2022年F1シーズンを通して、毎戦全20人のドライバーの評価/採点を行ったベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏が、シーズン全体を振り返り、独自の視点で2022年のトップ10ドライバーを選出した。10人のドライバーについての彼のレビューを添えて、カウントダウン方式で10位から1位までを紹介していく。
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■2位:ルイス・ハミルトン(メルセデス)
2022年シーズンにハミルトンは、16年のF1キャリアのなかで初めて、ポールポジションも勝利も獲得できず、ドライバーズ選手権でトップ5以内に入ることもできなかった。
カナダGPまでは、予選でもランキングにおいても、チームメイトのジョージ・ラッセルから大きな遅れを取っていた。しかし後に明らかになったのは、メルセデスが2022年型マシンW13の問題を解決しようと苦闘するなかで、ハミルトンは過激なソリューションを試す役割を担い、ラッセルは比較的走りやすいセットアップでレースを戦っていたということだった。W13のポテンシャルを信じるチームは、ハミルトン車で極端な実験を行っていたわけだが、結局は期待していたようなパフォーマンスを引き出すことはできなかった。
![ルイス・ハミルトン(メルセデス)](https://cdn-image.as-web.jp/2022/08/29011009/asimg_XPB_1166687_1200px_be630b93606833a-660x441.jpg)
チームが極端な実験を諦めた後、ふたりのドライバーが比較的近いセットアップで走るようになると、ハミルトンは本来の力を発揮し始めた。後半10戦の予選結果を見ると、7対3でラッセルに勝っている。第12戦以降には2位を5回獲得という、W13の実力をはるかに超えた結果を記録し、なぜ彼が7回世界タイトルを獲得し、100回を超える優勝をつかむという偉業を成し遂げてきたのかを、人々に思い出させた。
ハンガリーでは予選でDRSの問題が発生するという極めて不運な出来事によりポールポジションのチャンスを逃がし、ブラジルでは週末を通してラッセルより速さがあったものの、予選Q3の出走タイミングが悪く、決勝ではマックス・フェルスタッペンとの接触があり、優勝争いをすることができなかった。こうしてハミルトンはF1ドライバーになって以来、最も低調なシーズンを送ることになったわけだが、それでも彼は最終戦まで全力を尽くした。
![2022年F1第22戦アブダビGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)](https://cdn-image.as-web.jp/2022/11/19164112/asimg_22R22AbuFr-Ham-XPB1_9a6378889766e67-660x439.jpg)
![2022年F1第10戦イギリスGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)](https://cdn-image.as-web.jp/2022/07/04180816/asimg_22R10BriSu-Ham-XPB2_662c2adffaa39c-660x440.jpg)
![2022年F1第12戦フランスGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)が2位でフィニッシュ](https://cdn-image.as-web.jp/2022/07/25164607/asimg_22R12FraSu-Ham-Merc4_962de4a3f08d57-660x440.jpg)