フェラーリ、ポルシェ、BMWなどが新規参戦。2023年、耐久レースは黄金時代に突入【WEC/IMSA最新状況まとめ】

 2023年は世界三大レースのひとつであるル・マン24時間レースの100周年大会が開催されるメモリアルイヤーだ。同時に耐久の雄ポルシェ、かつてル・マンを席巻したフェラーリ、北米選手権からグローバルシリーズに進出するキャデラックなどの自動車メーカーが、ル・マン/WEC世界耐久選手権のハイパーカークラスに新型マシンを投入することから、プロトタイプレースにおける“黄金時代”の再来を予感させる年でもある。

 また、アメリカを中心に開催されているIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権では、WEC/ル・マンにも出場可能なLMDhという新しい車両規則が導入される。2022年のIMSA最高峰クラスには、アキュラとキャデラックが参加していたが、新シーズンはここにポルシェとBMWが加わり一層激しい戦いが繰り広げられることになる。本稿はそんな2023年のプロトタイプカー事情をまとめたもの。今月28~29日に開催されるIMSA第1戦デイトナ24時間レースや、3月にセブリングで行われるWEC開幕戦を迎えるにあたって事前情報の整理に役立ててほしい。

ポルシェ963のドライバーラインアップ発表。ロッテラー、マコウィッキのWEC参戦が決定

 ポルシェは12月17日、2023年のWEC世界耐久選手権とIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に投入する新型LMDhマシン『ポルシェ963』の、ファクトリープログラムにおけるドライバーラインアップを発表した。

 すでに10名のワークスドライバーが明らかにされていたが、今回ポルシェのシーズンエンド表彰式である『ナイト・オブ・チャンピオンズ』のタイミングでは、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツからWECに参戦する2台の6名、そしてIMSAに挑む2台4名のレギュラードライバーの組み合わせが明らかにされた形だ。

ポルシェ963、カスタマー車両のデビューは早くてWEC第3戦か「計画は常に変化している」

 ポルシェのLMDhディレクターであるウルス・クラトレによると、ポルシェはカスタマー向けのLMDh車両『ポルシェ963』のデリバリーを、2023年4月末まで行わないことを決定した。

 ポルシェ・モータースポーツのボスであるトーマス・ローデンバッハは先月、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権開幕戦のデイトナ24時間レース(2023年1月)のグリッドにプライベーターのポルシェ963が並ぶのは「非常に厳しい」と述べていたが、それを受けての展開である。