TCRイタリア・シリーズのカレンダーにも組み込まれる、ヴァレルンガ・サーキットを運営するACIヴァレルンガとACIスポーツは、2023年のイベント計画が承認されたのを確認するとともに、今季2023年より創設されるTCR規定の新たなグローバル選手権『TCRワールドツアー』のヨーロッパ域内4番目のイベントとして、ツアースケジュールに組み込まれたことを発表。6月9〜11日の週末に、TCRイタリアから最大18人のレギュラーも参加することがアナウンスされた。
撤退騒動に揺れたリンク&コー・シアン・レーシング、新設のTCRワールドツアーに4台体制での参戦を表明
2022年WTCR世界ツーリングカー・カップ第7戦を前に、ディフェンディングチャンピオンとしてシーズンを戦いながら「コントロールタイヤに関する安全性の懸念が継続している」として「WTCRプログラムの即時中止」と電撃的な撤退をアナウンスしていたリンク&コー・シアン・レーシングが、WTCR後継として今季2023年より創設されるTCRワールドツアーへの参戦を正式に表明。スウェーデンを拠点とする強豪チームは、ここまでBoP(バランス・オブ・パフォーマンス/性能調整)に苦しんできたリンク&コー03 TCRの4台体制で挑むことを明らかにした。
2022年5月に開催されたドイツ・ニュルブルクリンクでの第2戦に端を発した同問題は、ノルドシュライフェで走行を開始したホンダやリンク&コー陣営を中心に、タイヤの予期せぬパンクや層間剥離のような症状が頻発し、予選までを実施した段階でレース開催自体がキャンセルされる緊急事態となった。
仮称HTCRとして導入予定の共通ハイブリッド機構は2024年に延期。規格の“持続可能性”が課題に
TCR規定ツーリングカーを統括するWSCグループは、2023年から予定していた共通ハイブリッド機構の導入を2024年まで延期すると発表し、理由として「世界的なツーリングカー競技のフォーマット変更」を挙げている。
イタリアを拠点にWTCR世界ツーリングカー・カップにも参戦したロメオ・フェラーリの支援協力も得て、広範なテストプログラムを通じた技術開発が続けられてきた仮称“HTCR”と呼ばれる同システムは、2022年末の段階でほぼ完成の状態まで仕上げられており、メーカーやプロモーターからも強い関心を呼び起こす起爆剤になることが期待されていた。
2023年もTCRJにBRPが2台体制で参戦。HIROBONは世界戦への挑戦もスタートへ
1月4日、バースレーシングプロジェクト(BRP)は、TCRジャパンシリーズに2023年もクプラTCR、アウディRS3 LMSの2台体制で参戦すると発表した。ドライバーはクプラが2023年チャンピオンのHIROBON、アウディが急成長するジェントルマンドライバーの鈴木建自となる。
『TCRワールド・ランキング』が日本から世界への扉に。TCRJ参戦のBRP奥村浩一代表に聞くその魅力
11月28日、ツーリングカー規定のTCRを管理するWSCグループは、WTCR世界ツーリングカーカップに代わる新たなシリーズとして、『TCRワールドツアー』を発表し、同時に新たなコンセプトとして、世界中のTCRシリーズに参加するドライバーの結果をポイント化する『TCRワールド・ランキング』を立ち上げた。このシステムは、最終的に世界への扉を開くチャンスにも繋がっており、日本で開催されているTCRジャパンシリーズに参戦するチームにとってもチャンスと言えるシステムだ。その新たな仕組みの魅力を、TCRジャパンシリーズでクプラTCR、アウディRS3 LMS TCRを走らせるバースレーシングプロジェクト(BRP)の奥村浩一代表に聞いた。