もっと詳しく

<p>ミッキー吉野 台湾で音楽賞、ゴダイゴでオーケストラと共演も</p><p>ミッキー吉野 台湾で音楽賞、ゴダイゴでオーケストラと共演も 「元気にならなくちゃ。どうしたらいいのかと考えたら、やっぱり音楽を作ることに行き着いた」。昭和52年に発表した「袋小路」を意味する「デッド・エンド」をという名の曲が「どこからともなく聴こえた」という</p><p>ロックバンド、ゴダイゴのリーダーでキーボード奏者のミッキー吉野(71)が、古希を過ぎて精力的に音楽活動を続けている。</p><p>ゴダイゴは令和5年2月4日に東京・すみだトリフォニーホールで、新日本フィルハーモニー交響楽団と共演したゴージャスなコンサートを開く。 また、吉野が自身で運営するインディーズレーベルから4年2月に出した最新アルバム「Keep On Kickin’ It」は、同年11月、台湾の「金音創作獎」というインディーズ音楽賞で「ベストアジアンクリエーティブアーティスト賞」の最優秀賞を獲得した。 「古希はね、おもしろいよ」と吉野はいう。 「人生を総括しないといけないというふうに還暦より重いイメージを持っていたけど、なぜか70歳が近づくにつれ気持ちは楽になり、今じゃ、箸が転がってもおかしい。能天気になったのかもしれないけど、能天気が一番だよ」 だが、笑ってばかりいたわけではない。2年5月、ゴダイゴのギタリスト、浅野孝已(たかみ)が68歳で亡くなった。同年9月にはゴダイゴの前に在籍していたザ・ゴールデン・カップスのメンバー、マモル・マヌー(享年71歳)とルイズルイス加部(享年71歳)が相次ぎ死去した。 「ここ数年で見れば、ショーケン(萩原健一)も、(内田)裕也さんも、お世話になった人たちが皆亡くなった」 加えて新型コロナ禍がもたらした閉塞(へいそく)感だ。「元気にならなくちゃいけない。どうしたらいいのかと考えたら、やっぱり音楽を作ることに行き着いた」と振り返る。 ゴダイゴが昭和52年に発表した「袋小路」を意味する「デッド・エンド」をという題名の曲が、「どこからともなく聴こえた」という。 「あれは、当時の混沌とした社会状況を反映した曲だけど、コロナで行き詰まっている現代は当時と似ている」。まず、この曲を中心に、歌のないインストゥルメンタル・アルバムを作ろうかと考えた。 だが、コロナ禍でどうやってレコーディングしようかと悩み、イベントを通じて知り合ったベーシストでプロデューサーの亀田誠二(58)に相談すると、「自分が制作を全面的にバックアップする」と協力を申し出た。 「どのみち一人じゃ音楽は作れない」。吉野は、椎名林檎やいきものがかりらのヒット曲を多数手掛けた亀田に任せることにした。 当初は吉野が選曲し、デモ音源まで作ったが、「いや、『銀河鉄道999』のような大ヒット曲は間奏のオルガンソロまで原曲のイメージを厳守して…」など、プロデューサー、アレンジャーとしてフル稼働。 その結果、アルバムはゴダイゴの「ガンダーラ」「ビューティフル・ネーム」、ゴールデンカップスの「銀色のグラス」、布施明(75)に提供した「君は薔薇(バラ)より美しい」など吉野の代表曲を集め、足跡をたどるような古希を記念する作品となった。 亀田は若手からベテランまで、豪華なゲストを集めた。例えば開幕を飾る「ザ・バース・オブ・ザ・オデッセイ~モンキー・マジック」は歌手のJUJU(46)が歌う。「君は薔薇より美しい」は、EXILE SHOKICHI(37)、「銀色のグラス」はChar(チャー)(67)…といった具合だ。 そして、レコーディングはインターネットを介してデータをやり取りする方法で進めた。コロナ禍にあって誰とも顔を合わせずに完成させた。 「意外なことに、いったん誰かにデータを送ることで冷静になれ、演奏を客観視することができた。その結果、演奏のクオリティーが上がり、満足できるアルバムができた。初めてじゃないかな。良くないと思ってしまうところが一つもないなんて」 亀田は「これは、一点の曇りもないアルバムですね」とほめたたえたという。</p>