2022年スーパーGT GT300でチャンピオンを獲得したKONDOレーシング。近藤真彦監督としてはGT300は2度目の王座となる。いったいこの原動力はどこにあるのか、チャンピオン記念パーティでベストカーが取材しました!!
文:ベストカーWeb編集部/写真:塩川雅人(近藤監督・レース)、リアライズコーポレーション(パーティ写真)
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■ミスをしない強さ、諦めない強さ
2022年12月KONDOレーシングのGT300祝賀パーティが、スポンサーのリアライズコーポレーションの主催で行われた。招待を受けた編集部は華やかなパーティのなかで近藤真彦監督を取材してきた。
22年シーズン、KONDOレーシングがGT300に参戦させている56号車「リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R」はシリーズチャンピオンを獲得した。しかしその戦いは圧勝ではなかった。
開幕戦は優勝したものの、そのほかに表彰台に上がったのは第3戦の3位のみ。特に最終戦は19位と大きく沈み込んでしまった。56号車自身のトラブルなども相まって、ピンチに陥ったが最後まであきらめない姿勢が王座につながった。近藤監督に話を聞いた。
「もうさ、うちのチームにJP(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手)と藤波(藤波清斗選手)がいるのは卑怯だよね(笑)。JPだって勝てないチームでは戦いたくないだろうから、うちのチームを選んでくれるのも嬉しいよ」。
JP選手の実力はGT500時代から買っていたという近藤監督だが、藤波選手というチームメイトを得て変わったという。
「昔のJPはさ、皆さん知ってのとおりちょっと危なっかしいところがあったじゃない(笑)!? 速いけど脆い時があって、すぐにマシンやタイヤのせいにすることがあった。いまは藤波という若手を得て変わったよね。JPが常に100%で走るから藤波だってそうとういい影響受けてるよ」。
■学生や整備士が参加するチームの特殊性
実は56号車には日産ディーラーの整備士や、日産自動車大学校の学生もピットに参加している。ディーラーの整備士はプロだが、学生についてはまだ勉強中の身。彼らがサーキットにいることにレース業界では反発もあったと近藤監督は話す。
「最初の頃なんかみんな拒否反応がすごかった(笑)。KONDOレーシングが若い子呼んでチャラチャラしてるなって声は最初多かったよ。それでも10年近くスーパー耐久からやってきたからね。GT300でチャンピオンを2回も獲れば、学生やディーラー整備士の活動だって認めない人はもういないよ」。
スーパー耐久からGT300のステップアップで学生やディーラー整備士の作業量が減るという声もあがったというが、監督自身はどう考えているのだろうか?
「もちろん実質的な作業量は減るかもしれないけど、レースの大前提って勝ちにいくこと。レースに出るだけ、ネジをしめるだけ、それだけならわざわざサーキットにいる意味がないよ。スーパーGTという国内最高峰レースだからこそ味わえることあるじゃない? 最終戦みたいにホイールナット取れちゃってとか、あれはS耐じゃ無理でしょ。だから個人的にはGT300にこだわりたい」。
KONDOレーシングは日産自動車、そしてメインスポンサーのリアライズコーポレーションのサポートを受けながら、次世代の整備士養成を担うレース活動を2023年も継続していく。
■リアライズコーポレーションの熱意はどこからくる?
パーティ当日はリアライズコーポレーションの今福洋介社長にも声が聞けた。モータースポーツファンならご存知のとおりKONDOレーシングが参戦する全カテゴリーにスポンサーをしている企業だ。
会社の業務はトラックを運用するファンドなどだ。大幅に事業を拡大しており、業績も好調な企業だが今福社長がKONDOレーシングをサポートする理由はビジネス的な観点が多い。
「まず近藤監督が普通にかっこいい人だし、まっすぐな人だし、一生懸命頑張っているし、ひと回りも上なのに若いし……。僕たちは日産自動車大学校のプロジェクトで出会ってたのですが、やっぱり若い学生たちを使って将来の整備士を養成するというのは大きいですよね。
あとはリアライズのお客さん、運送会社の人たちもレース好きな人多いし、トラックに投資してる投資家さんも、事業法人のオーナーさんとかもクルマ好きが多い。そんなところもマッチしているよね。もっとモータースポーツを盛り上げたいし、そのあたりも頑張りたいです」。
今後も引き続きKONDOレーシング、そして日産メカニックチャレンジをサポートしていくとのことだが、今後の展開もますます楽しみだ。
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