<p>広がる“ドラッグ・ラグ” 小児がんで治療薬の導入遅れ 欧米と差も | NHK | WEB特集</p><p>「こんなことが増えてくるん?」 小児がんの一種と診断された9歳の少年 右手のまひが強くなり、吐く回数も増えたが、検査や診察を黙々と受け続けている がん治療薬の開発は飛躍的に進む一方で、小児がんの患者への対応は遅れている</p><p>【NHK】がん治療薬の開発が飛躍的に進む一方で、日本では特に子ども向けの薬の導入が遅れ「ドラッグ・ラグ」の状況が起きています。</p><p>この「ドラッグ・ラグ」、過去にも問題視されたことがあり、成人向けの薬については審査プロセスの改善などで短縮が進んできました。 しかし今、「新たなドラッグ・ラグ」とも言うべき事態が生じていて、特に小児がんの分野で顕著になっています。実は、「分子標的薬」が普及したからこそ、こうした状況が生まれてきたのです。 「制度が変わらなければ、差はどんどん開いていく」 小児がんは患者数が少ないため薬の利益が出にくく、欧米でも大人のがんに比べると新薬の開発がなかなか進みませんでした。ところが2017年、アメリカで新たな法律が制定され、大人用の分子標的薬を開発する際に、子ども用の薬も合わせて開発することが義務づけられました。 小児がんの原因となる遺伝子の変異はリスト化され、開発しなければいけない薬が明確になっています。 その年以降、アメリカで承認された小児がんの新薬は34。しかし、そのうち日本でも承認されたのは、7つにとどまっています。 さらに薬の承認を目指す臨床試験の数でも大きな差がついています。</p>