ネットやテレビのニュースでも取り上げられた自転車の取り締まり強化。しかしその後見かける機会もなく、強化開始当初のみの「やってる感」で終わってしまったようだ。クルマにも歩行者にも危険な自転車の無謀走行を減らすアイデアを国沢光宏氏が提言!!
※本稿は2022年11月のものです
文/国沢光宏、写真/AdobeStock(メイン写真=Monet@AdobeStock)
初出/ベストカー2022年12月26日号
■クルマにも歩行者にも危険な「自転車の無謀走行」
今まで警察は自転車の無謀走行を見て見ぬ振りを続けてきた。今の自転車のデタラメぶりは100%警察の責任だと思う。
考えていただきたい。東京の場合、街を歩いていても信号無視する歩行者なんか皆無と言えるレベル。
なのに本来なら遵守すべき車道の信号を無視する自転車ときたら、至る所で出くわす。そいつをやっと取り締まると言い出した。100年遅い! とはいえ実状は注意喚起のみ。
クルマの違反で赤切符切られたら、簡易裁判処分になり前科の残る罰金刑を意味する。けれど先日から始まった自転車に対する赤切符は「後日警察署に出頭し注意される」というだけ。ほとんど実効性ないです。
これじゃ警察官からすればノルマにならず手間ばかりかかるから取り締まりに熱が入らない。捕まったほうも反省なんかせず「今日は運が悪かった」で終わっちゃう。単なるパフォーマンスだ。
ちなみに取り締まりを厳格化するといっている違反は、
1.信号無視
2.一時不停止
3.右側通行
4.歩道での徐行義務違反
の4つ。この手の違反、すべて危険度大きい!
今まで放置してきた悪質な違反を、明文化すること自体、恥ずかしくないのかと思う。しかもメディアで華々しく「警察も仕事してますよ」とアピールしたあとは、街中で取り締まりやってるのをまったく見かけなくなった。
こうなればクルマと同じ反則金制度を導入したらいかがか。青切符なら警察官の判断でバンバン取り締まれる。いや、前述の4つの違反なら動画さえ撮っておけば明々白々。
1年くらい熱心に取り締まりを行うことで無謀自転車は激減すると思う。無灯火の自転車が車道を逆走しているのに出くわしたり、一時停止無視で車道に飛び出してくる自転車に遭遇すると、「あんた死にたいのか!」と叫びたくなる。
可及的速やかに自転車からしっかり反則金を取れるシステムを立ち上げるべきだ。折しもここ数年、自動車の違反取り締まり件数減っており、警察も“シノギ”が少なくなっているようだ。
ぜひ新たな商売を始めたらいい。4つの違反、とりあえず5000円くらいの反則金から始めたらいいんじゃなかろうか。
【番外コラム】増える自転車専用レーン……クルマもバイクも気を付けたい違反
最近、都内でも自転車専用レーン(普通自転車専用通行帯)が整備されてきているが、よく目にするのがバイクがすり抜け、または走行車線として使用しているケースだ。
このレーンがある道路では、自転車は基本的に通行帯に沿って左側通行をする必要があるが(逆走はNG)、自動二輪車や原動機付自転車などが走行すると「通行区分違反」となり、捕まると反則点数2、反則金は二輪車7000円、原付バイクは6000円を科せられる。
また、バイクやクルマは駐車も禁止されている。荷物の積み降ろしや人の乗り降りなどの「一時的な停車」は可能だが、トラブルの原因になる場合があるので注意が必要だ。
【画像ギャラリー】こんな行為も違反です やらかしがちな「自転車の交通違反」をチェック!(4枚)画像ギャラリー
投稿 最近無灯火めちゃめちゃ多くない!? 自転車の取り締まり強化はただのパフォーマンスだったのか? は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。