガソリングレードを設定しないのであれば、2.5LハイブリッドにもFFモデルを設定し、エントリー価格を抑えた仕様を用意するなどの施策が必要だと考えられ(現行の2.5Lハイブリッドは全車E-Four)、筆者は、2.5L直4ハイブリッド車にはFFとE-Fourを設定、2.4Lガソリンターボは4WDで、最上級グレードとして、プラグインハイブリッドを用意するのではないか、と予想している。
次期アルファードはランクル風の顔になると予想!!
次期型アルファードで、もっとも気になるのは、やはりデザインだろう。筆者は次期型アルファードのフロントフェイスは、同社のランクル風のボクシーかつ、厳つさと力強さをもつデザインになると予想している。
ミニバンは「顔がすべて」だ。そのいい例が、現行のアルファード/ヴェルファイア。現行アルファードはマイナーチェンジで行ったフェイスチェンジで、ヴェルファイアと人気が逆転。マイチェン前まで、ヴェルファイアのほうが多かった販売台数も、いまやヴェルファイアがアルファードの10分の1程度にまで落ち込んでしまっている。
ただ、人気の傾向を先読みするのが難しいのも「顔」。たとえば、2022年1月に登場した、同社のミドルクラスミニバン「ノア」/「ヴォクシー」では、ご存じのとおり、正統派の「ノア」と、アグレッシブ顔の「ヴォクシー」で大きくキャラクターを分けた。ノア/ヴォクシーの開発担当者は、ノアを売れ筋として開発し、ヴォクシーはこれまでミニバンに興味を持っていなかった層にアピールできれば良い(だからあえてチャレンジングにした)としていたが、トヨタ販売店によると、現時点ではヴォクシーのほうが人気あるという。
このノア/ヴォクシーと同じように、次期型アルファードでも、ヴェルファイアを残して顔をつくり分け、「お好きなほうを」となると思われるが、こうなるとフルモデルチェンジで、再度人気が逆転する可能性もあり、非常に興味深いところ。また、ボディサイズは、現行アルファードと変わらない全長×全幅×全高のプロポーションで登場するだろう。
インテリアもランクル風と予想、あえてスイッチ多めにするのもアリでは??
ここ最近のトヨタの新型車は、インテリアデザインがイマイチなモデルが多い。デザインにひと際こだわったという新型クラウンクロスオーバーも、デジタル液晶メーターのサイズ、運転席からの見晴らしの良さ、内装の使い勝手といった機能面は文句ないものの、素材の手触りがしょぼいと指摘されている。
現行アルファードのインテリアの質感は、プラスチック面積は多いものの、ウッド調の加飾やメッキ、本革シートなどで、ラグジュアリー路線を進んでいる。次期型への期待としては、使い勝手はよいが、さっぱりとしすぎている印象の新型クラウンの方向よりも、厳かさと力強さが感じられるランクルを目指してほしい、と思う。ボタンやスイッチも多めで、あえてデジタルに走らない、といった判断もいいのではないだろうか。
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ライバル不在のアルファードは、次期型も出せば必ず売れるだろう。いよいよ登場する王者の次期型、はたして、名車となった現行アルファードを上回ることができるか!?? 注目だ。
【画像ギャラリー】最新のトヨタ車の傾向は!?? 2022年に登場した、トヨタ新型車のデザイン(25枚)画像ギャラリー投稿 「ミニバンは顔がすべて」!?? 2023年5月登場の新型アルファードに期待される性能とデザイン は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。