もっと詳しく

<p>町田啓太、「出し尽くし、戦った1年だった」──メン・オブ・ザ・イヤー・ブレイクスルー・アクター賞</p><p>【本日UP】町田啓太、「出し尽くし、戦った1年だった」──メン・オブ・ザ・イヤー・ブレイクスルー・アクター賞</p><p>2022年、町田啓太は映画『太陽とボレロ』をはじめとする、話題作への出演が続いた。デビュー以来、ドラマに、映画に、舞台にと、順調にステップアップしてきたようにも見える。けれどもその裏には、俳優業と真摯に向き合うがゆえの葛藤もあった。常に自己と戦い、表現の幅を広げてゆく町田啓太に、メン・オブ・ザ・イヤー・ブレイクスルー・アクター賞を贈る。</p><p>ジャケット ¥462,000、シャツ ¥99,000、ジュエリー ¥715,000、パンツ ¥192,500 by GUCCI(グッチ ジャパン) 静かな人だ。決して無口というわけではなく、何かを尋ねれば誠心誠意、丁寧に答えてくれる。けれども、考え抜いた末に発せられる言葉には無駄がなく、口調も穏やかだから、深い山に囲まれた湖のように静謐な佇まいの人だという印象を受ける。 町田啓太の、鏡のような湖面にさざ波が立ったのは、「2022年はどんな年でしたか?」と問うたときだった。彼は、少し息を吸ってから、こう切り出した。 「現状で出せるものを、いったん、出し尽くしたかなと思います。作品やキャラクターに自分が考えているものを投影して表現する、アウトプットする、ということをできる限りやったという実感があるんです。絞り出せばもっと出るのかもしれませんけど(笑)」 こう言っていちど周囲を笑わせてから、きりりと表情を引き締めて、「戦ってきたな、という年でしたね」と、まとめた。デビューから12年、戦ってきたと言えるほど充実した年を迎えたわけであるけれど、本人によれば、悩みながら俳優の仕事を続けてきたという。どんな道のりを経て現在に至ったのか、俳優という仕事をどのようにとらえているのか、将来についてはどう考えているのか─。32歳になった町田啓太に訊いた。 すべての作品との出会いに意味があった 2022年、町田が出演して話題になったのが、水谷豊が監督を務め、自ら脚本も書き下ろした映画『太陽とボレロ』だった。町田は、水谷に大きな影響を受けたという。 「とにかく魅力的で素敵な方でした。カッコつけてものを言う人ではないんです。やさしく包んでくれて、僕らと同じ目線で楽しいものを作ろうとしてくださいました。直接的な言葉がなくても、一緒にいるだけで周囲に安心感を与えてくださるというか」 では、水谷のように自分もメガホンをとりたいと思うことはなかったのだろうか。 「簡単にできることではないので、やるとなれば勉強しなければいけない。だから軽い気持ちでやりたいとは言えませんが、水谷さんは『やってみると見える景色が変わってくる』とおっしゃっていました。それを聞いて、興味が湧いたことはたしかです」 2010年にデビューしてから、『太陽とボレロ』のように自身のターニングポイントとなった作品は、ほかにもあったのだろうか。 難しいですね……。というのも、映画でもドラマでも、すべての作品に出会いがありますから。大きな作品だからとか、自分が主役だからとかは関係なく、携わったすべての作品に影響を受けていると思います」 こう言って、しばらく考えてから、町田はゆっくりと口を開いた。 「だから、ターニングポイントとなる作品は決めかねるのですが、役者を始めてしばらく経った頃、NHKの『美女と男子』というドラマで仲間由紀恵さんとご一緒させていただく機会がありました。〝駆け出しの俳優〟という役で、劇中劇もあったりしたのですが、当時の自分とリンクする部分がたくさんある作品でした。俳優業をやっていくうえで学ぶことがたくさんあり、刺激も受けたし、演じることに貪欲になれた作品でもあったので、すごく心に残っています」 そして町田は、「影響を受けた作品は、本当にたくさんありますよね」とひとりごとのようにつぶやいて、小さくうなずいてから、こう続けた。 「〝チェリまほ〟(『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』)という作品によって、僕を取り巻く状況が変わったことも印象に残っています。この作品は、最初は深夜ドラマ枠でひっそりと放送されていたのですが、たくさんの反響をいただいて、サプライズみたいなかたちで映画化することになりました。ドラマが映画になるというのは僕にとって初めての経験でしたが、作品が広がっていくことがうれしかったですし、そこからたくさん学ぶことができたので、あの作品との出会いには感謝しています」 "現状で出せるものを、出し尽くしたかなと思います。表現する、アウトプットするということをできる限りやりました。絞り出せばもっと出るのかもしれませんけど(笑)、戦ってきた1年でした" Most Popular</p>