戦前のレーシングカーや高級ロードカーで知られるイタリアのコンストラクター/エンジニアリング会社であるイソッタ・フラスキーニ社は、同社のル・マン・ハイパーカー(LMH)によるWEC世界耐久選手権参戦に向け、イギリスのベクター・スポーツとパートナーシップ契約を締結した。
2022年10月に突如発表されたとおり、イソッタはミケロットと組んで2023年のWECハイパーカークラスにハイブリッドエンジンを搭載したLMH車両を投入することを目指している。一方、ベクター・スポーツは2022年にWECのLMP2クラスにデビューした。両者はこの度、「テクニカル&スポーティング・コラボレーション契約」を締結したという。
イソッタ・フラスキーニのモータースポーツ・マネージング・ディレクターであるクラウディオ・ベッロは、「(ベクターの)チーム代表のゲイリー・ホランドやコマーシャル・ディレクターのアダム・ショアなど、偉大なモータースポーツ愛好家と手を握れたことを、大変うれしく思っている」とコメントしている。
「我々がコンタクトをとっていたさまざまなパートナー候補は、いずれも高いクオリティを持っていたが、我々にとって重要だったのは、明確な目的の一致を素早く見つけることだった」
「ベクター・スポーツの2022年シーズンのLMP2での経験が重要なポイントとなる。我々は近日中にFIA WECへの参戦申請書を提出する予定だ」
ホランドは次のように付け加えた。
「ベクター・スポーツは、長期的な計画と野心を持って耐久レースに臨んでおり、我々の目標と完全に合致する、徹底した評価プロセスを経て、イソッタ・フラスキーニとこの合意に至ったことを嬉しく思っている」
「レース界のビッグネームと戦うために、我々全員が急な学習曲線を描くことは承知しているが、我々の期待は現実的であり、成功への情熱に限りはない」
「イソッタ・フラスキーニは、強力なテクニカルパートナーをそろえており、もし参戦が許可されれば、我々がグリッドの頂点に立つのにそれほど時間はかからないと確信している」
イソッタ・フラスキーニは、100周年を迎える6月の第4戦ル・マン24時間レースへの準備の一環として、4月下旬の第3戦スパ6時間レースでWECデビューを果たす予定だ。
なお、ベクター・スポーツは2022年にチームランキング10位となったオレカ07・ギブソンで、LMP2クラスへの参戦も継続する予定だ。